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第弐譚
0007:ドレスアップ
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パァーーーー
シュバッ
ドタバタッ
……ど、どうも、初めて魔法陣に乗ってみました灰かぶりです。
「灰かぶり姫、大丈夫? 怪我してない?」
「はい、大丈夫です。……ツクヨミさんはどうですか?」
「僕は全然平気だよ!」
辺りを見渡すと、ここはどうやら森の中のようです。暗くてジメジメした印象ですね。
「灰かぶり姫、この獣道の先が、トルネード王国の王城『エレジア城』さ‼」
ツクヨミさんの指し示す方角に目を向けると、遠くに微かな光が見えたのでした。
「ツクヨミさん、行きましょう‼」
「……その前に、ねっ?(ニヤリ)」
「……?(首を傾げる)」
「ドレスアップするよーー‼」
「謹んでお断りします。(真顔)」
「ガーーン‼」
ツクヨミさんは、大袈裟に膝を着いて頭を抱えました。
「灰かぶり姫、その格好で潜入するつもりなの? 絶対やめた方がいいよー。」
「……仰る通りなのですが、お気に入りのこの服じゃないと、なんだかそわそわして気持ち悪くなっちゃうんですよね。」
「そうかー、気持ち悪くなっちゃうのか。……動きやすいドレスとかもあるから、ほんのちょっとだけでも着てみない?」
「絶対に嫌ですわ。」
「しょぼーーん。(困り眉)」
「……ツクヨミさん、『ボロは着てても心は錦』なのですよ。(誇らしく)」
「わかるよー、気持ちはわかるんだけどね。ちょっとおめかししてもいいじゃないかー。(泣)」
「よく考えてみてください、ツクヨミさん。……この服装ならばメイドに紛れ込むことも可能なのですよ。」
「……うーーん。(考え中)」
「メイドなら目立ちませんし、裏道を通っても気にされないのでとても便利だと思うのですが。」
「……でも、僕だって、おとぎ話の魔法使いのように、灰かぶり姫に魔法をかけたいの!」
「じゃあ、それはまたの機会にしましょう。(微笑)」
「言ったね! 約束だよ! 絶対だからね‼(ビシッと)」
「……いつか、ですね。(微笑)……それよりもツクヨミさん、まさか、その恰好でお城に入られるおつもりではないですよね?(圧)」
「えっ……。」
「駄目じゃないですか、ツクヨミさん。TPOをわきまえた恰好でないと。……私にお任せくださいな‼(にっこり)」
「え、ええええええ⁉」
私は、ツクヨミさんのローブを引っ掴んで言いました。
「ツクヨミさん、どのようなドレスが好みですか?(にっこり)」
「や、やめてええええええ‼」
――一部の界隈で有名な魔法使いの悲鳴が、森の奥にて響き渡るのであった。――
シュバッ
ドタバタッ
……ど、どうも、初めて魔法陣に乗ってみました灰かぶりです。
「灰かぶり姫、大丈夫? 怪我してない?」
「はい、大丈夫です。……ツクヨミさんはどうですか?」
「僕は全然平気だよ!」
辺りを見渡すと、ここはどうやら森の中のようです。暗くてジメジメした印象ですね。
「灰かぶり姫、この獣道の先が、トルネード王国の王城『エレジア城』さ‼」
ツクヨミさんの指し示す方角に目を向けると、遠くに微かな光が見えたのでした。
「ツクヨミさん、行きましょう‼」
「……その前に、ねっ?(ニヤリ)」
「……?(首を傾げる)」
「ドレスアップするよーー‼」
「謹んでお断りします。(真顔)」
「ガーーン‼」
ツクヨミさんは、大袈裟に膝を着いて頭を抱えました。
「灰かぶり姫、その格好で潜入するつもりなの? 絶対やめた方がいいよー。」
「……仰る通りなのですが、お気に入りのこの服じゃないと、なんだかそわそわして気持ち悪くなっちゃうんですよね。」
「そうかー、気持ち悪くなっちゃうのか。……動きやすいドレスとかもあるから、ほんのちょっとだけでも着てみない?」
「絶対に嫌ですわ。」
「しょぼーーん。(困り眉)」
「……ツクヨミさん、『ボロは着てても心は錦』なのですよ。(誇らしく)」
「わかるよー、気持ちはわかるんだけどね。ちょっとおめかししてもいいじゃないかー。(泣)」
「よく考えてみてください、ツクヨミさん。……この服装ならばメイドに紛れ込むことも可能なのですよ。」
「……うーーん。(考え中)」
「メイドなら目立ちませんし、裏道を通っても気にされないのでとても便利だと思うのですが。」
「……でも、僕だって、おとぎ話の魔法使いのように、灰かぶり姫に魔法をかけたいの!」
「じゃあ、それはまたの機会にしましょう。(微笑)」
「言ったね! 約束だよ! 絶対だからね‼(ビシッと)」
「……いつか、ですね。(微笑)……それよりもツクヨミさん、まさか、その恰好でお城に入られるおつもりではないですよね?(圧)」
「えっ……。」
「駄目じゃないですか、ツクヨミさん。TPOをわきまえた恰好でないと。……私にお任せくださいな‼(にっこり)」
「え、ええええええ⁉」
私は、ツクヨミさんのローブを引っ掴んで言いました。
「ツクヨミさん、どのようなドレスが好みですか?(にっこり)」
「や、やめてええええええ‼」
――一部の界隈で有名な魔法使いの悲鳴が、森の奥にて響き渡るのであった。――
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