メンヘラちゃん

メンヘラちゃん

メンヘラちゃんと思い出

小さい頃からママは怒っていた気がする

パパはしらない。ママしかいなかったんだもの。


ママの笑顔はハリボテみたいでいつもちょっぴり怖い。
幼稚園のせんせーがママのこと「未婚で彼氏に逃げられた可哀想な人」て言ってたのを聞いてたけど意味は分からなかった。ただママが可哀想な人て事しか分からなかった。

ママは元々子供は好きではなかった。むしろ嫌いだったから私の事も例外なく嫌いなのだ。

ママは恋がしたいのに私がいると邪魔なのだ。だからいつもお家でお留守番していた。

ある時、幼稚園でクラスメイトに言われた。
「お前のママはママじゃないんだって」

ママは私のママだよ。産んでくれたんだもの。

「産んだからママになるんじゃないんだってさ。よく分かんないけど」

じゃあ、君のママもちゃんとママなの?


そう返すとみんなよく分からなくなってしまいモヤモヤしてしまった。クラスがモヤモヤと悩む園児達の中せんせーが来た。


「せんせーママになるにはどーするの?」
「ママって何をしたらママになるの?」
「子供を産むだけではダメなの?」

口仕切りに質問を投げかけてくる子供達にせんせーは途方に暮れる。

だってせんせーは大人だから分かると思ってた。だけど、今ならわかる。誰もママに対する答えは持ってなかったのだと。


世間一般的には私のママはママじゃないんだと思う。怒りっぽくてハリボテの笑顔で私をみないママだから。でも、私のママはママだもの。仕方がない。