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第1章
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しおりを挟む「いらっしゃいませ~。
焼きそばおひとつですね、ありがとうございます!
500イェンです!
……すみません、私は売っていないです~。」
「チョコバナナ1串250イェンです!
おひとついかがですか!
……ありがとうございます!」
「……デザートにどうですか?
とっても美味しいです。
……ありがとうございます、250イェンです。」
いや確かに完璧な作戦だったさ。
でもここまで効果あるとは聞いてない!
暇な時間もあるだろうと用意していたハイチェアは一度もまだ座れていない。
匂いに釣られて来てくれた人が意外にも多くて、並んでもらっていたらその並んだ列に興味を持って並んでくれる人もいて、今では双子に列の整理をしてもらい同時に売ってもらうという始末。
双子も列を整理している間にあっという間に売れるから受け取ったお金とそのかわいさにやられてもらったお菓子やチップを置きにテントに来ると同時に保冷箱からチョコバナナを補充してまた列の整理に戻る、という繰り返しだ。
「ミクロ、フィラ、忙しいけれど水分補給はするんだよ。
それと具合悪くなったらすぐにいうこと!」
「「は~い!」」
返事しながらも列に消えていく。
9時に開始してまさかの12時に売り切れてしまった……。
想定外の外だ。
激戦を終えてただいまテント部分でぐでぇっと休憩中。
双子は広げたお弁当を楽しそうにつつきながら食べている。
気分は運動会のお昼ごはんの感覚なのだろう。
それにさすが若いふたり、体力が有り余っているようだ。
1日目にして屋台巡りができることになったので、双子をとりあえず昼寝させる。体力が有り余っているとはいえ、慣れない環境で絶対に疲れているだろうから。
双子が寝ている間に片づけて、お金の計算をしておく。
銀行に入れるときに入れやすくするために。
あとはバナナをもう少し切っておく。
焼きそばはソースのこともあるからあまり量を増やすことはできないけれど、バナナならバナナがあれば量は増やせるから、余っていたバナナを双子が起きるまで切りまくったのだった。
双子が起きて双子と手を繋いで花祭りの屋台を楽しむ。
「ミクロ、フィラ、何か食べる?」
色々美味しそうなものが売っている。
こういうのって見るだけでもワクワクしてくる。
「「いらない。」」
ミクロもフィラも外食が得意じゃないんだよなぁ……。
俺が作ったごはんはパクパク食べてくれるのに、外食するとあまり食べなくて残すことが多い。
まあ、屋台はごはんだけじゃないし、途中で食べたいものが出てくるかもしれないし気楽に行こうと色々な屋台を周っていく。
「お、これ綺麗だなぁ。」
雑貨屋さんが出している屋台、看板犬のヌイくんに挨拶して売っているものを見ればきらりと光るものがあった。
ガラス玉だけど、ピンク色のそれは桜のような花の模様が彫ってあって日本の春に来た気分にさせてくれる。
でもガラス玉にしては高いし、俺にはかわいすぎる気がして見るだけにとどめた。
それから魔法ギルドがやってたショーをふたりと一緒に楽しんだり、米を売っている店の屋台ではみりんに出会ってしまってこれは衝動的に買ってしまった。
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