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金髪縦ロールさんを堪能したミトさん
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スマッシュ、カッツェ、ミトはそれぞれ満足した。
「うむ、良い汗をかいた」
「私もスマッシュさんたちと姉さまたちのいい絵が描けたよ。ほら!」
「うんうん。いい表情で描けてるねえ。ところでカッツェ、すまないけど、ルームサービスの追加を頼んできてもらってもいいかい? その代わりパフェは好きなのを頼みな」
「わかった、行ってくる!」
「いつも馳走になってすまんな」
「いいんだよ」
余裕綽々の3人の姿に対し、全裸にされたユーシチローと金髪縦ロールは肩で息をしながら、ベッドの上とソファの上から無言で互いを見つめあうことしかできなかった。
メイドによってローテーブルにビール漢ジョッキ二千ゼルが2杯と、高級赤ワイン千ゼルのおかわりが2杯、スペシャルチョコレートパフェ三千ゼルが1杯並べられる。
先程のワインと合わせてお支払いは締めて一万一千ゼル。
ミトがユーシチローと金髪縦ロールにも酒を勧めてやる。
「ここで知り合ったのも何かの縁だし、そんな辛気臭い顔をしてないで、一杯やるとしようかね」
「うむ、良い汗をかいたしな」
「皆で自己紹介をしなきゃね。じゃ、かんぱーい」
あくまでもマイペースな3人に引きずられてしまった赤鬼と金髪縦ロールだが、酒で喉をうるおし、頭を冷やしたことにより、やっと正気を取り戻した。
「兄貴は強いな。尻を掘られるのは初めての経験だが、ゲームだからだろうか、それほど悪くはなかった」
ユーシチローの感想にスマッシュは満足げにうなずいた。
「リアルでも良いものだぞ」
「そこの金髪縦ロールちゃんも良い反応していたねえ。あんた、ゲーム内でのプレイヤーとのセックスは初めてじゃないだろ?」
ミトの辛辣な指摘に何故か赤鬼が顔を赤らめた。
するとカッツェが何かに気づいたようだ。
「あー。赤鬼さんと金髪縦ロールさんって『パートナー設定』をしているんだ。気が早いね!」
「何だいその『パートナー設定』ってのは?」
ミトの疑問にいつものようにカッツェが検索して見せていく。
◇パートナー設定とは、パーティをより強固にしたものです。ゲーム内時間で2人がいる時間が長ければ長いほど、互いのスキル効果にプラスのボーナスを発揮します。一方、パートナー設定解除後は、それぞれが一定時間スキル効果にマイナスのペナルティを負うこととなります◇
「こりゃまたベタな設定だねえ」
ミトがあきれたように眉をひそめると、金髪縦ロールが不思議そうな顔をした。
「でも、利用できるものはすべて利用するべきではないですか?」
「まあ、人それぞれだな」
スマッシュのぶっきらぼうな感想にユーシチローは少しむきになってしまう。
「俺はこいつのことを気に入っている。だからいいんだ」
そういきり立つユーシチローを華麗にスルーしながら、カッツェはそもそもの疑問を金髪縦ロールに投げかけた。
「ところで、おねーさんの名前はなんていうの?」
するとなぜか金髪縦ロールは自慢げに自己紹介を始めたのだ。
「私の名前は『Gingold《ギンゴールド》』、一流の音楽家由来ですわよ。おーほっほっほ! こちらが私の資質よ!」
同時に銀ゴールドと名乗った金髪縦ロールの頭上に長文が表示される。
◇ギンゴールド・悪役令嬢気質「一流音楽家の一人娘として生を授かった私。私は両親の愛に包まれ、何不自由なく成長したの。でも、幸福は長くは続かなかった。そう、彼らの謀略によって。父をライバル視する音楽家たちが寄ってたかって父を落としめ、父は音楽の世界に居場所がなくなってしまった。そればかりも私たちが生活する場所も失われたわ。貧困を乗り越えた私は、私たちを貶めた音楽家たちに復讐を誓う。例えそれが醜くも力を持つ男の妻となり、この身を生贄とすることになろうとも。待っていなさい。お前たちに私が本当の『悪』を知らしめてあげるわ」という設定で、イエローゲートオンラインを楽しもうと思っている、中身は純粋な、と言っても年齢制限はクリアしている自称乙女でーす。こんな私のプレイにお付き合いくださり、一緒にアダルトな世界を乗り越えてくれる方をお待ちしてまーす。当然アダルトな世界だから、そちらの方も当然よ。あん、でも、そればかりじゃないから勘違いしないでね◇
……。
「ちなみに俺の気質はこれだ!」
と、ユーシチローも再び自慢げに己の気質を頭上に掲げた。
今度は3人組の方が無言になってしまう。
そのうち、3人は何やらごそごそと言葉を交わし始めた。
「何なのよこの2人」
「制限文字数を見事に使いきっておるな」
「長文うざいですね」
ミトは珍しく憐憫の表情を浮かべた。
「確かにギンゴールドという音楽家は実在するさ。でも、日本人がギンゴールドと耳にしたら、普通は銀さん・金さんを先に思い浮かべるだろうに」
スマッシュも顔をしかめている。
「考えに考え抜いた末に外してしまったのだろうな。ユーシチローの名前の由来も大概なものであったが」
カッツェもあきれたような顔をしている。
「それってキラキラネームを名付けてしまう経緯みたいなものかな?」
しかし当のギンゴールドは自らの資質に三人が感銘を受けたのだと見事に勘違いしたのか、出会った当初と同じように胸を張って慇懃無礼に三人に笑顔を向けた。
「皆さまの気質も、よろしければ公開していただけますか?」
彼女の要望に三人は同じように顔をしかめた。
「見て面白いもんじゃないよ」
「好きにしろ」
「シンプルイズベストだよ」
◇ミト・夢魔・気質「女王様」◇
◇スマッシュ・食人鬼・気質「ガチホモ」◇
◇カッツェ・猫娘・気質「貴腐人」◇
今度は銀ゴールドとユーシチローが目を点にする番だった。
今度は二人がごそごそと言葉を交わしだす。
「何なの? この3人のやる気のなさ?」
「な、そう思うだろ。俺も兄貴の気質を見て、最初はからかわれたと思ったぜ。しかし、よりによって3人ともこれだとは」
「女王様はともかく、ガチホモと貴腐人って、普通は自分から名乗るかしら」
「とにかく、危ない連中には間違いないんだ。今後は言葉使いには気をつけよう」
するとミトがいいこと思いついたとばかりにポンと手をついた。
「よし、これからあんたたちは『シチ』と『ぎんちゃん』だ。決まりだよ!」
スマッシュとカッツェもごく自然にミトのご機嫌を損ねないように同調している。
「うむ、わかりやすくてよいな」
「よろしくね、シチちゃん、ぎんちゃん!」
「や、ちょっと待ってくださいな。さすがにそれは……」
「それって略しすぎじゃねえの……」
しかし二人の抵抗はミトの一睨みであっけなく終了した。
「文句があるならここで聞いてあげるわよ」
「ございません……」
「ありません……」
「それじゃ解散だよ。ここの勘定は私が済ませておくから、お前らもどっかに遊びに行ってきな! 用事があるときは呼ぶからね」
「え?」
「え?」
いきなり突き放された二人を無視するかのように、スマッシュはカッツェに尋ねている。
「カッツェ、『鮪の赤身』はどう使えばいいのだろうか?」
「ちょっと待っててね、スマッシュさん!」
「お前らは研究熱心だねえ」
既に3人の世界に二人は存在していないようだ。
ギンゴールドとユーシチローは無言で連れ込み宿から外に出ると、互いに顔を見合わせた。
「私たち、これからどうなっちゃうんだろ?」
こうして、なし崩し的にユーシチローとギンゴールドは3人の知人となる。
この2人の今後に幸あれ。
「うむ、良い汗をかいた」
「私もスマッシュさんたちと姉さまたちのいい絵が描けたよ。ほら!」
「うんうん。いい表情で描けてるねえ。ところでカッツェ、すまないけど、ルームサービスの追加を頼んできてもらってもいいかい? その代わりパフェは好きなのを頼みな」
「わかった、行ってくる!」
「いつも馳走になってすまんな」
「いいんだよ」
余裕綽々の3人の姿に対し、全裸にされたユーシチローと金髪縦ロールは肩で息をしながら、ベッドの上とソファの上から無言で互いを見つめあうことしかできなかった。
メイドによってローテーブルにビール漢ジョッキ二千ゼルが2杯と、高級赤ワイン千ゼルのおかわりが2杯、スペシャルチョコレートパフェ三千ゼルが1杯並べられる。
先程のワインと合わせてお支払いは締めて一万一千ゼル。
ミトがユーシチローと金髪縦ロールにも酒を勧めてやる。
「ここで知り合ったのも何かの縁だし、そんな辛気臭い顔をしてないで、一杯やるとしようかね」
「うむ、良い汗をかいたしな」
「皆で自己紹介をしなきゃね。じゃ、かんぱーい」
あくまでもマイペースな3人に引きずられてしまった赤鬼と金髪縦ロールだが、酒で喉をうるおし、頭を冷やしたことにより、やっと正気を取り戻した。
「兄貴は強いな。尻を掘られるのは初めての経験だが、ゲームだからだろうか、それほど悪くはなかった」
ユーシチローの感想にスマッシュは満足げにうなずいた。
「リアルでも良いものだぞ」
「そこの金髪縦ロールちゃんも良い反応していたねえ。あんた、ゲーム内でのプレイヤーとのセックスは初めてじゃないだろ?」
ミトの辛辣な指摘に何故か赤鬼が顔を赤らめた。
するとカッツェが何かに気づいたようだ。
「あー。赤鬼さんと金髪縦ロールさんって『パートナー設定』をしているんだ。気が早いね!」
「何だいその『パートナー設定』ってのは?」
ミトの疑問にいつものようにカッツェが検索して見せていく。
◇パートナー設定とは、パーティをより強固にしたものです。ゲーム内時間で2人がいる時間が長ければ長いほど、互いのスキル効果にプラスのボーナスを発揮します。一方、パートナー設定解除後は、それぞれが一定時間スキル効果にマイナスのペナルティを負うこととなります◇
「こりゃまたベタな設定だねえ」
ミトがあきれたように眉をひそめると、金髪縦ロールが不思議そうな顔をした。
「でも、利用できるものはすべて利用するべきではないですか?」
「まあ、人それぞれだな」
スマッシュのぶっきらぼうな感想にユーシチローは少しむきになってしまう。
「俺はこいつのことを気に入っている。だからいいんだ」
そういきり立つユーシチローを華麗にスルーしながら、カッツェはそもそもの疑問を金髪縦ロールに投げかけた。
「ところで、おねーさんの名前はなんていうの?」
するとなぜか金髪縦ロールは自慢げに自己紹介を始めたのだ。
「私の名前は『Gingold《ギンゴールド》』、一流の音楽家由来ですわよ。おーほっほっほ! こちらが私の資質よ!」
同時に銀ゴールドと名乗った金髪縦ロールの頭上に長文が表示される。
◇ギンゴールド・悪役令嬢気質「一流音楽家の一人娘として生を授かった私。私は両親の愛に包まれ、何不自由なく成長したの。でも、幸福は長くは続かなかった。そう、彼らの謀略によって。父をライバル視する音楽家たちが寄ってたかって父を落としめ、父は音楽の世界に居場所がなくなってしまった。そればかりも私たちが生活する場所も失われたわ。貧困を乗り越えた私は、私たちを貶めた音楽家たちに復讐を誓う。例えそれが醜くも力を持つ男の妻となり、この身を生贄とすることになろうとも。待っていなさい。お前たちに私が本当の『悪』を知らしめてあげるわ」という設定で、イエローゲートオンラインを楽しもうと思っている、中身は純粋な、と言っても年齢制限はクリアしている自称乙女でーす。こんな私のプレイにお付き合いくださり、一緒にアダルトな世界を乗り越えてくれる方をお待ちしてまーす。当然アダルトな世界だから、そちらの方も当然よ。あん、でも、そればかりじゃないから勘違いしないでね◇
……。
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と、ユーシチローも再び自慢げに己の気質を頭上に掲げた。
今度は3人組の方が無言になってしまう。
そのうち、3人は何やらごそごそと言葉を交わし始めた。
「何なのよこの2人」
「制限文字数を見事に使いきっておるな」
「長文うざいですね」
ミトは珍しく憐憫の表情を浮かべた。
「確かにギンゴールドという音楽家は実在するさ。でも、日本人がギンゴールドと耳にしたら、普通は銀さん・金さんを先に思い浮かべるだろうに」
スマッシュも顔をしかめている。
「考えに考え抜いた末に外してしまったのだろうな。ユーシチローの名前の由来も大概なものであったが」
カッツェもあきれたような顔をしている。
「それってキラキラネームを名付けてしまう経緯みたいなものかな?」
しかし当のギンゴールドは自らの資質に三人が感銘を受けたのだと見事に勘違いしたのか、出会った当初と同じように胸を張って慇懃無礼に三人に笑顔を向けた。
「皆さまの気質も、よろしければ公開していただけますか?」
彼女の要望に三人は同じように顔をしかめた。
「見て面白いもんじゃないよ」
「好きにしろ」
「シンプルイズベストだよ」
◇ミト・夢魔・気質「女王様」◇
◇スマッシュ・食人鬼・気質「ガチホモ」◇
◇カッツェ・猫娘・気質「貴腐人」◇
今度は銀ゴールドとユーシチローが目を点にする番だった。
今度は二人がごそごそと言葉を交わしだす。
「何なの? この3人のやる気のなさ?」
「な、そう思うだろ。俺も兄貴の気質を見て、最初はからかわれたと思ったぜ。しかし、よりによって3人ともこれだとは」
「女王様はともかく、ガチホモと貴腐人って、普通は自分から名乗るかしら」
「とにかく、危ない連中には間違いないんだ。今後は言葉使いには気をつけよう」
するとミトがいいこと思いついたとばかりにポンと手をついた。
「よし、これからあんたたちは『シチ』と『ぎんちゃん』だ。決まりだよ!」
スマッシュとカッツェもごく自然にミトのご機嫌を損ねないように同調している。
「うむ、わかりやすくてよいな」
「よろしくね、シチちゃん、ぎんちゃん!」
「や、ちょっと待ってくださいな。さすがにそれは……」
「それって略しすぎじゃねえの……」
しかし二人の抵抗はミトの一睨みであっけなく終了した。
「文句があるならここで聞いてあげるわよ」
「ございません……」
「ありません……」
「それじゃ解散だよ。ここの勘定は私が済ませておくから、お前らもどっかに遊びに行ってきな! 用事があるときは呼ぶからね」
「え?」
「え?」
いきなり突き放された二人を無視するかのように、スマッシュはカッツェに尋ねている。
「カッツェ、『鮪の赤身』はどう使えばいいのだろうか?」
「ちょっと待っててね、スマッシュさん!」
「お前らは研究熱心だねえ」
既に3人の世界に二人は存在していないようだ。
ギンゴールドとユーシチローは無言で連れ込み宿から外に出ると、互いに顔を見合わせた。
「私たち、これからどうなっちゃうんだろ?」
こうして、なし崩し的にユーシチローとギンゴールドは3人の知人となる。
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