上 下
39 / 109
第1章

39

しおりを挟む



「う~ん、なんでこんな芸術的な髪型になるんだろうなぁ。」

鶏のトサカのような寝癖がついている2人の髪型を直し、着替えさせて朝食を摂らせる。

白のシャツに臙脂色のチェックのベストに臙脂色の無地の半ズボン。
ミクロフィラの花をつけたカンカン帽を被せ、編み上げブーツを履かせれば完璧だ。

「2人とも最高に可愛いぞ。」

「「ユーリも一緒!」」

今日は俺も一緒に少しおしゃれしてみた。
俺も白シャツに無地の臙脂色のベストにスラックス。
胸には2人の花のミクロフィラを挿した。

あまり着慣れない色だけれど花祭りだしいいだろう。

「お揃いだね。

さ、準備して早速花祭りに行こうか。」

あまり外食が得意ではない2人と一緒にお昼ごはんを作る。
おかずは俺がさっと作ってお弁当箱に詰め、2人にはおにぎりを握ってもらう。

具材は鮭、ツナマヨ、唐揚げ、おかか。

熱々の米を握るのに苦労していたようだけれど、俺のお手本のおにぎりを見て2人とも頑張っていた。

お昼ごはんも楽しみだ。
お昼ごはんをアイテムボックスに入れて家を出た。





「さ、2人はどこから回りたい?」

「「魔法ギルド!」」

「じゃ、そこ行こう。
いい?人が多いから手を繋ぐこと。」

「「はい。」」

魔法ギルドの催し物を見にいけば、子どもたちがふわふわと箒に乗って浮いていた。

空を飛ぶのは許可が必要だし飛竜しかダメだから、この箒は低空飛行でゆっくりとしか飛べないようだ。

「「乗りたい。」」

2人一緒に乗りたいと言うので載せればミクロにフィラがくっついてふわふわとこちらへ向かってくる。
ちびっこ魔法使いだ、かわいい。

あぁ、カメラがあればなぁ。
いやどこかにあるのかな。
今度探してみようと心のメモに書き込む。

「「とうちゃく!」」

「2人とも魔法使いだな!」

やっぱり急いで探そう。




それからいろんな屋台をウィンドウショッピングしていればあっという間にお昼になった。

大広場のベンチは色々な人が座っていて相手いなかったから隅の木の下にシートを広げて、お弁当を取り出す。

「うーん少し多かったかな?
2人とも食べられるだけでいいよ。」

少し多く作りすぎたかも。
水筒からコップに麦茶を出して2人に渡す。

「いただきます。」

「「いただきます。」」

早速2人が作ってくれたおにぎりを食べる。
少し形が崩れているが味はとても美味しい。

「美味しいよ。」

こちらをまじまじと見ている2人にそう言えば2人はへにゃりと笑う。
自分が作ったものを美味しいと言ってくれることがどれだけ嬉しいか俺は知っている。

晴れた天気に美味しいごはん、幸せだ。

「おや、ユーリさんじゃないですか。」

「エルヴィスさん。チェルロさんも。
こんにちは。」

声をかけられ、顔を上げれば相変わらず美しいエルヴィスさんと同じく美形なチェルロさんが立っていた。

そうだ。

「おふたりともお昼ごはんは済ませましたか?」

「いえ……気まぐれカフェの屋台も今日はやっていないのでこれから探そうとしていたところです。」

「ではご一緒にどうですか?
少し多めに作りすぎてしまって。」

そしてあわよくば竜人族のことについても教えてほしい、なんて。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

俺は成人してるんだが!?~長命種たちが赤子扱いしてくるが本当に勘弁してほしい~

アイミノ
BL
ブラック企業に務める社畜である鹿野は、ある日突然異世界転移してしまう。転移した先は森のなか、食べる物もなく空腹で途方に暮れているところをエルフの青年に助けられる。 これは長命種ばかりの異世界で、主人公が行く先々「まだ赤子じゃないか!」と言われるのがお決まりになる、少し変わった異世界物語です。 ※BLですがR指定のエッチなシーンはありません、ただ主人公が過剰なくらい可愛がられ、尚且つ主人公や他の登場人物にもカップリングが含まれるため、念の為R15としました。 初投稿ですので至らぬ点が多かったら申し訳ないです。 投稿頻度は亀並です。

実はαだった俺、逃げることにした。

るるらら
BL
 俺はアルディウス。とある貴族の生まれだが今は冒険者として悠々自適に暮らす26歳!  実は俺には秘密があって、前世の記憶があるんだ。日本という島国で暮らす一般人(サラリーマン)だったよな。事故で死んでしまったけど、今は転生して自由気ままに生きている。  一人で生きるようになって数十年。過去の人間達とはすっかり縁も切れてこのまま独身を貫いて生きていくんだろうなと思っていた矢先、事件が起きたんだ!  前世持ち特級Sランク冒険者(α)とヤンデレストーカー化した幼馴染(α→Ω)の追いかけっ子ラブ?ストーリー。 !注意! 初のオメガバース作品。 ゆるゆる設定です。運命の番はおとぎ話のようなもので主人公が暮らす時代には存在しないとされています。 バースが突然変異した設定ですので、無理だと思われたらスッとページを閉じましょう。 !ごめんなさい! 幼馴染だった王子様の嘆き3 の前に 復活した俺に不穏な影1 を更新してしまいました!申し訳ありません。新たに更新しましたので確認してみてください!

瞳の代償 〜片目を失ったらイケメンたちと同居生活が始まりました〜

Kei
BL
昨年の春から上京して都内の大学に通い一人暮らしを始めた大学2年生の黒崎水樹(男です)。無事試験が終わり夏休みに突入したばかりの頃、水樹は同じ大学に通う親友の斎藤大貴にバンドの地下ライブに誘われる。熱狂的なライブは無事に終了したかに思えたが、…… 「え!?そんな物までファンサで投げるの!?」 この物語は何処にでもいる(いや、アイドル並みの可愛さの)男子大学生が流れに流されいつのまにかイケメンの男性たちと同居生活を送る話です。 流血表現がありますが苦手な人はご遠慮ください。また、男性同士の恋愛シーンも含まれます。こちらも苦手な方は今すぐにホームボタンを押して逃げてください。 もし、もしかしたらR18が入る、可能性がないこともないかもしれません。 誤字脱字の指摘ありがとうございます

転生令息の、のんびりまったりな日々

かもめ みい
BL
3歳の時に前世の記憶を思い出した僕の、まったりした日々のお話。 ※ふんわり、緩やか設定な世界観です。男性が女性より多い世界となっております。なので同性愛は普通の世界です。不思議パワーで男性妊娠もあります。R15は保険です。 痛いのや暗いのはなるべく避けています。全体的にR15展開がある事すらお約束できません。男性妊娠のある世界観の為、ボーイズラブ作品とさせて頂いております。こちらはムーンライトノベル様にも投稿しておりますが、一部加筆修正しております。更新速度はまったりです。 ※無断転載はおやめください。Repost is prohibited.

この愛のすべて

高嗣水清太
BL
 「妊娠しています」  そう言われた瞬間、冗談だろう?と思った。  俺はどこからどう見ても男だ。そりゃ恋人も男で、俺が受け身で、ヤることやってたけど。いきなり両性具有でした、なんて言われても困る。どうすればいいんだ――。 ※この話は2014年にpixivで連載、2015年に再録発行した二次小説をオリジナルとして少し改稿してリメイクしたものになります。  両性具有や生理、妊娠、中絶等、描写はないもののそういった表現がある地雷が多い話になってます。少し生々しいと感じるかもしれません。加えて私は医学を学んだわけではありませんので、独学で調べはしましたが、両性具有者についての正しい知識は無いに等しいと思います。完全フィクションと捉えて下さいますよう、お願いします。

使い捨ての元神子ですが、二回目はのんびり暮らしたい

夜乃すてら
BL
 一度目、支倉翠は異世界人を使い捨ての電池扱いしていた国に召喚された。双子の妹と信頼していた騎士の死を聞いて激怒した翠は、命と引き換えにその国を水没させたはずだった。  しかし、日本に舞い戻ってしまう。そこでは妹は行方不明になっていた。  病院を退院した帰り、事故で再び異世界へ。  二度目の国では、親切な猫獣人夫婦のエドアとシュシュに助けられ、コフィ屋で雑用をしながら、のんびり暮らし始めるが……どうやらこの国では魔法士狩りをしているようで……?  ※なんかよくわからんな…と没にしてた小説なんですが、案外いいかも…?と思って、試しにのせてみますが、続きはちゃんと考えてないので、その時の雰囲気で書く予定。  ※主人公が受けです。   元々は騎士ヒーローもので考えてたけど、ちょっと迷ってるから決めないでおきます。  ※猫獣人がひどい目にもあいません。 (※R指定、後から付け足すかもしれません。まだわからん。)  ※試し置きなので、急に消したらすみません。

ちっちゃくなった俺の異世界攻略

鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた! 精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!

俺のまったり生活はどこへ?

グランラババー
BL
   異世界に転生したリューイは、前世での死因を鑑みて、今世は若いうちだけ頑張って仕事をして、不労所得獲得を目指し、20代後半からはのんびり、まったり生活することにする。  しかし、次代の王となる第一王子に気に入られたり、伝説のドラゴンを倒したりと、今世も仕事からは逃れられそうにない。    さて、リューイは無事に不労所得獲得と、のんびり、まったり生活を実現できるのか? 「俺と第一王子との婚約なんて聞いてない!!」   BLではありますが、軽い恋愛要素があるぐらいで、R18には至りません。  以前は別の名前で投稿してたのですが、小説の内容がどうしても題名に沿わなくなってしまったため、題名を変更しました。    題名変更に伴い、小説の内容を少しずつ変更していきます。  小説の修正が終わりましたら、新章を投稿していきたいと思っています。

処理中です...