気まぐれ店主ののんびり?生活

朝比奈和花

文字の大きさ
上 下
47 / 83
第1章

47 side 双子

しおりを挟む


side 双子


エルヴィスさんとユーリは何やら楽しそうに話し始めてしまった。

「うま……。」

チェルロはユーリの卵焼きとか僕たちの作ったおにぎりをうまいうまいとひたすら食べている。

「チェルロは、人族なの?」

「俺は呼び捨てか、まぁいいけど。
俺は竜人族だよ。

ちびちゃんたちは竜人族をみたのは初めてか?」

「「うん。」」

「見た目は人族と変わらないだろ。
あ、これもうまい。」

きのこの肉巻きをひとつぱくつく。

「……ひとぞくとなにがちがうの?」

「ん?んー?ひ、み、つ。

自分たちで調べてみな。」

絶対説明するのめんどくさがった!

でも秘密と言われると気になる……。
今度調べてみよう。

チェルロは竜人族の国は雲の上、つまり空にあることとか、竜人族は食にうるさい人が多いこととか、宝石などの光りものがすきな人が多いこととか気になることをたくさん教えてくれた。





お昼ごはんを食べ終わったら、エルヴィスさんとチェルロと屋台を周ることになり、ミクロはエルヴィスさん、フィラはチェルロに肩車してもらった。

初めての肩車。
空に手が届きそうな気がして、楽しい。

でも、ゆらりゆらりと揺れて、なんだか目が…………ぐぅ。














は、と目を覚ませばカフェの事務室だった。

おやつにユーリからプリンをもらってほっぺたが落ちそうなその美味しさに2人で美味しいねぇって楽しんでいると、ユーリがエルヴィスさんとチェルロが隣に住んでいいかと僕たちに聞いてきた。

薬屋さんをやるとユーリから聞いていたけど、それをエルヴィスさんたちがやるならユーリののんびり過ごすって目標に近づくのだろう。
チェルロと話すのは楽しい。

2人よりできることが少ない僕たちが捨てられないか不安だったことけれど大丈夫だとわかり、受け入れることにした。







その後ユーリは2人と契約を結びに行き、帰ってきたと思ったら歓迎会をやるとキッチンに籠ったので僕たちももはや着替えるだけとなっていた自分の部屋に籠った。

「フィラ、かけたー?」

「……ん、かけた。」

綺麗な色の紙にユーリへおめでとうとありがとうを書いて袋に入れて紐で縛る。

「できた!」

「……できたね。」

「「よかった。」」

途中ユーリが来て焦ったけれどミクロが部屋に入らせないで難を逃れ間に合ったのだった……。




夜、歓迎会の途中でユーリにプレゼントを渡せば、ユーリは笑いながら泣いていた。
嬉しくても涙が出ることはあるんだって。

ぎゅ、って抱きしめてくれた腕の中はやっぱり温かくてユーリのところに来れてよかったとユーリの首元に擦り寄ったのだった。





それからというもの、ユーリは常に僕たちがあげたペンダントをつけてくれていた。

あげた手紙は書斎の壁に貼られてた。

恥ずかしいから外してって言ったけど、俺の宝物だからって外されることはなかった。




サプライズ、大成功!






しおりを挟む
感想 44

あなたにおすすめの小説

ちっちゃくなった俺の異世界攻略

鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた! 精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!

【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺

福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。 目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。 でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい… ……あれ…? …やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ… 前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。 1万2000字前後です。 攻めのキャラがブレるし若干変態です。 無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形) おまけ完結済み

婚約破棄されたショックで前世の記憶&猫集めの能力をゲットしたモブ顔の僕!

ミクリ21 (新)
BL
婚約者シルベスター・モンローに婚約破棄されたら、そのショックで前世の記憶を思い出したモブ顔の主人公エレン・ニャンゴローの話。

異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします

み馬
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。 わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!? これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。 おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。 ※ 設定ゆるめ、造語、出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。 ★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★ ★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました

SEKISUI
BL
 ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた  見た目は勝ち組  中身は社畜  斜めな思考の持ち主  なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う  そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される    

侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました

下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。 ご都合主義のSS。 お父様、キャラチェンジが激しくないですか。 小説家になろう様でも投稿しています。 突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!

その男、有能につき……

大和撫子
BL
 俺はその日最高に落ち込んでいた。このまま死んで異世界に転生。チート能力を手に入れて最高にリア充な人生を……なんてことが現実に起こる筈もなく。奇しくもその日は俺の二十歳の誕生日だった。初めて飲む酒はヤケ酒で。簡単に酒に呑まれちまった俺はフラフラと渋谷の繁華街を彷徨い歩いた。ふと気づいたら、全く知らない路地(?)に立っていたんだ。そうだな、辺りの建物や雰囲気でいったら……ビクトリア調時代風? て、まさかなぁ。俺、さっきいつもの道を歩いていた筈だよな? どこだよ、ここ。酔いつぶれて寝ちまったのか? 「君、どうかしたのかい?」  その時、背後にフルートみたいに澄んだ柔らかい声が響いた。突然、そう話しかけてくる声に振り向いた。そこにいたのは……。  黄金の髪、真珠の肌、ピンクサファイアの唇、そして光の加減によって深紅からロイヤルブルーに変化する瞳を持った、まるで全身が宝石で出来ているような超絶美形男子だった。えーと、確か電気の光と太陽光で色が変わって見える宝石、あったような……。後で聞いたら、そんな風に光によって赤から青に変化する宝石は『ベキリーブルーガーネット』と言うらしい。何でも、翠から赤に変化するアレキサンドライトよりも非常に希少な代物だそうだ。  彼は|Radius《ラディウス》~ラテン語で「光源」の意味を持つ、|Eternal《エターナル》王家の次男らしい。何だか分からない内に彼に気に入られた俺は、エターナル王家第二王子の専属侍従として仕える事になっちまったんだ! しかもゆくゆくは執事になって欲しいんだとか。  だけど彼は第二王子。専属についている秘書を始め護衛役や美容師、マッサージ師などなど。数多く王子と密に接する男たちは沢山いる。そんな訳で、まずは見習いから、と彼らの指導のもと、仕事を覚えていく訳だけど……。皆、王子の寵愛を独占しようと日々蹴落としあって熾烈な争いは日常茶飯事だった。そんな中、得体の知れない俺が王子直々で専属侍従にする、なんていうもんだから、そいつらから様々な嫌がらせを受けたりするようになっちまって。それは日増しにエスカレートしていく。  大丈夫か? こんな「ムササビの五能」な俺……果たしてこのまま皇子の寵愛を受け続ける事が出来るんだろうか?  更には、第一王子も登場。まるで第二王子に対抗するかのように俺を引き抜こうとしてみたり、波乱の予感しかしない。どうなる? 俺?!

処理中です...