瞳の奥の漁火～女をいたぶる狂気の女～

衝撃

2

ナミは嬉しそうに舌なめずりして言った。

「ヒヒヒッ、今度は少し楽しめそうだねえ。」

そしてリモコンを手にすると、一気にダイヤルを１０まで回した。
美菜は、目に一杯力んで衝撃に備えた。

ナミがスイッチを入れた次の瞬間。

美菜の背中を、肩甲骨ごと何かが鷲掴みにし、爪を立てながら握り締めた。そして
一気に力が強まっていく。

「いっ、嫌、ナ、ナミ、これヤバいよ、ヤバいよ、スイッチ切。。」

と美菜が言い終わる前に、肩甲骨を引き剥がさんばかりの衝撃が襲った。

「あっ、あっ、あっ、ダメ、くわあーっ、痛い、痛い、痛い！」

もはや、〝揉む〝なんて次元の物ではない。筋肉質でなく、普段力を入れてもほとんど筋の浮かない美菜の全身の筋肉にくっきりと筋が浮かび上がり、背中の筋肉が引きちぎられそうな衝撃に体が哀れな程反応していた。美菜は逃げ出そうとしたが、
いつの間にか、手足が手錠でベッドの格子に繋がれており、ビクともしない。

継続的に味わわされても辛い筈だが、なまじっか、ゆっくりと深呼吸するくらいの
テンポで、脱力と緊張が繰り返しやってくるのが、その波が、美菜の肉体へのダメージを更に増幅させていた。

「んあーーッ！、ああああっ、痛いっ。。ッアッ！。。ハアハア、ナミ、と、止めて！ 早く！また来ちゃう。お願い。。あ、あ、あっ、痛い痛い痛い痛いーーッ！」

美菜は、繰り返し襲ってくる耐えがたい苦痛に苦悶と脱力を繰り返した。そして、パターンが変わる為に一時停止した時には、グッタリとしてしまっていた。
実際には、まだ1～2分しか経過してなかったが、美菜にはとてつもなく長い時間に思えた。
今夜は、イメージの中に意識を置いていながら、現実に体を責められてもいる。
この、意識内の苦痛と実際に肉体が味わっている苦痛とが、シナジー効果を発揮しているのか、今夜美菜が味わっている苦痛は、剥き出しになった美菜の神経をダイレクトに
刺激しているのではないかと思う程、厳しいものだった。

ナミは〝情けない奴だ〝という顔をしながら美菜を見て言った。

「ほら、まだ終わってないよ！しっかりしな！次が来るよ！」

ナミが言い終わらないうちに、〝肩たたきパターン〝が私を襲ってきた。