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第1章
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しおりを挟む焼きそばとチョコバナナをふたりはペロリと完食した。
「ふたりにはこのチョコバナナを売ってもらうよ。」
「「うん!」」
想像ができたのだろう、双子は楽しそうだ。
「さ、花祭りまでが大変だぞ~!」
バナナは双子たちに切ってもらう。
俺はソース作りだ。
花祭りは4日間だから寸胴鍋3個分のソースを作る予定。
バナナ1本で2串できるからバナナを合計300本切ってもらう予定。
目指せ600串!
花祭りはいろんな国の人がくるから魔人族や竜人族、精霊族が見れるかも!
魔人族の人がいたらどんなものが魔人族の国に聞いたり見たいなぁなんて思ったり……。
それからはもう大変。
お弁当やランチの間に準備をしなければいけなかったから。
双子には毎日おやつを出した後、バナナを切ってもらった。
そしてこの準備のときにアイテムボックスの存在を明かした。
言うタイミングもなかなかなくてここまで言ってこなかったけれど流石に熟れちゃうバナナのこともあって隠せないと思って伝えたのだ。
双子は大興奮して、すごいすごいって褒められたけれど俺が作ったわけじゃないからなんとも言えない感情だった。
俺はソースを連日煮込み続け、今後のためにもさらに多めに作ったのだ。
それに焼きそばのための鉄板を用意したり、豪傑ばあちゃんに薬を卸したり、新しい家の打ち合わせがあったりと料理以外のことでもやらなきゃいけないことがわんさかあって机に撃沈していたところを双子に慰めてもらったほどだ。
そのおかげといっていいのか双子たちは包丁がだいぶ身体に馴染んだようだ。
お弁当やランチの単純な仕込みなら任せられるほどには。
「ふぃ~やっぱりお風呂が一番リラックスできるよねぇ。」
「ミクロぐん、しゅつげき!」
「……フィラぐんがむかえうつ。」
双子と入っていても足まで伸ばせる浴槽は本当にゆったりできる。
頭を浴槽のふちに乗せてだらだらしている間、ふたごは元気が有り余っているのか浮かべたおもちゃのアヒルで戦っている。
露天風呂とかあれば行きたいなぁ……。
ここら辺にはなさそうなんだよな。
そもそも湯船に浸かる文化が気薄だもんな。
「そろそろあがるよ~。」
「「はーい。」」
お風呂から上がって双子に服を着せて、歯を磨かせる。
俺は暑いから上裸。
双子にはいけないんだ!って言われるけど暑いものは暑い。
俺は大人だから~って言って寝るまで涼ませてもらっている。
双子はまだ5歳なのに精神年齢はもう10歳くらいありそうだ。
子どもの成長は早いんだなと感じるばかりだ。
「明日はいつも以上に早いから寝なきゃ。
朝ごはんは事務室に置いておくからふたりで食べておいてな、時間になったら迎えに来るから。」
明日は屋台の設営があるから一足先に起きなきゃいけないんだ。
双子は僕たちもやりたいって言うけれど早すぎるから無理だろうとやらせないことにしたのだ。
お昼寝の時間もいつとってあげられるかわからないし。
「おやすみ。」
「「おやすみなさい。」」
明日への意気込みを抱えて眠りにつくのだった。
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