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第2章
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しおりを挟む「恒例となりました!
家族会議をはじめます!」
ぱちぱちぱち~!
「さて、2人には商品を出してもらおうと思います!」
「「商品?」」
「2人も仕込みを始めてもう2年になるだろう?
だからまずはひとつ、ミクロにはオランジのマーマレード、フィラにはゴリンのジャムを作ってもらおうかなって。
商品名は題して!『ミクロのオランジマーマレード』と『フィラのゴリンジャム』!」
「「そのまんま……。」」
「商品として店に出す以上、いつも同じ味で、美味しくて、安全に食べられるものじゃなきゃいけない。
責任重大だよ。」
そういえば2人の顔は途端に引き締まる。
「ま、俺の合格点が出るまでは出せないからまずは作ってみよっか!」
レシピは教えて、2人に作ってもらう。
俺は見てはいるけれど手は出さない。
「うーん、ダメだね。
甘さが均等じゃない。」
「果肉の大きさがバラバラすぎる。」
失敗が重なるにつれて室内に甘い匂いが充満していく。
俺も味見で歯が虫歯になりそうだけれど、2人が真剣に頑張っているからとことん付き合う。
「うん、合格。
じゃこれは瓶に詰めてね。」
幾度となく失敗してもらった合格に双子は安心したのか、笑いながら泣き出した。
お互いに抱き合ってお互いに慰めていた。
厳しすぎたかな。
でも商品として提供する以上妥協は許されない。
「明日から早速出してみようか。」
「「うん!」」
初めての双子の商品、売れるといいな。
ま、売れるようにひとつ、作戦があるのだけどね。
そう、それは
「今日のランチは焼き鯖定食になります。
そしてこちらはサービスです。」
試食!
一口大のクラッカーにミクロのオランジマーマレードとフィラのゴリンジャムをつけて出す。
「こちらの『ミクロのオランジマーマレード』と『フィラのゴリンジャム』は本日発売の新商品になります。
ぜひご賞味ください。」
こうすれば購買意欲を刺激しやすくなるだろう。
「まぁ、甘すぎなくていくらでもいけそうだわ。
さすが気まぐれカフェのお弟子さんの商品ね。
帰りひとつずついただいていくわ。」
その言葉が聞こえたのだろう、会計や他の席に運んでいた2人がソワソワしたのがわかった。
「さて、とりあえず5個ずつ販売したマーマレードとジャムは2種類ともランチタイム序盤で売り切れました~!」
「「……やったぁー!」」
きゃいきゃいと喜ぶ2人の姿に俺の心もぽかぽかと温かくなる。
初めて自分の商品が売れたこの日のことを忘れないでほしいと願う。
きっとそれが初心になってくれるから。
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