僕の幸せ

朝比奈和花

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一世一代の告白から一年後。

色とりどりの花々とだいすきな人たちに囲まれて僕たちは結婚式を挙げた。



1年の間に色々なことがあった。

リュカさんのご両親への挨拶、式場選び等々……。
思い出すだけでもあのときの緊張が蘇りそう。

そんな中でも、一番大きな出来事はリュカさんの名前が変わったこと。

義兄のレイさんは、リュカさんがルグゼンブルクの事業から撤退したせいで、以前よりも利益が大幅に減ったらしく、僕の過去を調べ上げて、Ωで、子持ちで、両親もいない奴にルグゼンブルクの敷居は跨がせない。と生活に支障が出そうなくらい嫌がらせをしてきた。

何度も忠告していたらしいが、とうとう僕に直接手を出そうとしてきて、本気で怒ったリュカさんが、ルグゼンブルクとの縁を切った。

そして、父方の祖母の家に養子という形で入り、正式な名前がリュカ=フラヴィオ=イオリ=ルフェーブルに変わった。




そんなリュカさんと結婚して僕は陽 ルフェーブルになった。

バージンロードは父親代わりの琥太郎さんに歩いてもらって、リングボーイはりぃくんに。

あの琥太郎さんがリュカさんに僕を渡すときに涙目になりながら幸せになりなさい。って言ってきて、式の最中だというのに、涙が一筋零れた。

そんな感動に包まれた結婚式。

「陽、きれいだった!」

「りぃくんはかっこよすぎて僕もうどうしよう!」

披露宴は僕が大勢の人が苦手なことをリュカさんが配慮してくれて、-shiki-の植物園で親しい人たちと行うことにした。

そんな花々に囲まれているのはリュカさんが作ったタキシードを着たりぃくん。

リングボーイとして、結婚指輪を持って来てくれたときからそうだったけど、本当に天使が舞い降りたと思うほど美しくて僕は天に召されそうになった。
……リュカさんがさりげなく支えてくれて事なきを得たけど。

「陽くーん!とっても綺麗だったわ!
やっぱり一緒にモデルしてみない!?」

「ええ、本当にいい式だったわ。
そしてモデルの件は気にしないで。」

シャンパン片手にこちらに来たのはリュカさんのご両親。

義父とう様のクロエ=ビアンカ=ルグゼンブルクさんとお義母かあ様の西園寺 伊鶴さん。

リュカさんのご両親はふたりともαの女性だった。

クロエさんは世界を股にかけるトップモデルで、その美貌はさすがというべきか、神々しい。
今日着ている胸元が大きく開いた鮮やかな紅のドレスがよく似合っている。
そして、伊南さんはクロエさんに似たんだなとわかるほど、底抜けに明るい。
最初の挨拶のときなんて原石を見つけたわー!と僕を見るなり叫んで、モデルにならない!?と熱心に誘われた。

伊鶴さんは西園寺総合病院の院長。
クロエさんとはまた違った、たおやかな美人で、普通なら地味に見えそうな深緑のドレスを上品に着こなしていた。
落ち着いた性格らしい伊鶴さんは、言い方は悪いが暴走しがちなクロエさんをうまく大人しくさせてくれる。
ただクロエさんと伊南さんにはなかなかに毒舌だ。

ふたりはやりとりはリュカさんと伊南さんの普段の様子とまったく同じで思わず笑ってしまったものだ。

そんな個性的なご両親はとても温かく僕を受け入れてくれた。


会場に並べられている、柚さんのとても美味しい料理を奪い合うように食べる木蓮さんと伊南さん。
それを見てなぜか小さな身体で張り合おうするりぃくんに笑わせてもらって、想い出に残るとてもいい式になった。



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