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第1章
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しおりを挟む「う~ん、なんでこんな芸術的な髪型になるんだろうなぁ。」
鶏のトサカのような寝癖がついている2人の髪型を直し、着替えさせて朝食を摂らせる。
白のシャツに臙脂色のチェックのベストに臙脂色の無地の半ズボン。
ミクロフィラの花をつけたカンカン帽を被せ、編み上げブーツを履かせれば完璧だ。
「2人とも最高に可愛いぞ。」
「「ユーリも一緒!」」
今日は俺も一緒に少しおしゃれしてみた。
俺も白シャツに無地の臙脂色のベストにスラックス。
胸には2人の花のミクロフィラを挿した。
あまり着慣れない色だけれど花祭りだしいいだろう。
「お揃いだね。
さ、準備して早速花祭りに行こうか。」
あまり外食が得意ではない2人と一緒にお昼ごはんを作る。
おかずは俺がさっと作ってお弁当箱に詰め、2人にはおにぎりを握ってもらう。
具材は鮭、ツナマヨ、唐揚げ、おかか。
熱々の米を握るのに苦労していたようだけれど、俺のお手本のおにぎりを見て2人とも頑張っていた。
お昼ごはんも楽しみだ。
お昼ごはんをアイテムボックスに入れて家を出た。
「さ、2人はどこから回りたい?」
「「魔法ギルド!」」
「じゃ、そこ行こう。
いい?人が多いから手を繋ぐこと。」
「「はい。」」
魔法ギルドの催し物を見にいけば、子どもたちがふわふわと箒に乗って浮いていた。
空を飛ぶのは許可が必要だし飛竜しかダメだから、この箒は低空飛行でゆっくりとしか飛べないようだ。
「「乗りたい。」」
2人一緒に乗りたいと言うので載せればミクロにフィラがくっついてふわふわとこちらへ向かってくる。
ちびっこ魔法使いだ、かわいい。
あぁ、カメラがあればなぁ。
いやどこかにあるのかな。
今度探してみようと心のメモに書き込む。
「「とうちゃく!」」
「2人とも魔法使いだな!」
やっぱり急いで探そう。
それからいろんな屋台をウィンドウショッピングしていればあっという間にお昼になった。
大広場のベンチは色々な人が座っていて空いていなかったから隅の木の下にシートを広げて、お弁当を取り出す。
「うーん少し多かったかな?
2人とも食べられるだけでいいよ。」
少し多く作りすぎたかも。
水筒からコップに麦茶を出して2人に渡す。
「いただきます。」
「「いただきます。」」
早速2人が作ってくれたおにぎりを食べる。
少し形が崩れているが味はとても美味しい。
「美味しいよ。」
こちらをまじまじと見ている2人にそう言えば2人はへにゃりと笑う。
自分が作ったものを美味しいと言ってくれることがどれだけ嬉しいか俺は知っている。
晴れた天気に美味しいごはん、幸せだ。
「おや、ユーリさんじゃないですか。」
「エルヴィスさん。チェルロさんも。
こんにちは。」
声をかけられ、顔を上げれば相変わらず美しいエルヴィスさんと同じく美形なチェルロさんが立っていた。
そうだ。
「おふたりともお昼ごはんは済ませましたか?」
「いえ……気まぐれカフェの屋台はもうやっていないので、ひとまわりしてから帰ろうとしていたところです。」
「ではご一緒にどうですか?
少し多めに作りすぎてしまって。」
そしてあわよくば竜人族のことについても教えてほしい、なんて。
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