瞳の奥の漁火~女をいたぶる狂気の女~

黒野拓海

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石抱き責め

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香奈恵の紹介が終わると、さっそくショーがスタートした。

両腕を押さえられている愛華に酒見が近付き、腰を落とすと網タイツを引き裂いた。石抱きの道具を見た瞬間から、恐ろしさのあまり身動きも出来なくなっていた彼女は、抵抗する事もなくされるがままになっていた。

やがて、愛華の白く美しい足が露わになると、2人の男は、愛華を板の前に連れていった。それが合図の様に場内の大型スクリーン、テーブルの上のモニターが彼女の姿を捉えた。あらゆるアングルから、彼女と拷問用の板が映し出され、摩耶も拷問板の凹凸を拡大映像で確認する事が出来た。
三角形の頂上は恐ろしい程鋭く、まるで鋭利な刃物の様だった。あれでは石を抱かせる前に、ただその上に正座するだけで臑の皮膚が裂けてしまいそうだ。

板の前に立たされた愛華は、付き添えの男達に背中を叩かれ、板の上に正座する事を促された。

場内のテンションに圧され、愛華は抵抗する事も出来ず、ゆっくりと板の上に座り込んだが、苦痛に顔を歪め、すぐに両手をついて体を持ち上げた。
か細い腕で必死に体重を支える愛華の顔には、現実を知った者の悲壮感がありありと浮かんでいた。

そう、石抱き責めはテレビの時代劇ではお馴染みの拷問方法であり、あの鋭利な突起を見れば痛みが並大抵のものではない事も理解出来る。
しかし、実際に体験する事はまずあり得ない為、その痛みの真の凄まじさを想像するのは難しい。
愛華は実際に拷問板の上に座った事で、今から自分に襲いかかろうとしている試練の大きさをリアルにイメージしたに違いなかった。

愛華は依然両腕で体を支えながら、顔を上げて香奈恵と酒見に救いを求める表情をした。異様に盛り上がる場内の雰囲気が彼女に悲鳴を上げる事を躊躇わせたが、彼女は必死だった。

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