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第04章 禁じられた恋
第053話 禁じられた恋
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レイはアランと共にエリー王女を迎えに行くが、エリー王女は一度もレイの方を見ようとはしなかった。
いつものように、五人で朝食をとっている時もそうだった。二人の関係を知られてはいけないと、エリー王女の判断で行っているのだろう。分かってはいるのに、レイの心にじわりと不安が広がっていく。
「今日はいつもに増して美しいな」
突然リアム国王がとエリー王女を褒めた。
リアム国王はあまりお世辞は言わない。だからこそ、急に褒められたエリー王女の心臓はびくんと跳ねた。いつもと違う。それは今のエリー王女にとって恐ろしいことだった。
後ろ暗さのせいで、何と応えて良いか分からなくなり、エリー王女は顔を赤らめ俯いてしまう。黙ったままではおかしいのに、何も言えなかった。
その様子は、端から見れば照れているように見える。
「困らせてしまったようだな。申し訳ない」
「い、いえ……。ありがとうございます」
リアム国王の優しい声色に、エリー王女は顔を上げ安心したように小さく微笑んだ。
「ああ、そうだ。今日はもしよければ遠乗りできればと思っている。見せたい場所があるのだ」
「遠乗り……馬に乗ってでしょうか? あの……私は馬に乗ったことがなく……」
エリー王女は以前アランとレイと三人で遠乗りしようと言っていたことを思い出していた。その約束を叶える前に他の人と行くのはなんとなく気がひける。
「もちろんそれは承知だ。嫌でなければ私と二人乗りをお願いしたい」
出来ることなら断りたかった。しかし、隣に座るアランから「お受けください」と耳打ちをされ、エリー王女は誘いを受けることにした。
◇
リアム国王のご好意により乗馬用の衣装を用意してもらい、部屋に戻って着替えをした。乗馬用キュロットは足のラインがくっきりと出るパンツスタイル。今までスカートしか履いたことのないエリー王女にとっては、とても恥ずかしい格好だった。
「エリー様、すっごく可愛いね」
迎えに来たレイが最初に放った言葉に、思わず顔を赤らめた。
「あ、ありがとうございます」
「エリー様。それでは私も準備してまいります」
マーサはちらりとレイを見ると、エリー王女に挨拶をして出て行った。扉の閉まる音を聞くと二人は自然と距離を縮める。
「可愛すぎて誰にも見せたくなくなっちゃうな」
レイがエリー王女の髪に触れ、困ったように笑った。
「本当はレイと一緒に馬に乗りたかったです……」
甘えるように呟くエリー王女にレイの心は激しく揺れる。先ほどまでの不安やリアム国王に対する嫉妬もすべて嘘のように消えた。気がつけばエリー王女の唇に触れている。まるで自分のものであると証明するかのように激しく求めていた。
アランに言われたことも頭によぎってはいたが止められないのだ。
エリー王女もまた、昨夜と変わらぬレイの態度に喜びを感じ求めに応じる。
「ん……。はぁ……あ、あの……レイ……」
ふとマーサのことを思い出し、遠慮がちにレイの胸を押した。
「ん?」
「実は……マーサが疑っているかもしれないのです……」
エリー王女は今朝の出来事を伝える。
「あー、そっか。ごめん。着させてから行くべきだった……。わかった。気をつける」
「私……レイを危険な目に合わせたくありません。ですので、普段はあまり……」
「うん、分かってる。俺のことは気にしないで」
さっきまで嫉妬していた自分を隠し、レイは笑顔を作った。
いつものように、五人で朝食をとっている時もそうだった。二人の関係を知られてはいけないと、エリー王女の判断で行っているのだろう。分かってはいるのに、レイの心にじわりと不安が広がっていく。
「今日はいつもに増して美しいな」
突然リアム国王がとエリー王女を褒めた。
リアム国王はあまりお世辞は言わない。だからこそ、急に褒められたエリー王女の心臓はびくんと跳ねた。いつもと違う。それは今のエリー王女にとって恐ろしいことだった。
後ろ暗さのせいで、何と応えて良いか分からなくなり、エリー王女は顔を赤らめ俯いてしまう。黙ったままではおかしいのに、何も言えなかった。
その様子は、端から見れば照れているように見える。
「困らせてしまったようだな。申し訳ない」
「い、いえ……。ありがとうございます」
リアム国王の優しい声色に、エリー王女は顔を上げ安心したように小さく微笑んだ。
「ああ、そうだ。今日はもしよければ遠乗りできればと思っている。見せたい場所があるのだ」
「遠乗り……馬に乗ってでしょうか? あの……私は馬に乗ったことがなく……」
エリー王女は以前アランとレイと三人で遠乗りしようと言っていたことを思い出していた。その約束を叶える前に他の人と行くのはなんとなく気がひける。
「もちろんそれは承知だ。嫌でなければ私と二人乗りをお願いしたい」
出来ることなら断りたかった。しかし、隣に座るアランから「お受けください」と耳打ちをされ、エリー王女は誘いを受けることにした。
◇
リアム国王のご好意により乗馬用の衣装を用意してもらい、部屋に戻って着替えをした。乗馬用キュロットは足のラインがくっきりと出るパンツスタイル。今までスカートしか履いたことのないエリー王女にとっては、とても恥ずかしい格好だった。
「エリー様、すっごく可愛いね」
迎えに来たレイが最初に放った言葉に、思わず顔を赤らめた。
「あ、ありがとうございます」
「エリー様。それでは私も準備してまいります」
マーサはちらりとレイを見ると、エリー王女に挨拶をして出て行った。扉の閉まる音を聞くと二人は自然と距離を縮める。
「可愛すぎて誰にも見せたくなくなっちゃうな」
レイがエリー王女の髪に触れ、困ったように笑った。
「本当はレイと一緒に馬に乗りたかったです……」
甘えるように呟くエリー王女にレイの心は激しく揺れる。先ほどまでの不安やリアム国王に対する嫉妬もすべて嘘のように消えた。気がつけばエリー王女の唇に触れている。まるで自分のものであると証明するかのように激しく求めていた。
アランに言われたことも頭によぎってはいたが止められないのだ。
エリー王女もまた、昨夜と変わらぬレイの態度に喜びを感じ求めに応じる。
「ん……。はぁ……あ、あの……レイ……」
ふとマーサのことを思い出し、遠慮がちにレイの胸を押した。
「ん?」
「実は……マーサが疑っているかもしれないのです……」
エリー王女は今朝の出来事を伝える。
「あー、そっか。ごめん。着させてから行くべきだった……。わかった。気をつける」
「私……レイを危険な目に合わせたくありません。ですので、普段はあまり……」
「うん、分かってる。俺のことは気にしないで」
さっきまで嫉妬していた自分を隠し、レイは笑顔を作った。
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