瞳の奥の漁火~女をいたぶる狂気の女~

黒野拓海

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゛Natural Face゛の期待

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高校を卒業した摩耶は、都内の女子短大に入学した。入学式が終わるとすぐに、Natural Faceが接触してきた。

驚いたのは、保険医として摩耶の高校にいた浅沼魅麗が、今度は摩耶の大学の生徒課にいた事だった。摩耶の監視の為だとすれば呆れるばかりだが、Natural Faceという組織の強大な力からすれば、大した事ではない様だった。

魅麗の話では、摩耶の成長が予想以上に早い為、首脳部から、摩耶を大学在学中からNatural Faceに所属させる様、指示が出たのだという。
これは、卒業と同時に、摩耶を重要なポストに就ける事を期待しての判断らしかった。


摩耶はこの申し出を了承した。断ったところで、どうせ彼等から逃れる事など出来るとは思えない。

ならば、逆に利用した方が摩耶にとってもメリットがあると考えたのだ。

魅麗は摩耶の返答を聞くと、改めて畏まって挨拶をした。大学のキャンバス内でなければ、ひざまずいていたかもしれない。

「摩耶様、今この瞬間から、私は貴方様専属の側仕えとなります。何なりとお申し付け下さいませ。」

摩耶は、魅麗に訊ねた。

「分かったわ。こちらこそよろしくね。で、とりあえず何をすればいいのかしら?」

魅麗は恭しくまた頭を下げて言った。

「はい。まずは貴方様をNatural Faceセクション96にお連れします。生のイベントを見学頂く為です。」

「セクション96というのは、例の?」

摩耶が訊くと、魅麗は頷いて答えた。

「貴方様が、イベントの見学を熱望されていた、女への加虐願望を叶えるセクションでございます。」


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