気まぐれ店主ののんびり？生活

第1章

26

ランチタイムを終えて、本日のお昼ごはんにやっとありついた。
と言ってもお昼ごはんはいつもランチと同じメニューだ。

「今日はどうだった？」

「「楽しかった。」」

「そっか、よかった。
明日からもよろしくね。」

ランチのあとは双子を昼寝させ、その間に俺は明日のランチの準備を行う。
あと双子のおやつの時間の準備。
外に出ているとき以外はなるべく双子にはおやつも食べさせている。
ふたりは5歳にしては少し体が小さいし細いから。

多分外の食事をとったときの様子を見るに食事をちゃんと食べていなかったんだろう。

味が馴染んでさらに美味しくなった双子が作ってくれたパウンドケーキとタルト。

それが終われば俺のひとり時間だ。
紅茶とお菓子づくりの際に出た切れ端をお茶のお供に読書タイム。

元々ゲームはしなかったけれど、この世界にはゲームはないし、娯楽は少ない。
だから夜は酒場などにたくさんの人が行くのだろう。
わいわいした酒場の雰囲気は好きだけれど、絡まれる率が上がるから積極的に行こうとは思わない。

『この世界の歩き方』っていう本を楽しむ。

この世界には人族の国があって人族と隣り合うように獣人族の国がある。
魔人族の国、精霊族の国、竜人族の国がひとつずつある。

魔人族の国はなかなかの辿りつくのが難しい大陸。
精霊族の国は深い森の中。
竜人族の国は空の上。

いずれは全部の国を巡ってみたいけれど、獣人族の国以外は行くのが難しい。
双子が幼いうちは無理だしな。
ゆっくり計画を立てて楽しみを膨らませるのも悪くないと今は色々調べることから始めることに決めた。



「……おはよう。」

「おはよう、フィラだけなのは珍しいな。」

「……ミクロ、まだ寝てる。」

「そうみたいだな、こっちへおいで。」

起きてきたのはフィラだけだった。
いつもふたり一緒にいるから新鮮だ。

お昼寝のときは髪の爆発具合はそれほどなんだよなぁ。
不思議だ。

「おやつあるけどもう食べる？」

「……ミクロ待つ。」

「そっか。」

フィラは本を読む俺の膝によじ登ってきて俺の本を一緒に読み出した。
この本はまだフィラにとって読めない文字も多いから読めないところは俺に聞いてくる。

「俺はまず魔人族の国に行ってみたいけれど、フィラは気になるところあった？」

「……精霊族の国。」

「お、そうなんだ、なんで？」

「……霊力、気になる。」

「そっか、精霊族以外は魔力が主流だからね。
魔力との違いは気になるね。」

「……うん。」

想像したのかへにょ、と笑うフィラがかわいくて思わずぎゅとしてしまった……。

それから遅れて起きてきたミクロも加わり、おやつタイムに。
ミクロにフィラが先ほど読んだ本のことを話したのか、今度はふたりと本を見ることになりミクロは魔人族の国が気になるよう。

理由は

「魔人族強い！」

だかららしい。

ふたりの性格が出ていて面白い。