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第03章 告白
第050話 ずっと……
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「酷いことを言っていることは分かっております。だって、結婚しておきながらレイに愛されたいなんて勝手すぎますから……。ですが……ですが、レイが他の人を愛するところなど想像するだけで……」
涙も想いも止まることなくどんどんと溢れ出てくる。
「レイ……愛しております……」
「エリー……」
レイは俯くと何かを考えているようだった。それはそうだろう。こんなことを言う女など嫌になるに決まっている。そう思うと悲しくて愚かな自分に対して腹が立ってきた。もう終わりにしよう。そう思った時だった。
「いいよ。約束する。俺はエリーが止めてと言うまではこの気持ちのままでいるよ」
「え……」
思いがけない返事に向かい合ったレイを見上げる。
「こ、この気持ちとは……?」
「……俺はエリーが好きだよ」
初めて耳にする言葉に、急速に胸が高まる。しかし、なんだか現実味を帯びていないように感じ、真意を探るようにレイの瞳を覗き込む。レイの表情はとても真剣なもので、その瞳に吸い込まれるのではないかと思うほどだった。
「もう、どうしようもないくらい好きなんだ。だから、ずっと側でエリーを愛し続けるよ」
「ああ、レイ!」
夢ではない。エリー王女はレイの胸に飛び込むと、むせび泣いた。涙が止まらない。そんなエリー王女をレイは優しく抱きしめ髪を撫でる。その優しさがたまらなく愛おしい。
「エリー」
名前を呼ばれ、涙で濡れた顔を上げると柔らかな唇が降ってきた。触れたところから体中が痺れる。以前した口付けとはどこか違う。触れるか触れないかの距離の唇。瞳を開けるとレイの瞳と交わった。そしてまた触れ合う。優しく触れては離れる……。もっと長く触れていたいのに、レイはそれを繰り返す。食むような口付けに変わる頃には、エリー王女の赤みを帯びた唇が小さく開いた。
するとレイの舌が柔らかな唇をゆっくりとなぞってきた。今にも入ってきそうなそれは、エリー王女の期待感を煽った。なのに……。
エリー王女はつい物欲しそうに見つめ、熱い息を吐いた。それがどういう意味なのかレイには分かったのか、首を傾けゆっくりと侵入してくる。
「ん……」
絡み取られた舌が優しくかき回される。求めていたものだったからか、エリー王女もまた同じように舌に絡みついた。少しずつ激しさが増し、吸い付くように求め合う。頬を撫でられ、髪をかき上げられるとエリー王女の心までもが乱された。体が熱い。
こんなに求め合っても欲求は満たされず、もっとレイが欲しくてたまらなかった。愛する人と行う行為がどういうものかは知っている。それをいつかは知らない誰かと行わなければならない。そう、誰かと……。
エリー王女はレイの胸を僅かに押した。
「レイ……お願いです……」
ダメなことは分かってはいたが止めることが出来なかった。いや、止めたくなかった。せめて最初くらいレイに愛されたいと願うことはいけないことなのだろうか?
「私の全てを愛していただけませんか……?」
熱い息を吐き、潤んだ瞳で見つめてそう伝えた。しかし、レイは何も応えずただじっと視線を返してくるだけだった。
レイに愛されたらどんなに幸せだろう。次々と自分の欲望が増えてくる。エリー王女は、断って欲しくなくて、手を取りゆっくり寝室へと引っ張っていく。
繋いだ手が温かい。
キングサイズのベッドを背後に、エリー王女は手を伸ばしレイの胸に触れる。
「心も体もレイのものだと証明したいのです……」
胸に触れていた手にレイの手が重なり握り締められた。レイは優しくも困った表情で微笑んだ。
「本当にいいの……?」
「……レイじゃなきゃ嫌です。お願い……私と――――」
その瞬間体がふわりと浮かび、柔らかなベッドに深く沈み込む。覆い被さったレイを見つめ、手を伸ばしレイの頬にそっと触れた。
「愛しております……」
「俺も……俺も愛してる……」
レイから受ける数々の刺激は、エリー王女の身体を益々熱くしていく。愛されている感覚が身体中を駆け巡り、全てを受け入れた。
名前を呼ぶ度に……名前を呼ばれる度に……深く……深く愛し合う……。
◇
ドアを叩く音にレイがハッとして起き上がる。隣ではエリー王女がすやすや眠っていた。自分もいつの間にか眠っていたようで外を見るとまだ暗かった。エリー王女に掛け布をかけ直し、自分は脱ぎ捨てた服を素早く着る。
もう一度ドアが叩かれた。
レイはドアの側まで行き、誰なのか尋ねると「俺だ」という答えが返ってくる。その声に自分のしでかしたことに現実味が増した。目をつぶり大きく息を吐いてからドアを開ける。
そこには怖い顔をしたアランが立っていた。
涙も想いも止まることなくどんどんと溢れ出てくる。
「レイ……愛しております……」
「エリー……」
レイは俯くと何かを考えているようだった。それはそうだろう。こんなことを言う女など嫌になるに決まっている。そう思うと悲しくて愚かな自分に対して腹が立ってきた。もう終わりにしよう。そう思った時だった。
「いいよ。約束する。俺はエリーが止めてと言うまではこの気持ちのままでいるよ」
「え……」
思いがけない返事に向かい合ったレイを見上げる。
「こ、この気持ちとは……?」
「……俺はエリーが好きだよ」
初めて耳にする言葉に、急速に胸が高まる。しかし、なんだか現実味を帯びていないように感じ、真意を探るようにレイの瞳を覗き込む。レイの表情はとても真剣なもので、その瞳に吸い込まれるのではないかと思うほどだった。
「もう、どうしようもないくらい好きなんだ。だから、ずっと側でエリーを愛し続けるよ」
「ああ、レイ!」
夢ではない。エリー王女はレイの胸に飛び込むと、むせび泣いた。涙が止まらない。そんなエリー王女をレイは優しく抱きしめ髪を撫でる。その優しさがたまらなく愛おしい。
「エリー」
名前を呼ばれ、涙で濡れた顔を上げると柔らかな唇が降ってきた。触れたところから体中が痺れる。以前した口付けとはどこか違う。触れるか触れないかの距離の唇。瞳を開けるとレイの瞳と交わった。そしてまた触れ合う。優しく触れては離れる……。もっと長く触れていたいのに、レイはそれを繰り返す。食むような口付けに変わる頃には、エリー王女の赤みを帯びた唇が小さく開いた。
するとレイの舌が柔らかな唇をゆっくりとなぞってきた。今にも入ってきそうなそれは、エリー王女の期待感を煽った。なのに……。
エリー王女はつい物欲しそうに見つめ、熱い息を吐いた。それがどういう意味なのかレイには分かったのか、首を傾けゆっくりと侵入してくる。
「ん……」
絡み取られた舌が優しくかき回される。求めていたものだったからか、エリー王女もまた同じように舌に絡みついた。少しずつ激しさが増し、吸い付くように求め合う。頬を撫でられ、髪をかき上げられるとエリー王女の心までもが乱された。体が熱い。
こんなに求め合っても欲求は満たされず、もっとレイが欲しくてたまらなかった。愛する人と行う行為がどういうものかは知っている。それをいつかは知らない誰かと行わなければならない。そう、誰かと……。
エリー王女はレイの胸を僅かに押した。
「レイ……お願いです……」
ダメなことは分かってはいたが止めることが出来なかった。いや、止めたくなかった。せめて最初くらいレイに愛されたいと願うことはいけないことなのだろうか?
「私の全てを愛していただけませんか……?」
熱い息を吐き、潤んだ瞳で見つめてそう伝えた。しかし、レイは何も応えずただじっと視線を返してくるだけだった。
レイに愛されたらどんなに幸せだろう。次々と自分の欲望が増えてくる。エリー王女は、断って欲しくなくて、手を取りゆっくり寝室へと引っ張っていく。
繋いだ手が温かい。
キングサイズのベッドを背後に、エリー王女は手を伸ばしレイの胸に触れる。
「心も体もレイのものだと証明したいのです……」
胸に触れていた手にレイの手が重なり握り締められた。レイは優しくも困った表情で微笑んだ。
「本当にいいの……?」
「……レイじゃなきゃ嫌です。お願い……私と――――」
その瞬間体がふわりと浮かび、柔らかなベッドに深く沈み込む。覆い被さったレイを見つめ、手を伸ばしレイの頬にそっと触れた。
「愛しております……」
「俺も……俺も愛してる……」
レイから受ける数々の刺激は、エリー王女の身体を益々熱くしていく。愛されている感覚が身体中を駆け巡り、全てを受け入れた。
名前を呼ぶ度に……名前を呼ばれる度に……深く……深く愛し合う……。
◇
ドアを叩く音にレイがハッとして起き上がる。隣ではエリー王女がすやすや眠っていた。自分もいつの間にか眠っていたようで外を見るとまだ暗かった。エリー王女に掛け布をかけ直し、自分は脱ぎ捨てた服を素早く着る。
もう一度ドアが叩かれた。
レイはドアの側まで行き、誰なのか尋ねると「俺だ」という答えが返ってくる。その声に自分のしでかしたことに現実味が増した。目をつぶり大きく息を吐いてからドアを開ける。
そこには怖い顔をしたアランが立っていた。
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