2 / 8
②
しおりを挟む「とりあえずこの部屋を好きに使えばいいよ」
自宅へ戻ると彼女の持つスーツケースを取り上げてガシャッと荷物を床に下ろした。
「そんな…別に私、部屋なんてなくても大丈夫ですよ」
「いいんだよ、普段居間と寝室しか使わないから。ここは物置きみたいになってるだけだし」
「そうですか?じゃあ荷物だけここに置かせてもらいます」
「ん、そうしな。寝る時はどうする?布団こっちに用意しようか?」
「んー寝る時ですか…一条さんと一緒に寝ようかな?」
「え、マジ?」
「私と寝るの嫌ですか?一人の方が寝れます?」
「いやいや!全然そんな事はないけど…」
「じゃあ決定ですね」
彼女は不敵な笑みを浮かべる。
「うん…まぁいいけど」
それから僕達は居間に移動し一息ついた。いつもなら帰宅すると、すぐにスーツを脱いで風呂に入るまでの間、ぱんいちで家中を徘徊しているのだが、18歳の女の子の前ではそういうわけにもいかなかった。
お茶を入れて、僕がスーツ姿のまま腰を下ろすと彼女は不思議そうな顔で言った。
「一条さん、着替えなくていいんですか?」
「え?あー、うん。後で着替える…かな?」
「ほんと気を遣わないでいつも通りの感じでいてくださいね」
「うーん。そうだな…じゃあ着替えてくる」
「私も着替えます」
僕は寝室で部屋着に着替え、彼女は先程の物置き部屋で着替えを済ませた。彼女は短パンにトレーナー姿で居間に戻って来た。
「ふぅ、やっぱこの方が楽です」と彼女が居間に現れると、先に戻っていた僕は彼女の脚に目が行った。
(マジで綺麗な脚だな…うー、あの白い太ももに挟まれたい…)
麦茶をすすりながら彼女の脚を見ていると、彼女は僕の視線の先を目で追って、にやつきながら「一条さんのえっち」と笑った。
「ち、違うわい!何でそうなるんだよ」
「嘘。今絶対えっちな事考えてた」
「はぁ?そんな事考えてないし!つかガキに興味無いって」
動揺を隠しながら麦茶が入ったグラスを口につけた。
「ふーん、ガキに興味無い…か。へぇー」
そう言って立ったまま僕を見下ろす彼女は、足を僕の股間に近付けた。そしてグリグリと僕の性器を足で撫で回した。当然、僕は即勃起した。
「ちょっ!?おいっ!」
「別にガキに興味無いんですよね?これはただのマッサージですよ」
「バカ!そんなマッサージねぇから」
「でもすごい硬くなってますよ。効果あるんじゃないですか?」
「んなもん無いわ!」
「じゃあ何で全然抵抗しないんですか?」
「っ…!?」
僕が黙ると彼女は満足そうに微笑んだ。
「さっき私の脚を見てどんなえっちな事考えてたんですか?」
「そんな事いちいち言わせるなよ」
「いいから」
そう言って彼女は再び性器を足でグリグリする。
「…挟まれたい…なぁ。って」
「一条さん脚フェチなんですか?」
「どうだろ?でも胸とか尻よりは好き…かな?」
「エロ親父みたい」
「何でだよ、まだ28だから親父じゃねぇよ。せめてエロ兄さんって言って」
「ふふっ、じゃあエロ兄さん」
「なんだよ」
彼女は足で性器を踏むのを止め、僕に近付いた。
「私、一条さんなら良いですよ。好きなだけ触って下さい」
彼女は座っている僕の眼前まで近付いて言った。目の前には彼女の白い太ももが迫っている。
「いや、いいって…」
「照れ屋さんですねぇ。…えいっ」
彼女は上から僕の頭を両手で掴んで自ら太ももへと僕の顔を引き込んだ。丁度鼻が太ももの割れ目に食い込む形になり、両頬は彼女の太ももに押し込まれた。彼女の太ももは柔らかく、スベスベでたまらなかった。それに女性特有の良い香りがした。
「一条さん、髭がチクチクする…」
「え?今朝剃ったけどな」
「くすぐったい」
「じゃあこれでどうだ」
そう言って僕は太ももに顎を当て、グリグリとこすった。
「ちょ!?んんー…そっちはジョリジョリするぅ」
それから僕達はしばらくじゃれ合った。彼女は昨日に比べると、だいぶ打ち解けてきたみたいで心なしか笑顔が増えた気がする。
(なにわともあれ、良かった)
僕はくすぐったいとケラケラ笑う彼女を見て微笑んだ。
「ねぇ、今って学校とかどうしてるの?」
「学校?学校は行ってますよ」
「家出中なのに?」
「はい、家出中なのに」
「はは!それじゃ家出じゃねぇじゃん」と僕は笑った。
「ちなみにバイトも行ってますよ?」
「ええ!?その、親父さん?連れ戻しに来ないの?」
「ああ~…そうですね。別に家出するのは今回が初めてじゃないから。それにあの人にとって娘が家出しようがどうしようがどうでもいいんですよ」
「何で?前から仲悪いの?」
「そんなに悪くはないですけど…ほら、うちには弟もいるし。今回は進路の話で喧嘩になったから下手に連れ戻して説教するより、自分から戻るのを待って私が折れて就職するって言わしたいのかも」
「なるほどね。で、どうなの?進路は」
「進路?もちろん専門学校に行きますよ。美容の」
「そっか。だけどそうしたいなら尚更親父さんと話し合った方が良くない?ほら、学費の事とかもあるしさ」
「それは大丈夫です。おばあちゃんが出してくれる事になってるから。お父さんとは縁を切ってるからあれだけど…」
「なるほど。瑠花ちゃんには後ろ楯があるんだ」
「そ、おばあちゃんは投資とかもしててお金持ちなんです。だから私は高校卒業すれば実家を出て一人暮らしするんです。それもおばあちゃんがお金出してくれるんだけど」
「へぇ、それは良かったじゃん。卒業って三月でしょ?それなら後半年もないもんな」
「はい、だから年明けからおばあちゃんと物件を探しに行くんです。ほら、私まだ未成年だから」
「そっかそっか、忙しくなるね」
僕は気にはなったが母親の話には触れなかった。この感じだと恐らく彼女の両親は離婚している。
「一条さんはどんな進路だったんですか?」
「うーん…別に普通だよ。校則破って瑠花ちゃんみたいにバイトして、18になるとすぐに運転免許取って…親の車乗り回してとにかく遊んでたなぁ。でも僕は瑠花ちゃんみたいにやりたい事が無かったから大学に進学したよ」
「やりたい事が無いからとりあえず大学に行くって、一条さん頭良いんですね」
「いや全然。Fラン大学って分かるかな?要するに頭が良い人が行く有名大学じゃなくて有象無象が行くマイナーな大学。大学名を言っても、どこそれ?ってなる大学だよ」
「Fランがどうこうって話してる友達がいました。そんなに違うんですか?」
「全然違うよ。まぁこの差は就活の時期になるとものすごく顕著に現れる」
「へぇ。だけど就職できたから良かったじゃないですか」
「まぁそうだけど、ただ就職できても条件が全然違ったりするんだ」
「でも私は一条さんの仕事好きですよ」
「え、どんな仕事してるかまだ言ってないよね?何で?」
「スーツ姿が格好良かった。昨日雨の中傘持って来てくれた時、キュンとしました」
「それは仕事が格好良いというよりもスーツが格好良いだけじゃないかな。しかも昨日って雨も降ってて夜だったからそこまではっきり顔分かんないじゃん!」と僕は大笑いした。
「たしかにそうですね。外灯が逆光になって全然顔分かんなかったし」
「何だよそれ、うぜぇ」
「ふふっ、冗談ですよ。一条さんすっごい優しいし大好きです」
「…………」
彼女の屈託のない笑顔を見て僕はドキドキした。これは多分彼女が美少女だから余計にそう感じたのだと思う。
(大好き…かぁ。こんな事しばらく言われてないな)
慣れない事を言われた照れもあって僕は黙った。すると彼女は綺麗にカールされたまつげをパチパチとさせながらその大きな瞳で僕の顔を覗き込んだ。
「あっ、もしかして一条さん…照れてます?」
「は?照れてねーし」
「それは絶対嘘。顔に出てる」
「…………」
「ちょー可愛いんですけど」と彼女は笑う。続けて「でもここは可愛いくないです」と僕の股間に手を当てた。
「っ…!?おい!」
せっかく収まっていたのに彼女のせいで僕の性器は再び勃起し始めた。
「あっ…ちょっと硬くなってきた」
彼女は何度も性器を撫でた。
「てか何でここは可愛いくないの?」
僕は股間に伸びる彼女の手を防ぎながら聞いた。
「だっておっきいし」
「おっきい?そうかな」
「すごく太いです…」
そしてまた昨日と同様に彼女の撫でるような手コキが始まった。今度はズボンの上からではなく、いきなりパンツに手を入れられた。
「一条さんは元気ですね。敏感というか」
「何が?」
「おちんちんが」
彼女はそう言いながら僕の下半身の衣服を全て脱がした。そして露になる僕の仮性包茎の亀頭の包皮をぶりっと剥いて赤黒い亀頭を剥き出しにした。
「今日は少し臭いますねぇ」そう言って見せつけるように僕の性器を上下にゆっくり、かつ力強くしごき始める。
「会社から帰ってまだ風呂入ってないし。先入って来ようか?」
「ううん、私この臭い好き。臭いけど癖になるから。それに何だかボーッとして気持ちが良くなるんです」
「そうなの?変わってるんだな」
「そうですか?友達でもおちんちんの臭い好きな子結構いますよ。嫌いって言ってる子も多いけど……てかこんな状態で我慢して先お風呂入れるんですかぁ?」
「んー、無理だな!」と僕は笑った。
「でしょ?今日も気持ち良い事してあげますからね」
彼女はそう言うと性器に顔を近付けて、亀頭をペロペロと舐め始めた。溢れ出た我慢汁を丁寧に舐め取り、それから小さな口を必死に開いて僕の性器を咥えた。
(昨日は布団の中でしてもらったから見えなかったけど…美少女に咥えられると余計興奮するな)
彼女のフェラ顔を見て僕の性器は一層硬くなった。それに彼女も反応し「んんっ…!」と声を漏らす。
「じゅぼっ…じゅぽ…んんっ…はぁ…んっ」
「あぁ…瑠花ちゃん…すごく良い」
「ふふっ…良かったぁ…んっ…ちゅっ…ん」
座って前屈みになりながらフェラをする彼女のパーカーの首元からはブルーのブラが見えた。昨日から一方的にやられているから今度はこっちも仕掛ける。僕はまずパーカーの上から彼女の胸を両手で揉んだ。
「んんっ……!?もぉ…一条さんえっちなんだから」
「瑠花ちゃんにフェラされてたら興奮しちゃって…ダメかな?」
「ううん、一条さんなら大丈夫…」
「ありがと…それじゃ」
僕は彼女の胸を何度も揉んだ。彼女は時々反応しながらもフェラを続ける。そして僕はパーカーの中に腕を伸ばし、彼女のブラの隙間から直に胸を触った。乳首を探り当てるとすでにビンビンに勃起していた。
「瑠花ちゃん…乳首立ってる」
「恥ずかしいからそういう事言わないでもらえますか…?」
「嫌だね」
そう言って僕は彼女の上に覆い被さるように移動し、パーカーをバサッとまくり上げた。まず彼女の白い肌のお腹が出て、そこからまた少しまくり上げるとブルーのブラとそこからはみ出た乳首が見えた。まだ若いからか彼女の乳首は綺麗な桃色だった。
「やぁん…恥ずかしい…」
「すごく綺麗な乳首…若いからかな?」
「知らないっ。やだ、あんまり見ないでください…」
「そう言われると見たくなっちゃうなぁ。それに味もみたいな」
「ちょっとっ…!?やぁ…だ。んっ、味なんて…ないってっ…!あん……あっ」
僕は彼女の乳首を舐めた。彼女の乳首は僕の舌が触れて前後に往復する度に硬くなった。
「瑠花ちゃんもかなり敏感な方だと思うけど」
「私は…別に…普通で…すっ…!はぁっ…んっ」
「昨日は一方的にされちゃったからね。今日は僕も楽しませてもらうよ」
そして彼女の短パンを脱がした。彼女の白く美しい女体が、ブルーのパンティを際立たせる。
「すっげ…身体ちょー綺麗じゃん。エロいね」
「もぉっ…そんなに見ないで下さい…」
「見られると興奮するタイプ?」
彼女のパンティの上に指を当て、割れ目にそって人差し指を走らせる。指に伝わるパンティの湿り具合は彼女が濡れているのを教えてくれた。
「ねぇ瑠花ちゃん?むちゃくちゃ濡れてるけど…まだなぞっただけだよ?」
「もうっ…!そんな事言わないで下さい…そんなんじゃ女の子にモテませんよ…?」
「別にモテなくてもいいさ。たまにこうやって可愛い子にスッキリさせてもらえれば満足だよ」
「あっ!その言い方は…さては一条さん、風俗行くタイプの人ですね?」
「たまの御褒美にね。それに風俗は高いから」
「ならもう行っちゃだめですよぉ。これからはいつでも私が気持ち良くしてあげますから」
そう言うと彼女は身体を起こして、再び僕の上に覆い被さるように抱き付いた。そして頭を下半身の方に下げて性器をペロペロと舐めた。
「ちょっと待ってよ」
「はい…?」
彼女が一瞬舐めるのをやめた隙をついて、僕は身体を起こして強引に体勢を変えた。
「きゃっ…!?」
彼女は体重は見た目以上に軽く、簡単に身体の向きを変えられた。僕は彼女の股に顔を埋め、無理矢理69の体勢に変えた。僕は鼻を彼女のパンティの上から陰部にこするように当てた。
「ちょ、ちょちょ!一条さん!そこはだめぇ…!」
「なんで?瑠花ちゃんもさんざん舐めてたじゃん。しかも臭いとかなんとか言われたし」
「それとこれとは話がっ…ちがぁう…ああんっ!」
彼女が話している途中だけど僕はパンティの隙間から膣に向かって舌を入れた。すでに彼女の愛液が膣から溢れんばかりに出ており、どんどん僕の口に少ししょっぱい愛液が垂れ込んだ。
「んん~…少し塩気がするな…それにメスの臭いもする」
「やぁあ!ほんとに無理っ!やめてくださいっ!!」
「やだねっ」
僕は顔を彼女の愛液でべちょべちょに濡らしながら、舌先で何度も彼女の膣をしゃぶった。
「んんっ…!ほんとっ…無理…!!あんっ…あっ」
僕は仰向けになりながら彼女の膣をしゃぶり、彼女は僕とは反対の方に頭を向けながら性器を握ったまま声を漏らしている。
「どうした?お口が留守になってるね」
「はぁんっ、もう!…ああんっ…んん」
そう言って僕達は69のまましばらく互いに愛撫し合った。とはいっても彼女は性器を咥えたまま喘ぎ、吐息を漏らしていただけだったが。
「あ…!あん…あっ…一条…さん!…イクッ…」
「ええ!?もうイッちゃうの?」
そう言いながらも僕は一層舌の動きを速める。
「ああ…!もう無理っ…!イクイクッ…あああっ!!」
ビクビクッと彼女の下半身が僕の顔の上で震えた。
「はぁ…はぁ…一条さんの意地悪っ…!もう嫌いになりそう…」
「僕は瑠花ちゃん嫌いじゃないけどね。なんせ可愛いし…特にエロいのが良い」
「エロいって…それは余計です。別に普通ですから」
「普通のJKはこんなに濡れてないし、そんなにペロペロちんこも舐めないよ」
「あっ…またそういう事言うんですね?それなら…!」
彼女は絶頂を迎え、僕の舌が動いていない事をいいことに、再びギンギンに反り立つ僕の性器を咥えた。そして亀頭に溜まる我慢汁を潤滑剤代わりにし、激しくスピーディーなフェラを始めた。
「じゅぼ!じゅぼ!じゅほぼっ…!んん…我慢汁すごい…」
「あぁ…すげー気持ち良い。もっと続けて…」
「ふふっ…じゅぼっ…!はぁ…んっ…じゅじゅっ…」
彼女は丁寧な手コキも加え、性器を覆う包皮の裏側まで何度も舌を這わせた。
「あーもう出そう…良いかな?」
「じゅっ…ちゅぽっ…!んー?…まだだめですよぉ…」
そう答えると彼女は性器を咥え直し、先程よりも力強く手コキをし、さらに激しく顔を上下にピストンした。ただでさえイキそうなのにそんな事をされてしまっては僕の我慢は限界を迎えた。
「あっ…、ちょい待ち!そんな事したら…っ!!」
丁度彼女が顔を下げて、性器を深く咥えたタイミングで僕は射精した。僕は日頃の自慰行為の射精で精液がかなり飛び出る時と、そうではない時があるのだが、今回は精液が飛び出る時のその感覚があった。
「んっ…んんっ!?…ごぼっ!けほっ…!……」
彼女の口内で勢い良く飛び出た精液は彼女の喉に直撃したようだった。彼女はむせながらも、僕の性器が脈打つのが止まるまで咥えるのをやめずに精液を出し切るまでそのまま口で受け止めてくれた。
彼女は嬉しそうに、にこっと口元を緩めながらも目だけは僕を睨んだまま精液を飲み込んだ。
「まだダメって言いましたけど…?」
「いやいや…あのタイミングであんな事されちゃ我慢出来るものも出来ないよ」
「あんな事ってどんな事です?」彼女はいたずらっぽく聞いた。
「こんな事だよ」と僕は笑いながら彼女の真似をし、変顔で高速で手コキしながらフェラをする格好をした。
「ちょっと…!そんな変な顔してませんからっ!」
「ははっ!冗談だよ。瑠花ちゃんはもっと可愛い」
「へへっ、一条さんに言われると嬉しい…」
そして僕達は唇を重ねた。
(あぁ…またヤり損なったな…次こそはヤろう…)
すると、唇を離した彼女は僕の考えている事を女の勘で感じ取ったのか「エッチはしないんですかぁ?」といたずらに笑う。
「えっ…、ああ。今日は別に…大丈夫」
彼女は僕の股間に目を向けた。
「あ、そっか。男の人は女の子と違って、一回出しちゃうとスッキリしちゃうんですよね」
「まぁそうだな。別にヤろうと思えば出来るだろうけど…だけど今日は疲れてるし、もういいかな」
彼女がしばらく僕と生活する事は確定している。だから僕には眼前の挿入チャンスを見送る余裕があった。それに気分的にも二発目の挿入よりもやはりコンディションの整っている一発目に挿入したいではないか。
「なーんだ。残念」
彼女はそう言いながら部屋着を着直した。
「瑠花ちゃんも復活させたヘロヘロちんこより、一発目のギンギンの方がいいんじゃない?」
「馬鹿、何言ってるんですか」
「そういう話好きなくせに」
彼女は僕に冷たい視線を向け、物置小屋に帰って行った。多分汚れた下着を取り替えたのだろう。彼女は数分で僕のいる居間に戻って来た。
「いや、戻って来るんかい!」
「はい?」
「何でも…ないです」
「変な人」
彼女は僕の隣に腰を下ろした。
「先お風呂入ったら?お湯ためる?」
「あ…そうですね。でも一条さんから先に入って下さい、お疲れでしょうし」
「今日は瑠花ちゃんから入りな。ちょっと持ち帰りの仕事片付けるから」
僕がノートパソコンを取り出して電源を入れると彼女は「じゃあ、お先に」と給湯器の湯沸かしスイッチを押しに行った。彼女はそのまま洗面所に向かったようで、湯沸かしの通知音がなると同時に風呂場の扉の開く音がした。
しばらくパソコン画面に目を向けていたが、この日はいつも以上に集中出来なかった。無理もない。自分より10歳も年下の、それも現役の女子高生が自分の家で入浴しているのだ。さっき裸を見たとこだけどそれを考えれば興奮した。
僕はいたずらをしたくなった。昔、親父によくされたやつ。鍋に水を汲んで洗面所に向かった。音とシルエットからして彼女は今、こちらに背を向けシャワーを浴びている。それに浴室のドアのロックは掛かっていなかった。
僕はニヤニヤしながら勢い良く浴室の扉を開けた。
バンッ!!と音と同時に彼女は悲鳴を上げた。
「きゃあっっ……!!?」
そして僕は鍋に汲んだ水を彼女の背中に吹っ掛けた。
「ひょ~っ」
「ひぃぃい!!冷たっ……!!何してんですか!」
「ははは!」
「一条さん嫌いっ!!」と彼女は叫びながらドアを閉めた。僕は腹を抱えながら笑った。
居間に戻り、煙草を吹かしていると彼女は風呂から戻って来た。何事も無かったかのように「おー」と手を上げると、彼女は半笑いで「スケベ」とだけ言って寝室へ行ってしまった。
「おい、もう寝んのか~?」と僕が聞くと「明日も学校があるので」と寝室から返事が来た。
(ああそっか、家出してても学校とバイトは行ってるって言ってたな…改めて変な奴だな)
そして僕も卓上を片付けて風呂に入った。彼女からの仕返しを警戒したが、本当に寝てしまったようで何事も無く風呂を出れた。
(あ、そういえば晩飯食ってないじゃん。あ~彼女とチョメってたから忘れてた…あいつ寝るって言ってたけど腹減ってねーのかな?)
寝室を覗くと彼女は寝ていた。そっと声を掛けたが返事は無かった。冷蔵庫をあさったが、さっと食べれそうなものは見当たらず、仕方なくカップラーメンを一つ平らげてから寝た。
翌日、目を覚ますと隣に彼女は居なかった。物置部屋を覗いたが、そこには彼女が持って来たスーツケースとバッグが置いてあるだけで彼女は居なかった。
(早いな、もう学校に行ったのか…てかあの娘どこの高校なんだろ?)
まぁ、彼女が帰って来たら聞いてみようと居間に向かった。
台所からは良い匂いがした。ついさっき何か作っていた匂いだ。
(あいつ…ちゃっかり朝ごはん食べて行きやがった)と僕はにやける。そして机の上にあるモノに目がいった。
そこには弁当箱と彼女のメモ書きがあった。
(お弁当作ったので良かったらぜひ。お弁当箱は家から持参しました。今日はバイトがあるので21時ぐらいに帰ります)
僕は三度そのメモを読み返した。胸のキュンキュンが収まらない。だが、弁当箱を開けて見ると度肝を抜かれた。そこには面積の半分以上を占めるパンパンの白米に梅干しが乗った日の丸に、隅っこに生姜焼きや玉子焼きなどのオカズが身を寄せあっていた。
「いやマジか!!さつきの弁当じゃん!」僕は某有名アニメのワンシーンを思い出しながら吹き出した。
でもやはり彼女の心遣いにはときめいたし、感謝した。独身の一人暮らしに手作りの食事は身に染みる。
僕はスーツに着替え、忘れないように彼女の手作り弁当を鞄に入れた。
「よし、なるべく早く帰れるよう頑張ろう。色々話したいしな」と普段言わない独り言を言って玄関を出た。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる