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第1章
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しおりを挟む「あの、あくまで料理に興味がある子にしてください。
無理強いはしたくないので。」
「ええ、元々子どもたちが嫌だと言ったときにはお断りさせていただいていますよ。
じゃあついてきてください。」
女性に案内されたのは子どもたちが遊んでいる部屋だった。
子ども達はお手伝いや勉強の時間以外は自由に遊んでいるらしい。
「はいはいみんな、一度こちらに注目!」
女性が手をぱんぱん、と叩けば子供達の目線が一斉にこちらへ向いた。
おおう、子どもとはいえこれだけの人数に注目された緊張するな。
「はじめまして、私はカフェを営んでいるユーリ、と申します。
従業員を探しています。
この中で料理に興味がある人はいませんか?」
募集してみると
「料理かぁ……。」
「俺、料理のお手伝いきらーい。」
「ほうちょう、こわい……。」
と年相応の反応が返ってきた。
物事が理解できる子どもたちも料理をスキルとして育てていく、というのにメリットを感じていないよう。
これは見つかりそうにないかな……。
「すみません。」
「いえいえ、子どもは正直に答えてくれるのでありがたいですよ。
すみませんが少しだけ遊んでいる様子を見て行ってもいいですか?
僕も親がいなくてこんな感じで育ったものですから。」
「そうでしたか……。」
少しの懐かしさを感じながら子どもたちが遊んでいる様子をしゃがんで見ていると、後ろから服をクン、と引かれた。
「僕たちでもやとってくれますか。」
振り向けば同じ顔を持つ子が2人いた。
驚いたのはその容姿だ。
白銀の髪に真紅の瞳。
カラフルな髪や瞳の人がこの世界では多いがこの組み合わせはアルビノだろう。
「……料理に興味があるのならば雇うよ。
でも、楽しいだけじゃなくて辛いこともあるかもしれない。
生活は人並み程度のものは保証できるけれどね。」
「やとってほしいです。」
「ぼ、僕も。」
歳をきけば5歳だそうだ。
求めている年齢よりもだいぶ若いし、まさかの2人だけれど、その目は真剣だった。
院長と名乗ってくれたあの女性の元へ連れて行く。
双子を連れて行って従業員にしたいと伝えれば、女性は目を大きく見開いて驚いているようだった。
「この子たちが……。
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「「はい。」」
「そう、私はこの方とお話しするから、少し待っていてもらえるかしら?」
「「はい。」」
双子たちは手を繋いで出ていく。
「本当にあの子たちから雇ってほしいと行ってきたのですか?」
「はい……あの、何か問題でもあるのですか?」
「……あの子たちは容姿を見て分かる通り、アルビノです。
しかも双子でした。
双子の両親はあの神秘的な色で生まれた双子に恐怖しここに捨てました。
そしてここにきてからも周りの子には遠巻きに見られ、あなたのような従業員を探していたり、子どもに恵まれず養子を探している方がここに来たときは隠れていました。
ですから私は従業員や養子にはならずにここでも育てられるスキルを磨き、成人と同時に2人で支え合ってここを出ていくと思っていたのです。」
だから女性は驚いていたのかと納得した。
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