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ナオ
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「それじゃあ、行きましょうか。」
ナオは奈緒美の手を引いて歩き始めた。
「ど、どこに行くの?」
事態が理解出来ない奈緒美の肩を、ナオは軽く叩いた。
「いやだなあ、加虐の天使に会いにいくに決まってるじゃないですか。
そういうと、ナオは奈緒美の手を引いたたまま再び歩き始めた。
2人は東口に出ると、しばらく歩き続けた。歌舞伎町の脇を抜け、更に歩き続ける。やがて前方にきらびやかなネオンが灯った建物が並ぶ区画に出た。ホテル街だった。奈緒美はナオに連れられて、ホテル街の中を突き進んだ。周りを見渡しても、女の2人組は他にいなかった。
とうとう一番外れまで歩いた2人は、ちょっと年代物の建物に入っていった。
周囲のホテルがみなリニューアルされて目新しい雰囲気を出している中、そのホテルだけはまるで時代に取り残されたかの様だった。ただ、造りは決して安普請ではなく、中世ヨーロッパの石造りの洋館といった雰囲気だった。
ナオは、最上階の1番高い、広い部屋を選んだ。
エレベーターに乗り、お互い無言のまま部屋のドアの前まできた。
ナオは鍵を開けると、奈緒美を先に部屋に入れた。奈緒美は部屋の中央に進みながら、自分の中で不安感がこみ上げてくるのを感じた。
本当に今夜ここに来てよかったのだろうか。もしかしたらとんでもなく危険な事をしているのではないのか。
ナオにしてもそうだ。彼女は本当に、奈緒美と同じ様に加虐の天使に責められる為に、ここに来たのだろうか。実は加虐の天使とグルで奈緒美を犯罪に巻き込もうとしているのではないか。
そう、やはりリアルはとてつもなくリスクが高いのだ。なぜこんな事にもっと早く気づかなかったのだろうか。
「ナ、ナオさん、私。。」
奈緒美は、ドアの方に向き直りながら、ナオに話しかけた。゛やはり帰る゛と言うつもりだった。
が、その瞬間、奈緒美の右足に衝撃が走り、奈緒美は絶句した。
いきなり、何か固い物で太股を思い切り殴られたのだ。
たまらず太股を押さえて絨毯敷きの床に倒れ込む奈緒美。
激痛に呻く奈緒美の顔を、ナオが覗き込んだ。その手には黒光りする棒が握られていた。
「どう、これアメリカ製の特殊警棒なの。こんなに小さくなるのに、威力は凄いわよね。」
ナオは、警棒を伸ばしたり縮めたりしながら、はしゃいでいた。
「ナオさん、なんでこんな事を。。」
まだ痛みが治まらず苦悶する奈緒美の質問に、ナオは呆れ顔で答えた。
「なんだ、まだ分からないの?」
そして、自分が殴ったばかりの奈緒美の太股を強く踏みつけると、苦痛に歪む奈緒美に顔を近づけて、ナオが叫んだ。
「私が加虐の天使なんだよ。」
ナオは奈緒美の手を引いて歩き始めた。
「ど、どこに行くの?」
事態が理解出来ない奈緒美の肩を、ナオは軽く叩いた。
「いやだなあ、加虐の天使に会いにいくに決まってるじゃないですか。
そういうと、ナオは奈緒美の手を引いたたまま再び歩き始めた。
2人は東口に出ると、しばらく歩き続けた。歌舞伎町の脇を抜け、更に歩き続ける。やがて前方にきらびやかなネオンが灯った建物が並ぶ区画に出た。ホテル街だった。奈緒美はナオに連れられて、ホテル街の中を突き進んだ。周りを見渡しても、女の2人組は他にいなかった。
とうとう一番外れまで歩いた2人は、ちょっと年代物の建物に入っていった。
周囲のホテルがみなリニューアルされて目新しい雰囲気を出している中、そのホテルだけはまるで時代に取り残されたかの様だった。ただ、造りは決して安普請ではなく、中世ヨーロッパの石造りの洋館といった雰囲気だった。
ナオは、最上階の1番高い、広い部屋を選んだ。
エレベーターに乗り、お互い無言のまま部屋のドアの前まできた。
ナオは鍵を開けると、奈緒美を先に部屋に入れた。奈緒美は部屋の中央に進みながら、自分の中で不安感がこみ上げてくるのを感じた。
本当に今夜ここに来てよかったのだろうか。もしかしたらとんでもなく危険な事をしているのではないのか。
ナオにしてもそうだ。彼女は本当に、奈緒美と同じ様に加虐の天使に責められる為に、ここに来たのだろうか。実は加虐の天使とグルで奈緒美を犯罪に巻き込もうとしているのではないか。
そう、やはりリアルはとてつもなくリスクが高いのだ。なぜこんな事にもっと早く気づかなかったのだろうか。
「ナ、ナオさん、私。。」
奈緒美は、ドアの方に向き直りながら、ナオに話しかけた。゛やはり帰る゛と言うつもりだった。
が、その瞬間、奈緒美の右足に衝撃が走り、奈緒美は絶句した。
いきなり、何か固い物で太股を思い切り殴られたのだ。
たまらず太股を押さえて絨毯敷きの床に倒れ込む奈緒美。
激痛に呻く奈緒美の顔を、ナオが覗き込んだ。その手には黒光りする棒が握られていた。
「どう、これアメリカ製の特殊警棒なの。こんなに小さくなるのに、威力は凄いわよね。」
ナオは、警棒を伸ばしたり縮めたりしながら、はしゃいでいた。
「ナオさん、なんでこんな事を。。」
まだ痛みが治まらず苦悶する奈緒美の質問に、ナオは呆れ顔で答えた。
「なんだ、まだ分からないの?」
そして、自分が殴ったばかりの奈緒美の太股を強く踏みつけると、苦痛に歪む奈緒美に顔を近づけて、ナオが叫んだ。
「私が加虐の天使なんだよ。」
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