気まぐれ店主ののんびり?生活

朝比奈和花

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第1章

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医療ギルドは白一色の清潔って書いてあるようなギルドだった。

「すみません、現在開いている教室の一覧をしたいのですが……。」

受付の人にそういえば、一覧表を貸してくれた。
お、あった。

魔法薬初級
一般薬初級

「これとこれ、申し込みしたいのですが……。」

「ギルドカードはお持ちですか?」

「持っていません。」

「医療ギルドはギルドカードに資格がつき、免許代わりになるので、教室を受けるにはギルドカードのの申し込みからお願いいたします。
このまま手続きをとりますね。

それから、教室は受講料を頂戴しております。
受講料の半分は医療機器や医療道具に使用されています。」

ギルドカードの申込書を書きつつ、説明を受ける。

魔法薬初級と一般薬初級の受講料は合計で200,000イェンだった。
意外と高い……。

それでも必要なものだから申し込んだ。
こちらもスケジュールの自由度が高いから双子に合わせて通うことができそうだ。

双子に話せばまた僕も!ってなるかもしれないから内緒にしておこう。
これ以上詰め込んだら双子がパンクしてしまう。
意外と双子は好奇心旺盛だ。
あの年なら当たりまえか。

最初のオリエンテーションだけ受けて、すぐに双子の元へ向かった。



「教室どうだった?」

「楽しかった!」

「……面白かった。」

「それは何より。」

実りある時間だったようだ。
家に帰ってもあれがどうで、それがどうでとふたりのおしゃべりは止まらなかった。

一緒に住み始めて数日経ったが日に日にふたりの表情が豊かになっていく。
いい傾向である。


「第1回家族会議を始めます!」

パチパチパチ~と手を叩けばふたりもつられて手を叩く。

かわいい。

「さて、明日は2人が来て初めての営業日です。
ふたりには朝のお弁当の販売、ランチではお菓子の販売や配膳をやってもらおうと思います!」

急に緊張し始めたふたりに、簡単に説明しておく。

「お弁当は扉の横にある大きい窓から売るよ。
お弁当くださいってお客様が来るから渡して、お金をもらう。

スープセットでくださいって言われれば、お客さんは水筒を渡してくるからそれを俺にちょうだいね。

なかには水筒も買う人もいるかも。

あとはお弁当だけで足りない人はサンドイッチも買って行くからそれも一緒に渡す。」

「お金の計算、すぐできるかな?」

ミクロ、いい質問です。

「それはねぇ……。」

じゃじゃーんととある魔道具を出した。
商業ギルドを通して依頼して、やっとできましたレジスター!
お値段なんと300,000イェン!

高かったけれど、特許を取れたから誰かが使用してくれればお金が入るからいずれは元取れる、はず。
やり方を教えれば2人は楽しそうに弄り始める。
男の子だもん、機械はやっぱりいじっちゃうよねぇ、わかるわかる。

「できそう?」

「できそう!」

「……頑張る……!」

双子の練習に付き合ったところで夜も更け、少しの不安とたくさんの楽しみを抱えて眠ることにした。
今日も今日とてふたつの温もりを抱えることになりました、まる。



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