100 / 101
99*
しおりを挟む身体が勝手に揺れてしまう。
「も、これ、ほしぃ……」
後ろが切なくて、リュカさんがほしいと本能が叫んでいた。
その証拠に後ろから溢れる液がしとどに垂れて双玉を濡らしていた。
「ん、私ももう……!」
切羽詰まった声と同時に熱い質量が僕の中に満たしてくる。
「あ、ぁ……んんんんっ!」
僕のイイトコロを擦り上げて、奥を突く。
たった一回のその行為におもらしをしてしまったようにじんわりとシーツを濡らしてしまったのがわかった。
「くぅっ……」
イっている僕が締めつけてしまっているのか、後ろからリュカさんの切ないような、辛そうな声が鼓膜を揺すぶった。
肌どうしがぶつかる音。
ひっきりなしに漏れる嬌声。
耳まで犯してくる水音。
昂らせてくる香り。
全部が気持ち良くて、たまらない。
「も、かんで、んぅっ、かんで……!
ひぁっ!リュカ、さんっ!」
「くっ、はぁ……はるっ!」
僕をリュカさんのものにして。
一生離さないで。
「あ、あぁぁぁぁっ!……っ、っ!」
かつてないほどの快感と少しの痛み。
それから膨れ上がる愛しさと安心。
「ふふ、しあわ、せです……
あり、がと……う」
愛しい人に包まれて僕の意識は沈んだ。
「____…な……ね。」
「……と、……で……ら。」
横から聞こえる話し声と、胸あたりでもぞもぞ動くなにかに意識が覚醒する。
「あっ、陽起きた!」
ぴょこん、と僕の顔を覗き込む天使がいた。
結婚前に新しいマンションに移り住み、しかも下の階には伊南さんが住んでいて、昨日はつがいになるためにりぃくんを見てもらっていたのだが、どうやら戻ってきたようだ。
肌に当たるシーツもさらさらしていてどうやらリュカさんが後始末をすべてしてくれていたらしい。
きちんとパジャマも着ている。
本当に身体の熱を抑えてくれるだけの軽い抑制剤を飲ませてくれたのか、身体はまだ少しだるい。
身体がバキバキなのは気のせい、だよね。うん。
「陽……ねぼけてる?」
「りぃくん、陽は昨日の結婚式、少し疲れてしまったみたいです。
……陽、水は飲めそうですか?」
「ん……ありがとう、ございます。」
リュカさんから冷たい水が入ったグラスを受け取って口をつける。
乾いていた身体が潤う感覚が心地よい。
「昨日ね~こたちゃんのところでとってきたの!
陽にぴったりでしょ!
ゆずちゃんもリボンくれたから僕が結んだの。」
じゃーん、と見せてくれたのはいつかの日にリュカさんに渡したのと同じ花。
リボンの色まで一緒だった。
思わずリュカさんと顔を見合わせてクスクスと笑いあった。
急に笑い出した僕たちにりぃくんはぽかんとしている。
唯一の人が隣にいて、かけがえのない宝ものが腕の中にある。
幸せだね、僕。
過去の自分に笑いかけた。
それに応えてくれるように、一輪のバラがそよりと揺れる。
僕の幸せ END.
お読みいただき、ありがとうございました。
ここまで読んでくださった貴方にもたくさんの幸せが訪れますように!
To Be continued……?
1,021
お気に入りに追加
1,139
あなたにおすすめの小説
悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
▼毎日18時投稿予定
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
花婿候補は冴えないαでした
一
BL
バース性がわからないまま育った凪咲は、20歳の年に待ちに待った判定を受けた。会社を経営する父の一人息子として育てられるなか結果はΩ。 父親を困らせることになってしまう。このまま親に従って、政略結婚を進めて行こうとするが、それでいいのかと自分の今後を考え始める。そして、偶然同じ部署にいた25歳の秘書の孝景と出会った。
本番なしなのもたまにはと思って書いてみました!
※pixivに同様の作品を掲載しています
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
【完結】幼馴染から離れたい。
June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。
βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。
番外編 伊賀崎朔視点もあります。
(12月:改正版)
見ぃつけた。
茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは…
他サイトにも公開しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる