瞳の奥の漁火~女をいたぶる狂気の女~

黒野拓海

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獲物は摩耶!?

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「具体的には、どんな練習なんですか?」

「メンタルトレーニング。闘争心をすぐにMAXにする訓練よ。バトミントンは、身体的接触がないだけで、メンタル的には極めて格闘技に近いわ。だから、そこを徹底的に鍛えるわけ。」

瑠美子は、摩耶を体育館の端に連れていった。
そこにはマットが数枚敷かれていた。

「それじゃあ、早速今夜から始めるわね。マットの上にのって。」

摩耶がマットにのると、瑠美子は摩耶を睨みつけて構えた。

「さあ、かかってきなさい!手加減はいらないわ。」

「ち、ちょっと待って下さい。練習って。。部長と戦うんですか?そんな事急に言われても。。」

そう言いながらも、摩耶は内心シメたと喜んでいた。これなら合法的に瑠美子をいたぶれる。。

「あら、目の色が変わったわね。頼もしいわ。でも最初に言っておくけど、私、結構強いわよ!」

そう言うと、瑠美子は摩耶の右の太股に、ローキックを叩き込んだ。

「きゃあ!痛いっ!」

太股に激痛が走り、摩耶はその場に倒れ込んだ。

痛くて立ち上がる事も出来ない摩耶を、髪の毛を掴んで無理矢理立たせる瑠美子。

「痛い、痛い、痛い!離して下さい!」

摩耶は髪の毛を強く引っ張られ、痛みに悲鳴を上げた。

瑠美子は、先程までとは別人だった。
彼女の目に、怪しい小さな火が灯った。

トレーニングとは名ばかりで、瑠美子は最初から摩耶をいたぶるのが目的だったのだ。

彼女は同類だった。

獲物として狙われていたのは、摩耶の方だったのだ。

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