瞳の奥の漁火～女をいたぶる狂気の女～

獲物のタイプ

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これまでの人生で、摩耶の犠牲になってきた数々の獲物達には、数タイプのパターンが存在した。

摩耶は、なぜか獲物達のタイプを本能的に見分ける能力が備わっていた。

その女の態度や容姿、雰囲気で直感的に判断するだけで、ほぼ完璧に見抜く事が出来たのだ。

当然、相手に合わせて戦略も変えることが出来る為、この能力は摩耶にとってかけがえのない武器となった。


獲物のパターンは、まず大きくは３タイプに分けられた。

①被虐嗜好の持ち主
②ニュートラル
③加虐嗜好の持ち主

だ。

①は、本人に元々虐待されたいという性癖があり、なおかつそれを本人が自覚しているタイプ。この場合、うまく相手の被虐性を引き出せば、後は向こうから勝手に墜ちてくる。
貴子はまさにこのタイプだが、さすがの摩耶も、ほとんど接点のない彼女の本性は、調査なしには分からなかった。

②は①、③のどちらでもないタイプ。もう少し正確な話をすれば、本当にどちらの性癖も持ち合わせない場合と、潜在的には備わっていても、自分では気付いていない場合とがある。更に、どちらかといえば①か③でも、一般的なレベルを越えない場合は②に含めている。
当然、ほとんどの女は②に属していると言っていい。

③は、①とは正反対の人間だ。
瑠美子は、③に属するが、レベル的にはぎりぎりといった感じだ。
ただ、秘密のトレーニングと称して後輩を虐めたあたりは、普通の人間にはなかなか真似の出来るものではないだろう。
ちなみに。。
獲物ではないが、この③の性癖の典型的なサンプルが、存在する。

それはナミであり、更には摩耶自身である。