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第参譚

0027:第零魔法省『ナターシャ』にて

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 パァァ――、ザザン!



「いってえな、……おい馬鹿弟子、もう少しまともに運べねーのか?(ギロリ)」


「ご、ごめんなさい、お師匠様!(汗)」



 みんなー、お師匠様からのパワハラに必死に耐えているツクヨミだよーー!(泣)

 僕達は、魔法省内の裏切り者を始末(?)するために、第一魔法省イリアルテから、第零魔法省『ナターシャ』へと転送してきたのであった!

 ちなみに第零魔法省は、アデル皇国建国からずっとある伝統深い国家組織で、第零魔法省に所属している魔法使いは、僕だけじゃ謁見も叶わない程のお偉いさんばかり。一応、お師匠様は、元々第零魔法省所属の超が付くくらい偉大な魔法使いだったのだけれど、『俺、第零魔法省あそこ、堅苦しいから抜けてきたわ。(ヤンキー)』てな感じで、第一魔法省に勝手に入ってきちゃったものだから、僕達平魔法使いは、第一魔法省で肩身の狭い思いをする羽目になっている。(しょぼーん)



「……お師匠様、僕なんかが、第零魔法省ナターシャに入って大丈夫なのですか?」


「……駄目ならもうとっくの昔に八つ裂きになっている。(ギロリ)」


「――――っ⁉(恐怖)」



 お師匠様ー、それ、もっと早く言ってくださいよー!(大泣)

 僕は、お師匠様にそう言おうとしたけれど、前方から、見覚えのあるお偉い魔法使い様がやって来られたので、慌てて口を閉じた。チラッと横にいるお師匠様を見てみると、険しい表情で目の前の魔法使い様を睨んでいる。(ひょえええ)



「――おやおや、お懐かしい。…………お久しぶりですね、ロック公。(微笑)」


「…………・クラウド。お前、よくもそんなでここまで昇進できたもんだな。(がちヤンキー)」


「さすが、偉大なる魔法使いである、ロック公だ。本来なら感動の再会のはずなのに、仰ることが大分破天荒ですね。(笑)…………確かに私も、第零魔法省ここという役職は、些か荷が重いと感じてはいますが、これは、私の意思だけではなく、の総意なのです。(微笑)」


「はっ! 笑わせるな。…………お前が不正投票を行ったという証拠を、俺は隠し持っているんだぞ。」


「(ふ、不正投票ー⁉ ガクブル)」


「…………。(目付きが一気に険しくなる)」


「ちなみに、皇帝陛下もご存知だ。(ビシッと)」


「――――っ⁉(驚愕)」


「(ええええええー⁉ こ、皇帝陛下にも謁見できるんですかー、お師匠様ー⁉)」


「…………それを今更言いに来て、どうしたいのですか? 私が第零魔法省ここの元帥であることは未来永劫変わりませんよ!(悪い顔)」


「聞きたいことがある。……お前を変えた原因は何だ?」


「……クフフッ。…………私は昔から変わっておりませんよ。(ニヤリ)」


「…………そうか。ならば、これが俺からの最後の質問だ。…………俺の馬鹿弟子……マーズを暗殺しようとしたのは、お前だな?(ギロリ)」


「(え、えええええええ⁉ ま、マーズ殿下って、暗殺されかかってたのー⁉ 大汗)」


「…………イエスと言えば、満足ですか?(半笑い)」


「…………。(じっとエリック元帥を見るロック公爵)」


「私は、……ただ自分ののためにやった事なのです! 全ては、全知全能の神『』様の為に、ユエ様の障害物になるであろうマーズ殿下を離宮の独房へと幽閉し、大火事に見せかけて、始末しようとしました‼ …………しかし、マーキュリー殿下のせいで、それは叶わなかった。……だから、私は考えたのです。マーキュリー殿下にを見せて、の関係を分断し、私はどさくさに紛れて、魔法省の中枢を握る! ……ユエ様は、私の考えに賛同してくださいました! そして、弱体化した魔法省全体ここの現状を報告すると、とても喜んでくださったのです!(うっとり)」


「チッ。(またユエアイツかよ。めんどくせぇな。いい加減アイツ以外のラスボス出てこいよ。つまらねーな。 イライラ)」


「(魔法省の元帥クラスの魔法使い様が、なんかヤバい事言っててどうすればいいかわからないよー! 助けてー、灰かぶり姫! 泣)」


「おい、ツクヨミ。お前、なんか、アイツに確認したいことがあるんじゃないのか?(ツクヨミを強い力でつつく)」


「(ええええ⁉ お師匠様、僕に振らないでくださいよー‼ 焦)…………あの、灰かぶり姫を追って、家のお三方が、第一魔法省イリアルテへと侵入して来たのですが、お三方を省内へと招き入れたのは、エリック元帥…………あなたなのでしょうか?」


「…………いかにも私だよ。(ニヤリ)」


「お前、そんなにベラベラと喋って大丈夫なのか?(なんか怪しいな)」


「私は何ら間違ったことはしていませんからね! ユエ様万歳‼(本心)」


「じゃあお前のを、に委ねても大丈夫だな。」


「いいですよ。(自信満々)」


「(さ、最後の審判って何⁉)」



 僕が疑問に思っていると、お師匠様は一歩前に出て、エリック元帥の前に左手のひらを突き出し、聞いたことのない呪文を唱えはじめたのだ!(ワクワク)



「――――来い、『』‼」



 ドドドドーーン‼



 大きな地響きが第零魔法省ナターシャ内に響き渡り、辺りは謎の濃い霧によって包まれる。僕は、をフル活用して、辺りをくまなく確認するが、魔法でできた霧なのか、全く前も後ろも見えない。(焦)



『もう、エドったら、全然来てくれないんだから、待ちくたびれたわよー!』



 と、上部から、甲高い女性の声がする。



「悪かったって。…………いろいろとこっちは忙しいんだよ。(チッ、面倒だな)」


『ああー! 今めんどくせぇって思っているでしょ! エドの人でなし!(泣)』


「ピギャピギャうるせえな。また今度来てやるから、をやってくれ。」


『遊んでくれないとやってあげないんだからねー!(舌を出してべーってする)』


「チッ、…………ツクヨミこいつがお前の遊び相手になってくれるらしいから、頼むよ。(ツクヨミをホールド!)」


「ええっ⁉ お、お師匠様⁉(意味わからないよ! 汗)」


『…………その少年とエドが遊んでくれるならいいよ!』


「……まあいいか。エリック、を呼び出したからな、もう一度聞くが、を行ってもいいんだな。」


「どうぞしてください。私に、間違えはありませんから。(余裕の笑み)」


「そうかい。…………じゃあ、後は頼んだ。」


『アイアイサー‼(ニコニコ)』



 僕は今何が起こっているのか、全然頭が追いつかなくてよくわかっていないけど、なんとなく、お師匠様が僕を売ったことだけはわかった気がした。(お師匠様の人でなし‼)



 ――『』とは一体⁉――
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