ほもむかしばなし

halsan

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ほもすてやま

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 むかしむかしあるところに、原理主義者の王様がおりました。

 王様は原理主義者なので、ホモが大嫌いなのです。

 でも父親でもある大公がディープな世界を好んでいたので、大公がご存命の間は、王様はホモ嫌いを表に出しませんでした。
 
 しかし大公が崩御されてから、王様は豹変しました。
 
 王様は突然暴挙ともいえる法律を公布したのです。
 
 それは「すべてのホモは山に捨てよ。従わない者はホモとともに山に捨てる」という無慈悲な法律だったのです。
 
 法令遵守意識の高いホモは、手を取り合って山へと向かい自らを捨てました。
 
 カミングアウトした未成年のホモは両親が山へと連れて捨ててきました。
 
 ホモを謳歌した老人ホモは、子供たちが背負って山に捨ててきました。
 
 この法律は全国民に対して発令されていたので、王様のハーレムで不動のナンバーツーを誇る娘も、育ての親であるガチホモを山に捨てに行かなければなりません。
 
 娘は血が繋がっていないにもかかわらず、ここまで育ててくれ、ホモネットワークを駆使してハーレムに裏口入宮させてくれたガチホモのお父さんとお父さんの前で泣きました。
 
 そんな娘の前で、お父さんとお父さんは微笑みます。
 
「王様の決めたことなのであるから、我らも従うとしよう。案ずるな娘よ」

「しかし娘よ。もし思い悩むことがあるのならば我らの元に訪れるがよい」

 こうして娘のお父さんとお父さんは自ら山にこもったのです。
 
 さて、ホモがいなくなった王国は、しばらくは平静を保っていました。
 
 王様もホモがいなくなってせいせいしたかのように、ハーレムで羽を伸ばしました。
 
 羽を伸ばしながら、あんなことやこんなことを楽しみました。
 
 ところが所詮原理主義者の王様と、美しいだけで世間知らずの娘とのセックスにすぎません。
 
 王様は毎日のセックスにちょっと飽きてしまいました。
 
 そこで王様はハーレムの娘たちに命令を出しました。
 
「私のちんちんに新たな快楽を供せよ」

 しかし娘たちは困ってしまいます。
 
 なぜなら彼女たちの知識では、王様のちんちんは娘たちの「あーん」なところに入るものでしかないからなのです。
 
 困った娘は、その晩そっと山に登り、お父さんとお父さんの元を訪れました。
 
「お父さんとお父さん。王のちんちんに新たな快楽を供せねばならないのです」

 娘からの相談に、お父さんとお父さんは腕組みをしました。
 
 するとお父さんがぽんと手を叩きました。
 
「うむ。あーんなところに普段は触れていないちんちんの個所を責めるがよかろう」

 しかし娘には責め方がわかりません。
 
 するともう一人のお父さんが、提案してくれた方のお父さんを見本にしてやり方を教えてくれました。
 
「ありがとう。お父さんとお父さん!」

 さて翌日のこと。
 
「さあ娘どもよ。宿題の回答を示すがよい」

 しかし娘たちは一晩考えても答えがわかりませんでした。
 
 ところがそこで不動のナンバーツーが手を挙げたのです。
 
「王様、お試しください」

「うむ」

 その後、王様は目からうろこが落ちました。
 
「まさか先っちょや陰嚢に性感帯が残っていたとは!」

 そうです。娘はお父さんとお父さんから「お口の技術」を伝授されていたのです。

 お口の技術はすぐに他の娘たちにも伝授されました。
 
 王様はあーんなところをお口の技術にご満悦です。
 
 でも、しばらくすると、王様はお口の技術にもちょっと飽きが来てしまいました。
 
 なので王様は再び娘たちに命令しました。
 
「ちんちん以外の快楽を供せよ」

 娘たちは困りました。
 
 お口の技術ですら誰も知らなかったのに、そもそもちんちん以外に快楽をもたらせとは無茶苦茶です。
 
 困った娘は、その晩もそっと山に向かいました。

 娘からの相談に、お父さんとお父さんは腕組みをしました。
 
 すると今回もお父さんがぽんと手を叩きました。
 
「うむ。定番ではあるがこれがよかろう」

 しかし娘には定番がわかりません。
 
 するともう一人のお父さんが、ゴム手袋とグリセリンを用意して、提案してくれたお父さんを相手に、娘の前で見本を見せてくれました。
 
「ありがとう。お父さんとお父さん!」

 さて翌日のこと。
 
「さあ娘どもよ。宿題の回答を示すがよい」

 しかし娘たちは今回も答えがわかりませんでした。
 
 ところがそこで不動のナンバーツーが再び手を挙げたのです。
 
「王様、お試しください」

 その後、王様は目からうろこが落ちました。
 
「まさかお尻の穴から気持ちいいところをなでるとは!」

 そうです。娘はお父さんとお父さんから「前立腺マッサージの技術」を伝授されていたのです。
 
 さすがに力の加減が難しい前立腺マッサージが全ての娘に伝授されることはありませんでしたが、それでも王様は毎日前立腺マッサージからのドライオーガズムを味わったのです。
 
 しかしそんな日々も長くは続きません。
 
 すっかり「性の探究者」となった王様は、みたび娘たちに命令しました。
 
「根源的に異なる快楽を供せよ」

 これには娘たちもマジで困りました。
 
 前立腺マッサージだけでもコロンブスの卵だったのに、これ以上異なるものなど、もはや宇宙の真理にすら存在しないだろうと娘たちは絶望したのです。
 
 そんな中、娘は藁にもすがるような気持ちで、その晩もそっと山に向かいました。

 娘からの相談に、お父さんとお父さんは腕組みをしました。
 
 すると今回もお父さんがぽんと手を叩きました。
 
「うむ。そこまでいけば王様にも理解できるであろう」

 しかし娘にはそこまでがわかりません。
 
 するともう一人のお父さんが、おおきな白鳥の頭のようなものが飛び出したベルトを腰に巻き、提案してくれたお父さんを相手に、娘の前で見本を見せてくれました。
 
「ありがとう。お父さんとお父さん!」

 するとお父さんたちは言葉を続けました。
 
「王に伝えよ」

 お父さんとお父さんの言葉を、娘はしっかりと心に刻み込みました。

 さて翌日のこと。
 
「さあ娘どもよ。宿題の回答を示すがよい」

 しかし娘たちには絶望しかありません。
 
 ところがそこで不動のナンバーツーが今回も手を挙げたのです。
 
「王様、お試しください」

 その後、王様は目からうろこが落ちました。
 
「まさかお尻が白鳥の湖で満たされるとは」

 そうです。娘はお父さんとお父さんから「腰に梁型《はりがた》をまいたレズ定番のタチプレイ」を伝授されたのです。
 
 王様は余りの快楽に気が狂いそうになります。
 
 意識が飛びそうです。
 
 するとそれまでわんわんスタイルの王様の背後で腰をリズミカルに振っていた娘が王様の耳元で囁きました。
 
 お父さんとお父さんの言葉を。
 
「王様、生は最高だそうです」

 その後、快楽のるつぼからやっとのこさ意識を這い上がらせた王様は娘に尋ねました。
 
「ナンバーツーよ。生とはいったいなんなのだ?」

 すると娘は王様の前で胸を張りました。
 
「お父様とお父様の愛の交換です」

 その瞬間、王様はすべてを理解しました。

「そうか、そうであるな。探究心は常に必要であるな」

 娘の言葉に心を打たれた王様は、ホモを山に捨てよという無慈悲な法律を取り下げたのです。
 
 こうして娘は育ての親であるお父さんとお父さんと、再び仲良く暮らすことができるようになりました。
 
 ちなみにその後、娘はハーレム不動のナンバーワンとなり、お父さんとお父さんは王様直属のテクニカルアドバイザーに就任したのです。

 めでたしめでたし。
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