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加虐の天使
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哀しくなる程の痛みが奈緒美を責め立てた。しかも、間髪を入れずもう一度打たなければならない。
奈緒美は、無理矢理自分を奮い立たせて、続けざまにもう一発打ち込んだ。
痛い。。
心の芯が折れそうになる程の痛み。。
奈緒美は、悲しくなって声を出して泣き始めた。痛いからだけではなかった。
悲しくてたまらなくなってしまったのだ。
足に痛みを与えられる事を自分から望んでおきながら、一方で酷い目に遭っている自分が哀れになってくる。
なぜ。。
なぜこんなに苦しまなければならないのか。。
奈緒美は、泣きながらキーボードを叩いた。
゛お願いです。。もうお許し下さい。。痛くて、痛くてたまりません。お願い、許して。。゛
奈緒美は、無駄と分かっていながら、加虐の天使に許しを請うた。
しばらくすると、加虐の天使が返事を書き込んできた。
゛ダメだ。一度始めた罰は最後まて受けるのがルールの筈だろう?私を裏切る気なのか?許さないぞ。゛
゛す、すみません。。あまりに痛くて、本当に痛くて。。〝
ダメだ。加虐の天使にはなぜか逆らえない。
罰を受けると言っても、所詮は自虐なのだ。嫌ならやめればいいだけだ。
なのに。。
なぜか、加虐の天使に命令されると、忠実に実行せざるを得ない気持ちになる。
さっきの様に弱気になる自分が、次の瞬間には許せなくなっている。。
゛すみませんでした。。もう泣き言はいいません。。次の。。次の命令をお願いします。゛
奈緒美が書き込むと、加虐の天使は情け容赦なく次の過酷なリクエストを書き込んできた。
゛下ろし金を右の膝に両手で強く押しつけ、そのまま太股の付け根まで強く擦りなさい。皮膚が擦り下ろされてしまう位に思い切り強くだ。手加減しなければ、一度だけで許そう。゛
なんて惨い。。
だが、逆らうことは出来ない。
奈緒美は、脇に置いてあった下ろし金を両手で握り締めた。
そして、自分の右膝、皿の少し上の辺りに強く押し付けた。
下ろし金の表面の細かく鋭い凹凸が、皮膚に感じられた。
奈緒美は、またしても大きく息を吸い込んだ。
躊躇してはダメだ。
一気に。。一気にやってしまわなければ。。
奈緒美は、意を決すると、両手に力を込めた。そして、太股の付け根に向かって下ろし金を思い切り強く、一気に引きずった。
太股全体が、下ろし金で強く擦られると同時に、もの凄い痛みが奈緒美を襲った。皮膚を削り取られ、太股全体にみるみる血が滲み始めた。
奈緒美は、タオルを太股に押し当て、必死に苦痛に耐えた。
涙で霞んだ目でパソコンの画面を見ると、そんな奈緒美の姿をまるで側で見ているかの様に、加虐の天使が書き込んできた。
゛どうやら、少しは本気でやったみたいだな。痛いか?゛
情け容赦のないコメントだ。
゛今日は、これで許してやろう。゛
゛ありがとうございます。゛
許しをもらい、礼を言う奈緒美。
だが、本当の試練がこれからだという事が、奈緒美には分かっていた。
゛では。これで終了する。いつもの様にオキシドールでの消毒を忘れない様にな。゛
加虐の天使は、奈緒美の返事を待たずに退室していった。
奈緒美は、無理矢理自分を奮い立たせて、続けざまにもう一発打ち込んだ。
痛い。。
心の芯が折れそうになる程の痛み。。
奈緒美は、悲しくなって声を出して泣き始めた。痛いからだけではなかった。
悲しくてたまらなくなってしまったのだ。
足に痛みを与えられる事を自分から望んでおきながら、一方で酷い目に遭っている自分が哀れになってくる。
なぜ。。
なぜこんなに苦しまなければならないのか。。
奈緒美は、泣きながらキーボードを叩いた。
゛お願いです。。もうお許し下さい。。痛くて、痛くてたまりません。お願い、許して。。゛
奈緒美は、無駄と分かっていながら、加虐の天使に許しを請うた。
しばらくすると、加虐の天使が返事を書き込んできた。
゛ダメだ。一度始めた罰は最後まて受けるのがルールの筈だろう?私を裏切る気なのか?許さないぞ。゛
゛す、すみません。。あまりに痛くて、本当に痛くて。。〝
ダメだ。加虐の天使にはなぜか逆らえない。
罰を受けると言っても、所詮は自虐なのだ。嫌ならやめればいいだけだ。
なのに。。
なぜか、加虐の天使に命令されると、忠実に実行せざるを得ない気持ちになる。
さっきの様に弱気になる自分が、次の瞬間には許せなくなっている。。
゛すみませんでした。。もう泣き言はいいません。。次の。。次の命令をお願いします。゛
奈緒美が書き込むと、加虐の天使は情け容赦なく次の過酷なリクエストを書き込んできた。
゛下ろし金を右の膝に両手で強く押しつけ、そのまま太股の付け根まで強く擦りなさい。皮膚が擦り下ろされてしまう位に思い切り強くだ。手加減しなければ、一度だけで許そう。゛
なんて惨い。。
だが、逆らうことは出来ない。
奈緒美は、脇に置いてあった下ろし金を両手で握り締めた。
そして、自分の右膝、皿の少し上の辺りに強く押し付けた。
下ろし金の表面の細かく鋭い凹凸が、皮膚に感じられた。
奈緒美は、またしても大きく息を吸い込んだ。
躊躇してはダメだ。
一気に。。一気にやってしまわなければ。。
奈緒美は、意を決すると、両手に力を込めた。そして、太股の付け根に向かって下ろし金を思い切り強く、一気に引きずった。
太股全体が、下ろし金で強く擦られると同時に、もの凄い痛みが奈緒美を襲った。皮膚を削り取られ、太股全体にみるみる血が滲み始めた。
奈緒美は、タオルを太股に押し当て、必死に苦痛に耐えた。
涙で霞んだ目でパソコンの画面を見ると、そんな奈緒美の姿をまるで側で見ているかの様に、加虐の天使が書き込んできた。
゛どうやら、少しは本気でやったみたいだな。痛いか?゛
情け容赦のないコメントだ。
゛今日は、これで許してやろう。゛
゛ありがとうございます。゛
許しをもらい、礼を言う奈緒美。
だが、本当の試練がこれからだという事が、奈緒美には分かっていた。
゛では。これで終了する。いつもの様にオキシドールでの消毒を忘れない様にな。゛
加虐の天使は、奈緒美の返事を待たずに退室していった。
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