瞳の奥の漁火～女をいたぶる狂気の女～

【第4部 番外：美女のシリアルナンバー事件編】 1人目の犠牲者

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ほどいたワイヤーを束ね、カバンを拾った百合子は、公園越しに見える自宅をしばらく見つめていたが、やがて公園の中にゆっくりと入っていった。

本来、家の前にあるこの公園の中を突っ切れば、かなり時間が短縮できる。だが、外灯がほとんどなく、夜間は非常に見通しが悪い為、極力中を通らずに遠回りしていた。だが、怪我の痛みがますます酷くなってきた百合子は、とても回り道をする気にはなれなかった。


公園内は、深い闇に覆われていた。
百合子は遠くに見える自宅の門灯を確認しながら、まっすぐに歩き続けた。
正面には大きく不気味な影が立ちはだかっているが、百合子には、それが大きなジャングルジムである事は分かっていた。

「こんな物、ちっとも怖くないわ。」

自分を勇気付ける為、少し大きな声独り言を言った百合子は、ジャングルジムの方を見ない様にして、足早に横を通り過ぎようとした。

その瞬間、突然誰かが百合子を強く突き飛ばした。

悲鳴を上げながら、ジャングルジムに背中をぶつけた百合子は、慌ててそこから逃げようとした。
しかし、黒い影がそれを妨害した。その影は、百合子をジャングルジムに押し付けると、彼女自身が持っていたワイヤーで手足をグルグル巻きにし始めた。

誰か、誰か助けて！

百合子は叫ぼうとした。
だが、瞬間的に口をガムテープの様なもので塞がれてしまった。

百合子は呻きながら必死に抵抗したが、影の力は強く、百合子の華奢な体では到底抵抗するのは無理だった。

百合子の右手、左手、左足を拘束した影は、最後に彼女の右足を掴むと、強い力で持ち上げた。
そして、百合子の腰のあたりの高さで、ジャングルジムにワイヤーで縛り付けた。

とうとう、百合子は足を大きく開いた姿でジャングルジムに磔にされてしまった。

恐怖のあまり泣き出した百合子。
だが、口を塞がれている為、呻き声しか出せなかった。

スカートがめくれ、百合子の細く美しい太股が露になったが、恥ずかしさを感じる余裕などある筈もなかった。

影は、しばらく百合子を見つめていた（と言っても暗くて表情は全く分からなかったが。。）が、やがてポケットから長さ20cm程の太い筒を取り出した。

影はそれを百合子の顔の前に持ってくると、先端のキャップらしき物を外した。
その途端、百合子の視界は真っ赤になった。
露わになった棒の先端は、真っ赤に焼けていたのだ。それは、10cm以上離れているにも関わらす、百合子の頬に十分な熱さを感じさせる程だった。