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カンジ

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おじさんですが1

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「瀬尾さん、俺と結婚を前提にお付き合いしてください!」
「…………………へぁ?」


瀬尾朋典せおとものり、今年40歳独身。
何故か俺は今、自分の部下からプロポーズまがいの告白を受けています。

俺に告白をしている人物の名は志賀 隆平しがりゅうへい
男らしいルックスや性格で社内では人気の社員だ。


「え、ぇーと、志賀君……?」
「はい」
「俺、男だぞ?」
「はい、知ってます。しかしそれは断る理由にはなりません」
「え、あ、そうか…?」
「はい。それで返事は?」
「はっ!?あ、えと、て、丁重にお断りさせて頂きたい…」
「何故ですか!!」

な、何故ですか!?
え、何言ってんのこの子!?

「はっ、いや、考えてもみなさいよ!?俺、今年40!志賀くん今いくつだよ!?」
「今年で25になります」
「でしょ!?若いんだからいい人いるだろ他に」
「俺は瀬尾さんがいいんです」
「それが意味わかんないから!?なんでこんなオッサンがいいんだよ!?身長でかいし普通だし!?特に抜きん出たものもないんだぞ!?」

あ、泣きそう
自分で言って泣きそう 
いやでも事実だからね!!だからこの歳で独身なんだならね!?(´;ω;`)


「そんな事ありません。瀬尾さんは可愛いです。」
「……………ん?」


聞き違いかな
聞き違いだよなうんそうだそうにk「瀬尾さんは可愛いです」
「被せるな!!」

はぁ~、と大きなため息を付いて混乱した心を落ち着かせ、改めて志賀くんに向き合う。

「俺は別に同性愛に差別があるわけじゃない。でも、さっきも言った通り志賀くんはまだ若い。こんなおじさんじゃなくて、もっといい人を探した方がいい。」


これで志賀くんも諦めるだろう……(チラッ


「俺の瀬尾さんマジカッコカワイイ」
「おい、話聞いてたか!?」

志賀くんのキャラがゲシュタルト崩壊



*****

それから志賀くんの猛アタックが始まった。

「瀬尾さん、お昼一緒にどうですか」
昼食のお誘いはもちろん、

「瀬尾さん、この資料お願いします」
「あぁ。そこに置いておいてくれ。」
「はい。……………………」
「ひっ!!?」
お、お尻を触ったりなどのセクハラまで様々だ。(切実にやめて欲しい)

やめて欲しい事もあるが、代わりにわかったこともある。

彼の表情はあまり変わらない。だが、時折見せる笑顔が物凄くカッコカワイイ。
しかもそれが俺への笑顔だからなんとも言えない。
もう頭なんて撫でてやれば耳と尻尾が見える。

そして、さり気ない優しさもかれの良い所の一つだ。押し付けがましくなく、サラッとやってのけるところが彼のモテる所以だろう。


あーダメだダメだぁぁぁぁぁぁーーー
染まってきてる染まってきてるぞ瀬尾朋典ぃぃぃぃぃぃ!!
流されるなこのスカポンタンめぇぇぇ!!
相手は部下だぞ15歳も年下だぞてか男だぞ!!
落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ちt「瀬尾ー」

「ここの奴は俺の言葉にかぶせるのが流行ってるのか」
「何言ってんだお前は」
「なんでもないよー。で、要件はなんだ笠巻」


笠巻というのは俺の同僚だ。ちなみにダンディーなイケメンなオジサマだ。
くっそ←


「なんだ、ってひっでぇ言い草だな。今日飲みにいかないかっていうお誘いだったんだが?」
「あぁ~……………奢りなら行く」
「ちゃっかりしてんなぁ。まぁ、お前最近なんか疲れてっからな。いいぜ」
「まじ?よっしゃ」
「じゃ、また後でな」

笠巻はぐしゃぐしゃと俺の頭を撫でると去っていった。
そーゆーのは女子にやれってのな。
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