318 / 424
巨大な地下室
1
しおりを挟む
1ヶ月後の週末の夜、美穂はTDLの地下にある広大な地下室にいた。
日本一有名な巨大テーマパークの地下にまさかこんな施設があるとは誰も思わないだろう。
美穂は、数十メートルはある高い天井を見上げながら、圧倒された。周囲は人で溢れかえっている。フロアの中央には、まるで格闘技のリングの様なステージが設けられていた。
ここで今夜何が起こるのか、美穂には想像もつかなかった。
知らされている事は、抽選でゲストの中から1人が選出され、美穂達キャストの中の誰かが、その人間の願望を叶える為に奉仕しなければならないという事だけだった。
ゲストのリクエストには、絶対服従
これは契約の時に強く言われていた事だった。
美穂は、ゲストのリクエスト内容については知る由もなかったが、最悪体を許す事になるかもしれないという覚悟はしていた。あれだけ法外な報酬が得られるのだから、それ位のリスクはむしろ当然とも思えた。
もちろん、覚悟はしていても今夜ここに来るまでは、不安で一杯だった。しかし、実際に会場に入ってみると、想像以上にキャストが多い事がわ分かり、少し安堵を覚えた。これだけの人数の中から1人を選ぶのであれば、自分が選ばれる確率はかなり低いだろう。
美穂は最初に比べて幾分リラックスしながら、改めて会場内を見渡した。
少し離れた壁際にバーカウンターが見える。
キャストも飲めるのかしら。。
少し緊張が溶けてきた美穂は、ゆっくりとバーカウンターに近づき、スタッフに声をかけた。
「すみません。キャストの私も飲ませてもらえるのかしら。」
スタッフは若い男だったが、美穂の方を見ると、満面の笑みを浮かべた。
「もちろんですよ。キャストの方も、今夜の主役に選ばれなければ、りっぱなゲストですからね。」
「そう、よかった。じゃあ、ボッチェボールを作って頂けるかしら。」
スタッフは、ニコリと笑うと、シェイカーを取り出し、準備を始めた。
美穂がカウンターの椅子に腰掛けると、突然背後から歓声が上がった。
振り返ってみると、中央のリングに黒いスーツ姿の若い女が上がってくるのが見えた。女は、リングの中央に立つと、深々と頭を下げ、場内のゲストに挨拶した。
日本一有名な巨大テーマパークの地下にまさかこんな施設があるとは誰も思わないだろう。
美穂は、数十メートルはある高い天井を見上げながら、圧倒された。周囲は人で溢れかえっている。フロアの中央には、まるで格闘技のリングの様なステージが設けられていた。
ここで今夜何が起こるのか、美穂には想像もつかなかった。
知らされている事は、抽選でゲストの中から1人が選出され、美穂達キャストの中の誰かが、その人間の願望を叶える為に奉仕しなければならないという事だけだった。
ゲストのリクエストには、絶対服従
これは契約の時に強く言われていた事だった。
美穂は、ゲストのリクエスト内容については知る由もなかったが、最悪体を許す事になるかもしれないという覚悟はしていた。あれだけ法外な報酬が得られるのだから、それ位のリスクはむしろ当然とも思えた。
もちろん、覚悟はしていても今夜ここに来るまでは、不安で一杯だった。しかし、実際に会場に入ってみると、想像以上にキャストが多い事がわ分かり、少し安堵を覚えた。これだけの人数の中から1人を選ぶのであれば、自分が選ばれる確率はかなり低いだろう。
美穂は最初に比べて幾分リラックスしながら、改めて会場内を見渡した。
少し離れた壁際にバーカウンターが見える。
キャストも飲めるのかしら。。
少し緊張が溶けてきた美穂は、ゆっくりとバーカウンターに近づき、スタッフに声をかけた。
「すみません。キャストの私も飲ませてもらえるのかしら。」
スタッフは若い男だったが、美穂の方を見ると、満面の笑みを浮かべた。
「もちろんですよ。キャストの方も、今夜の主役に選ばれなければ、りっぱなゲストですからね。」
「そう、よかった。じゃあ、ボッチェボールを作って頂けるかしら。」
スタッフは、ニコリと笑うと、シェイカーを取り出し、準備を始めた。
美穂がカウンターの椅子に腰掛けると、突然背後から歓声が上がった。
振り返ってみると、中央のリングに黒いスーツ姿の若い女が上がってくるのが見えた。女は、リングの中央に立つと、深々と頭を下げ、場内のゲストに挨拶した。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
パラサイト/ブランク
羊原ユウ
ホラー
舞台は200X年の日本。寄生生物(パラサイト)という未知の存在が日常に潜む宵ヶ沼市。地元の中学校に通う少年、坂咲青はある日同じクラスメイトの黒河朱莉に夜の旧校舎に呼び出されるのだが、そこで彼を待っていたのはパラサイトに変貌した朱莉の姿だった…。
熾ーおこりー
ようさん
ホラー
【第8回ホラー・ミステリー小説大賞参加予定作品(リライト)】
幕末一の剣客集団、新撰組。
疾風怒濤の時代、徳川幕府への忠誠を頑なに貫き時に鉄の掟の下同志の粛清も辞さない戦闘派治安組織として、倒幕派から庶民にまで恐れられた。
組織の転機となった初代局長・芹澤鴨暗殺事件を、原田左之助の視点で描く。
志と名誉のためなら死をも厭わず、やがて新政府軍との絶望的な戦争に飲み込まれていった彼らを蝕む闇とはーー
※史実をヒントにしたフィクション(心理ホラー)です
【登場人物】(ネタバレを含みます)
原田左之助(二三歳) 伊代松山藩出身で槍の名手。新撰組隊士(試衛館派)
芹澤鴨(三七歳) 新撰組筆頭局長。文武両道の北辰一刀流師範。刀を抜くまでもない戦闘の際には鉄製の軍扇を武器とする。水戸派のリーダー。
沖田総司(二一歳) 江戸出身。新撰組隊士の中では最年少だが剣の腕前は五本の指に入る(試衛館派)
山南敬助(二七歳) 仙台藩出身。土方と共に新撰組副長を務める。温厚な調整役(試衛館派)
土方歳三(二八歳)武州出身。新撰組副長。冷静沈着で自分にも他人にも厳しい。試衛館の弟子筆頭で一本気な男だが、策士の一面も(試衛館派)
近藤勇(二九歳) 新撰組局長。土方とは同郷。江戸に上り天然理心流の名門道場・試衛館を継ぐ。
井上源三郎(三四歳) 新撰組では一番年長の隊士。近藤とは先代の兄弟弟子にあたり、唯一の相談役でもある。
新見錦 芹沢の腹心。頭脳派で水戸派のブレインでもある
平山五郎 芹澤の腹心。直情的な男(水戸派)
平間(水戸派)
野口(水戸派)
(画像・速水御舟「炎舞」部分)
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる