愛が歪んでいく

壱婁

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幼少期

母の趣味

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母は基本色々なものを作ることが好きな人だ。
手作りのカバンや物差し入れ、ケーキやパン等様々な母の作品に触れて食べて育ってきた。元々母も私の祖母、母からすれば実母だが愛されて育ってきたとは言い難い環境で生きてきた。

兄との格差や学校でのいじめを経験して寂しい思いや苦しみ、辛さを沢山味わってそれを弾き飛ばすくらい明るく笑う繊細な母だった。

その母は自分の子には寂しく苦しい思いをさせないようにとたくさん愛そうと幸せを作ろうと決めた人でもあった。


「かぁか、なんつくったの?」
「今日はりっちゃんの好きなパウンドケーキだよ」


私は母の作るパウンドケーキが大好きでよく強請っていた。その頃まだ穏やかであった母のような優しく幸せな味がしていたからだ。


「かぁかのつくるケーキ、りっちゃんだいすきっ!!」
「ありがとうね」

私が母の作る一つ一つの作品が好きだというと母は綻んだ笑みを浮かべて幸せそうに笑っていたとを覚えている。
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