気まぐれ店主ののんびり？生活

第1章

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この世界にやってきて、弟までできてから早3ヶ月。

営業スタイルは変えずとも、常連さんもたくさんついてくれて売り上げも安定してきた。
双子は少しふっくらして表情も豊かになり、年相応のかわいさで今ではこの店のアイドルだ。
この家にはなぜかいいお客様しか来ないからのんびりやらせてもらっている。

双子は相当賢いようで、教室に通い始めてから、2週間後には時間を増やし、通う頻度も増やし、つい先週成人までの過程を全て修了させた。
成人の教室は実地が入るから魔力量がまだ足りないふたりは修了はできないが、特別に許可されて成人の教室の座学だけ通っている。

計算や文字の書き取りはもうほぼ完璧。

俺は薬作りは料理と似ている部分もあるからか性に合っていたみたいで、上級魔法薬、上級一般薬の教室も修了し今では医療ギルドの豪傑おばあちゃんに薬を作って卸せ、できなければ自分で売れ、と週一回医療ギルドに持って行っている。

おかげで双子にもバレて医療ギルドの教室に行きたいと言われてしまった。
これから料理をさせるつもりだから、俺から合格点をもらうまではだめ、とストップさせたが。
ふたりはなんだか俺の真似したがるんだよなぁ。


おかげさまでお金に困ることはないんだがいかんせん何かを始めるたびにやらなきゃいけないことも増えていく。

要するに忙しい！

「ユーリ、今日だよ！今日！」

「……早く行こう。」

今日このふたりの体のサイズに合わせた色々なものが出来上がるのだ。
包丁、作業台、小さめのフライパンや鍋などなど。

この調理器具でもピーラーなどは特許を取ることになったりして、また別の収入がいくつか増えたのだがそれはまた別の話。

今日から夜ご飯はふたりに本格的に作ってもらってお弁当やランチの仕込みを手伝いできるくらいまでレベルを上げてもらう。
基本的に大量に使うことの多いにんじん、ジャガイモ、玉ねぎは均一に俺の出す指示の形で切れるようになれば合格だな。

そう言ったからかふたりは自分達の道具が届くのをカレンダーに線を書くほど楽しみにしていたのだ。

「いつもの持った？」

「「持った。」」

家を出るときは必ず確認。
周囲が双子を見るだけで俺の弟と認知してくれるようになってから双子だけで出かけることも増えた。
出かけるといってもいくところは教室か、本屋のおじいさんのところか、雑貨屋さんの看板犬ヌイくんのところとか大体決まっているからそんなに心配はしていない。

行動範囲が広がったふたりにはハンカチ、防犯ブザーがわりの笛、迷子になったときの地図、それから小腹が空いたとき用のお菓子と紋章入りの水筒は必ず持たせている。

双子と一緒に商業ギルドに行って、ふたりの道具を受け取る。
大きいものは後で届くようにしてもらったが確認は商業ギルドで行った。

商業ギルドに来た目的はもうひとつ。

「これから少し時間かかるけれどふたりはどうする？
おうち帰る？」

「「ついてく。」」

なんだか期待の目で見られているようだけれど、本当にふたりにとってはつまらないことだと思うんだよな。