気まぐれ店主ののんびり?生活

朝比奈和花

文字の大きさ
上 下
65 / 83
第1章

65

しおりを挟む



今日は第2騎士団の順位戦。

昨日結局ごはんも食べずに寝通した双子は朝ごはんを俺と同じくらい食べた。


ミクロは昨日買ったアレックスのキーホルダーをカバンにつけてホクホクで準備を終えていた。
フィラは若干眠そうだ。




会場につけば昨日と席は同じだったのだが今日は先客がいた。

若草色のドレスをきた女性だ。
そう一度俺のカフェに来てくれたフェリックスさんの奥様、フェリシア様だった。
それともう1人側には薄ピンクのかわいらしいドレスを着た7歳くらいの女の子もいた。

「まぁ、来てくださったのね。
嬉しいわ。

さぁ、礼儀や作法は気にしなくていいから座ってください。
あ、紹介しますね。

この子は娘のアリステア。
ほら、アリス、ご挨拶を。」

フェリシア様に促されたアリステア様は見事なカーテシーと共に挨拶してくれた。

「ルクセンベルク家長女、アリステアともうします。」

だいぶおしゃまなお嬢様なようだ。

「丁寧なご挨拶をありがとうございます。
小さなレディー。

私はしがないカフェの店主をしておりますユーリ=トウカと申します。
この子達は弟のミクロとフィラです。」

「ミクロです。」

「……フィラ、です。」

2人は若干俺の後ろに隠れていたけれど、きちんと挨拶はできた。
アリステア様は2人の色彩に偏見はない上に面倒見のいい性格なようで、話かけに来てくれた。

「フェリシア様、薬屋の店主のエルヴィスさんとチェルロさんです。」

2人をフェリシア様に紹介して席についた。

今日はフェリシア様、アリステア様、双子、俺、エルヴィスさん、チェルロさんの席順だ。
席順は決まったのだが、フェリシア様は身重であることもありフェリックス様の試合が来るまで、違うところで休むことになった。
あまり試合に興味なさそうなアリステア様も一緒に。

貴族だから、どこか違う場所があるのだろう。



第2騎士団所属でカフェに来てくる方たちを応援しつつ、フェリックスさんが出る試合を待った。




「いよいよですね。」

第2騎士団も決勝は団長対副団長だった。

どちらかというと細身のフェリックスさんに対して副団長は筋骨隆々の大男だった。
双子の身長ほどあるメイスを持っている。

俺ならあれに触れただけで死にそうだな。

一方フェリックスさんは素手だったから昨日の副団長の方みたく魔法が主なのだろう。

この世界では魔法のために杖を使うことはなくて杖を使うのは魔術の方だ。
術式を組むときに必要になる。

俺はまだ自分専用のは持っていなくて、適当に買った中古のやつを使っている。
基本的に自分の武器は自分で材料を集めないといけないから、戦えない俺は中古で我慢するしかない。

いずれどこかのお店や商会を通して買うことができればいいかなーって考えて入るけれど、それも財布と相談だ。
お金に今は困っていないとはいえ、何でもかんでも欲しいからと買うわけにはいかない。
家のときみたく必要に迫られることもあることもあるかもしれないし。

…………自分の杖を手に入れられるのはいつになることやら……。
しおりを挟む
感想 44

あなたにおすすめの小説

ちっちゃくなった俺の異世界攻略

鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた! 精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!

【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺

福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。 目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。 でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい… ……あれ…? …やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ… 前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。 1万2000字前後です。 攻めのキャラがブレるし若干変態です。 無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形) おまけ完結済み

婚約破棄されたショックで前世の記憶&猫集めの能力をゲットしたモブ顔の僕!

ミクリ21 (新)
BL
婚約者シルベスター・モンローに婚約破棄されたら、そのショックで前世の記憶を思い出したモブ顔の主人公エレン・ニャンゴローの話。

侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました

下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。 ご都合主義のSS。 お父様、キャラチェンジが激しくないですか。 小説家になろう様でも投稿しています。 突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!

不幸体質っすけど、大好きなボス達とずっと一緒にいられるよう頑張るっす!

タッター
BL
 ボスは悲しく一人閉じ込められていた俺を助け、たくさんの仲間達に出会わせてくれた俺の大切な人だ。 自分だけでなく、他者にまでその不幸を撒き散らすような体質を持つ厄病神な俺を、みんな側に置いてくれて仲間だと笑顔を向けてくれる。とても毎日が楽しい。ずっとずっとみんなと一緒にいたい。 ――だから俺はそれ以上を求めない。不幸は幸せが好きだから。この幸せが崩れてしまわないためにも。  そうやって俺は今日も仲間達――家族達の、そして大好きなボスの役に立てるように―― 「頑張るっす!! ……から置いてかないで下さいっす!! 寂しいっすよ!!」 「無理。邪魔」 「ガーン!」  とした日常の中で俺達は美少年君を助けた。 「……その子、生きてるっすか?」 「……ああ」 ◆◆◆ 溺愛攻め  × 明るいが不幸体質を持つが故に想いを受け入れることが怖く、役に立てなければ捨てられるかもと内心怯えている受け

異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします

み馬
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。 わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!? これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。 おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。 ※ 設定ゆるめ、造語、出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。 ★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★ ★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

幽閉王子は最強皇子に包まれる

皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。 表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

処理中です...