気まぐれ店主ののんびり？生活

第1章

56

この日以降、ルフくんやミミくんからも招待状をもらった。
すでにある人からいただいてしまったと言って断ったが。

ルフくんやミミくんもお弁当が欲しくて招待状を持ってきてくれてしょんぼりしている姿を見て、普段からこの店を贔屓にしてくれていることもあってお弁当作ることを快諾したのだった。



驚いたのは第2騎士団のフェリックスさんからも招待状を頂いたことだった。

フェリックスさんは以前来てくれたフェリックスさんの奥様も食べられるごはんを作ってきてほしいとのことだった。
前回来てくれた時は完食してくれたが、奥様のフェリシアさんは結構色の好みが激しいようだ。

それに今は妊娠しているようでさらに好き嫌いに拍車がかかっているらしい。

第2騎士団は第3騎士団とはまた別日に順位戦を行うそうでありがたく招待状を頂戴した。
おかげで連日の観戦ができることになった。

聞いた双子は大喜びだ。


「ってことで、エルヴィスさん、チェルロさんその日空いていますか？」

カフェを閉店してお昼ごはん。
たまたま今日は一緒に食べることになったエルヴィスさんとチェルロさんもいる。

今手元には2枚ずつ、計4枚の招待状がある。
俺の1枚で双子といけるから1枚余ってしまう。

双子はチェルロさんを誘いたいということで、俺は普段お世話になっているエルヴィスさんを誘おうと思っていたからエルヴィスさんに招待状を渡すことにした。

「順位戦のチケットですか！？
しかもプラチナチケット！

これ買うのに今みんな苦労しているのに！

どこで手に入れたんですか？」

チェルロさんが驚いた様子で招待状を見ていた。

「そうなんですか……？

これお客さんからもらったんですよ。」

「ユーリさんは運がいいですねぇ。」

「いいどころじゃないだろ……。」

チェルロさんが教えてくれて知ったのだが、順位戦は市民も注目する行事だったようだ。
それゆえに売っているチケットは争奪戦でもう売れてないそう。

俺、すごいものもらってしまった……と今更ながら知るのだった。
これはいいものを作らなければ……。

「ユーリさんに誘ってもらえるなんて嬉しいですね。」

エルヴィスさんはいつものようにのほほんとしている。


「ユーリ！これ！美味しい！」

「……ぼく、これすき。」

双子は順位戦から今目の前にあるハンバーガーに夢中。

「よかった。
たくさん食べな。」

ソースを口の端につけているミクロのソースを指で拭う。
双子がきたときはガリガリだったけれどだいぶふっくらとして健康的な5歳児になってきた。

最初は遠慮がちでオドオドしていたけれど、だいぶ素を出してくれているようにも思う。




昼食後は俺は薬屋のお手伝い。

双子はおやつの時間まで雑貨屋のおばちゃんのところのヌイくんの散歩をしてから本屋のおじいさんのところに行くらしい。
なかなか充実しているようで何より。

いちごのゼリーを作って冷蔵庫に入れ、置き手紙を書いておいた。
おやつの時間より少し早く帰ってきたときのためにね。