僕の幸せ

朝比奈和花

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おまけ

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 episode 25あたりのスピンオフです。
登場人物
望月 理人
四季 琥太郎
四季 柚
 
 
 

もうすぐ陽の誕生日がやってきます!
 
僕はこたちゃんのタブレットで色々調べて陽への誕生日プレゼントを決めた。
 
「りぃくん、陽くんに何あげるの?
去年みたくうちのお花を花束にする?」
 
「ううん!ことしはね!
かみをまとめるかみかざり作ってあげる!ってことで行ってきます!」
 
陽は今具合悪くて、シェルター、ってところにいる。
 
お外でるときは帽子をかぶること!って言われているからカンカン帽をかぶって外に出ようとした。
 
「待って待って!りぃくんどこ行くの!
それにお金は!?」
 
 
肩から下げてるポーチからがま口のかえるのお財布をじゃじゃーんと見せる。
 
 
「はるのお手伝いしてためたおこづかい!
 
あとはー、ごとうのじいちゃんのおちゃの話をしたり、たなかのじいちゃんのかじつえんのしゅうかくのお手伝いしたらおこづかいくれた!」
 
「りぃくんいつの間に……。」
 
「そういえば俺が仕事している間に後藤のじじいのお茶教室の手伝いをこなしてたから、すっかり気に入られておこづかいもらってたな。
 
あの気難しいじじいに気に入られてて驚いた。」
 
「はるがね、お茶の作法おしえてくれた!」
 
「そういえば前に田中さんと会ったときりぃくんが田中が育てている果物の品種全部当てたって上機嫌で話してたよ。
 
もしやそのときに……。」
 
「はるが図書館でおしえてくれた!
あとスーパーの試食で!」
 
陽は毎日たくさんのことを僕に教えてくれる。
 
 
「そういうことなので、そこのきらきらした石を売っているところに行ってきます!」
 
 
僕ひとりで行こうとしたら、ひょい、とこたちゃんに抱っこされてしまった。
 
「俺が連れていこう。」
 
「こたちゃん、お仕事は?」
 
「そろそろ昼休憩だから問題ない。
それに俺は基本裏仕事だからな。
柚、少しの間任せてもいいか?」
 
「もちろん!気をつけて行っておいで。」
 
こたちゃんと一緒だから安心したのかゆずちゃんはひらひら~と手を振って見送ってくれた。
 
 
「いらっしゃいませ~。あら?
四季さんじゃないですか。」
 
 
上品な面構えのお店にカランコロンと音を立てて入る。
どうやらこたちゃんは顔見知りのようだ。
 
 
「今日は俺じゃなくてこの子の用なんだ。」
 
「まぁ!かわいい子!
 
木蓮くんはかっこよかったですけれど、かわいらしい息子さんですねぇ!」
 
「いや、俺の子じゃない。
俺のところで働いている店員の子だ。」
 
「あぁ!よく近所で噂になる子ですね。」
 
「……噂になっているのか?」
 
「ええ!-shiki-の美人さんに、笑顔をもらえたらいいことが起こるって、もはやジンクスみたくなってますよ。」
 
こたちゃんと店員さんの話を聞いて心の中でドヤ顔をした。

陽は綺麗な顔しているからね!
 

「ターコイズとクリスタル、ありますか?
ターコイズ1粒とクリスタル2粒ほしいの。」

「あら?なにを作るの?」
 
「かみかざり!
はるのたんじょうびプレゼント!」
 
「そうなの~!素敵ね!
じゃあおばさんからもプレゼントね。
 
このターコイズとクリスタルの間にプラチナを挟むと……ほら、素敵でしょう?」
 
「きれい!
でもプラチナまでかうおかね……、ぼくもってない……。」
 
「おばさんからプレゼントって言ったじゃない!」
 
気にしなくていいのよ、とおばさんはおほほほほ、と上品に笑った。
 

それから色とりどりの中から紐を選んだ。
 
……おこづかい足りてよかった。
 
その後こたちゃんにもう少し付き合ってもらって綺麗な箱も買った。
 

「りぃくん、もう少し左…。」
 
ゆずちゃんに見てもらいながら、髪飾りを作っていく。
 
「できたぁ!はる、喜んでくれるかな!?」
 
「きっと涙を流して喜ぶよ。
りぃくんが作ってくれたものだもん。」
 
「うぇへへへへ、あげるの楽しみ!」
 
「さぁ、あとはラッピングだね。
りぃくん、どのリボンがいい?」
 
 
ゆずちゃんがお店で揃えているたくさんのリボンを見せてくれた。
 
シースルー素材軽やかなリボン。
ベルベット素材のエレガントなリボン。
ナチュラルな印象になる麻紐。
 
 
「これにする!」
 
 
僕はつや消しされたターコイズブルーのリボンを選んだ。
それを試行錯誤しながら結んでいく。
 
 
「上手にできたねぇ!
じゃあ陽くんに渡すまで隠しておこうか。」
 
 
ゆずちゃんはキャビネットの奥にしまってくれた。
 
 
「こたちゃんもゆずちゃんもありがとう!」
 
何かしてもらったら必ず笑顔でお礼を言うんだよ、りぃくん。
と陽はいつもそう言って笑顔でありがとうを人に伝えるから僕もそうする。
 
 
「どういたしまして!」
 
 
ゆずちゃんの返事とこたちゃんに頭を撫でられて、ますます僕は陽の誕生日が楽しみになった。

早く陽が元気になって
このプレゼント渡したいなぁ!
 
 



 おまけEND.
 
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感想 8

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みんなの感想(8件)

Miwa
2024.09.11 Miwa

またこの作品が読めて嬉しかったです
フジョさんで読ませていただいた気がします

嬉しくて一気に読んでしまいました。
ありがとうございました

これからも、応援しています

2024.09.12 朝比奈和花

Miwa様

嬉しいコメントありがとうございます

なんと前のサイトにアップしていたのを覚えてくださってる方がいたことに驚きととてつもなく嬉しくなりました

重ねてありがとうございます!

解除
天音
2024.06.28 天音

とても面白かったです🫶🏻
陽が自分の気持ちに素直になれてよかったです😭
素敵な作品ありがとうございました✨

2024.06.28 朝比奈和花

天音様

嬉しいコメントありがとうございます!

素直になるって難しいけど大切なことですよね

もしよろしければ短編集も覗いてくださると幸いです☺️

解除
やむやむ
2024.06.28 やむやむ

懐かしい作品です。
読めて嬉しかったです。
エブリスタ投稿でしたっけ(。・_・。)

2024.06.28 朝比奈和花

やむやむ様

なんと!以前を知っている方でしたか……!
また読んでくれたうえにコメントまでありがとうございます!

エブリスタ様ではないのです💦

解除

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