気まぐれ店主ののんびり？生活

第2章

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エルヴィスさんが店を開け、チェルロさんが材料を仕入れてくれたおかげで、親子が大層来たらしいけれど、一旦の落ち着きを見せた。

双子もあれから回復を見せ、5日経つ頃には完全回復した。




「「ユーリ～！死なないでぇ～！」」

「ゲホ、ゲホ、死なないよ。
2人ともラディカの言うことを聞いていい子にね。」

はい、つきっきりで看病していた俺に移りました。

流石に病気で双子の生活を見れないだろうと双子はラディカが預かってくれることになった。
病気になっても子どもの生活を回している世の中の親御さんは本当にすごいと実感する。

そして俺は最初にお医者さんが言っていた通り、双子よりさらに症状が酷かった。

身体は節々が痛くてだるくて、動くことができない。
ごはんを食べるなんてもはやできていなかった。
なんとか水分をとっているくらい。


「ユーリさん、大丈夫ですか？
あぁ、辛そうですね。」

双子を送り出すのと入れ違いにエルヴィスさんが来てくれた。

「エルヴィスさんに、ゴホ、移ったらいけない、ので、ゲホ、こない方が……。」

「竜人族は身体が丈夫なのでちょっとやそっとじゃ病気になりませんよ。
それではユーリさん、失礼します。」

「え。うわ、わ！」

毛布ごとお姫様抱っこされてエルヴィスさん宅に連行された。
元々チェルロさんが使っていただろう部屋のベッドに寝かせられる。

「仕事もあるのでつきっきりというわけにはいきませんが、こちらにいてくれた方が看病もしやすいので。」

この移動だけでも体力を使ったのかぼーっとしてしまってエルヴィスさんがなんて言っているのかいまいちわからない。

「ユーリさんはゆっくり眠っていてください。」

ぼやける視界にエルヴィスさんの手が降りてきて、その手が気持ちよくてすぅ、と眠りについた。




ぴちゃ、ぴちゃん……

水音……？

「あ、ユーリさん起きましたか？」

ぬるくなったタオルを冷たいものに変えてくれる。

「何か食べられそうですか？」

「う、あ……。」

声を出そうにも喉が痛くて声が出ない。

「喉が腫れていますね、咳止めと炎症を抑える薬も飲みましょうか。

本当なら少し胃にものを入れてほしいのですが食べられそうですか？
双子ちゃんにあげていたものを真似しただけなのでユーリさんの足元には及びませんが作ってみました。」

エルヴィスさんの手の中にはほかほかと湯気をたてるおじやがあった。

わざわざ俺のために……。
途端にお腹が減ってきたような気がした。

「はい、あーん。」

あー、ん？

エルヴィスさんから？俺が？
自分で食べれるとスプーンをもらおうにも怠すぎて腕が上がらなかった。

恥ずかしながらエルヴィスさんに支えてもらって口におじやを運んでもらう。



だしは取れていないし、にんじんも病人に出すには少しだけ固い。
だけど俺の作ったおじやより美味しく感じた。