39 / 48
2章
34 ここはおうち?
しおりを挟む
家に入り、ベットでくつろいでる野郎どもを物理的に押しのけて櫻を寝かせた。
オレはスキルを一つとった。
このたった一つで100万ポイントだ。
「スキル【スキル選択消去】発動。対象【井戸 櫻】スキル名【同族喰らい】」
完了した。【鑑定】で見ても櫻からそのスキルが消えていた。
【同族喰らい】は罪系スキルだ。
オレが認識して初めて一覧に出た。
このスキルは同族を食らうと強制的に取得してしまう。このスキルを持った者は同族を食らううちに同族でしか空腹を満たせなくなり、そのうちに同族でも腹を満たすことが出来なくなる。結果として、最終的に進行すると永遠に続く空腹の苦しみがスキル所持者を襲う。その内、理性を失い畜生以下に成り下がるらしい。
櫻は既に同族でも空腹を満たせなくなる数歩手前だった。だから、使い捨てのスキルを使った。膨大なポイントを使った使い捨てスキル。【スキル選択消去】は半径1メートル圏内にいる対象のスキルを一つだけ選んで消去できる。
「井戸、これはどういう状態だ?」
川本に聞かれたからかいつまんで話した。
「【同族喰らい】か。こんなスキル悪意しかないじゃないか。」
「見方によっちゃあ、そうだ。」
オレも一応同意だ。これはある意味ダンジョンに潜れという暗示でもある。なぜそこまでする。信じられない。
オレは眠っている内に櫻の服を脱がせ、魔法で身体などを丁寧に洗った。
勿論部外者は出て行ってもらっている。肌荒れや傷などはポーションを使って強制的に治した。ついでに櫻の着ていた服などを【修復】のスキルで新品同様に修復した。起きたらびっくりするだろう。服は起きる前に着せておいた。やはり、裸の櫻は服を着ていたときよりも痩せた印象だった。肋骨は浮き出てしまっているし、全体的に骨っぽい。
しばらくはこのままの方がいいだろう。外にいる連中にはしばらく利用しないようにお願いした。ポーション類を幾つか融通したら二つ返事で了承された。一応、玄関の外にも“しばらくの間緊急時以外利用禁止”と書いた張り紙を残す。
帰ってきて初めての御飯が栄養のある木の実じゃ虚しいのでホムンクルス4型に櫻を任せてホームセンターに“転移”のスクロールでとんだ。24時間営業らしく、この時間でもやっていて、食品を売っているところで肉や野菜、米、麦、漬物、調味料などを購入して、“転移”のスクロールで家に戻った。
鍋などは既にあるのでそれを使って調理する。麦を水に入れ、塩を少しまぶして煮て麦粥を作った。オレも丁度栄養のある木の実ばかりで胃腸が弱っていたから丁度いい。後は食べるときに温めれば完成だ。少しだけ梅干を刻んで入れてもおいしいだろう。
そうこうしている内に櫻が起きたようだ。気配がした。改めて火を入れ、梅干を刻んだ。器とスプーンを用意する。器に盛りつけて櫻のところに持って行った。
「お兄ちゃん。ここはおうち?」
「そうだよ。もう困ることなんてないさ。ここで一緒に暮らそうね。」
「ゆえちゃんは?」
九条さんの娘で櫻と同い年の女の子だ。あの子もあのスキルを持っていた。
「ゆえちゃんは遠くに行くことになったんだ。」
「えぇーなんでぇ?」
どうこたえようか。
「やっちゃいけに事をしちゃったんだ。とってもとってもいけないこと。生物として特にやっちゃいけに事をやったから遠くに行かなくちゃいけなくなったんだ。」
「さくらも行く!」
「櫻。櫻も本来はそこに行かなくちゃいけなかったんだ。でも、そこはとってもとっても辛いんだ。だから、お兄ちゃんがとんでもない代償を払って櫻だけでも助けたんだよ。」
「代償?」
オレはどうこたえようか悩んで「今は知らなくていい。」とだけ答えた。
櫻はそれ以上追及してこなかった。
黙々と麦粥を食べて外に出た。ホムンクルスはしまった。久しぶりの栄養のある木の実以外の食べ物は酷く胃に溜まった。
オレはスキルを一つとった。
このたった一つで100万ポイントだ。
「スキル【スキル選択消去】発動。対象【井戸 櫻】スキル名【同族喰らい】」
完了した。【鑑定】で見ても櫻からそのスキルが消えていた。
【同族喰らい】は罪系スキルだ。
オレが認識して初めて一覧に出た。
このスキルは同族を食らうと強制的に取得してしまう。このスキルを持った者は同族を食らううちに同族でしか空腹を満たせなくなり、そのうちに同族でも腹を満たすことが出来なくなる。結果として、最終的に進行すると永遠に続く空腹の苦しみがスキル所持者を襲う。その内、理性を失い畜生以下に成り下がるらしい。
櫻は既に同族でも空腹を満たせなくなる数歩手前だった。だから、使い捨てのスキルを使った。膨大なポイントを使った使い捨てスキル。【スキル選択消去】は半径1メートル圏内にいる対象のスキルを一つだけ選んで消去できる。
「井戸、これはどういう状態だ?」
川本に聞かれたからかいつまんで話した。
「【同族喰らい】か。こんなスキル悪意しかないじゃないか。」
「見方によっちゃあ、そうだ。」
オレも一応同意だ。これはある意味ダンジョンに潜れという暗示でもある。なぜそこまでする。信じられない。
オレは眠っている内に櫻の服を脱がせ、魔法で身体などを丁寧に洗った。
勿論部外者は出て行ってもらっている。肌荒れや傷などはポーションを使って強制的に治した。ついでに櫻の着ていた服などを【修復】のスキルで新品同様に修復した。起きたらびっくりするだろう。服は起きる前に着せておいた。やはり、裸の櫻は服を着ていたときよりも痩せた印象だった。肋骨は浮き出てしまっているし、全体的に骨っぽい。
しばらくはこのままの方がいいだろう。外にいる連中にはしばらく利用しないようにお願いした。ポーション類を幾つか融通したら二つ返事で了承された。一応、玄関の外にも“しばらくの間緊急時以外利用禁止”と書いた張り紙を残す。
帰ってきて初めての御飯が栄養のある木の実じゃ虚しいのでホムンクルス4型に櫻を任せてホームセンターに“転移”のスクロールでとんだ。24時間営業らしく、この時間でもやっていて、食品を売っているところで肉や野菜、米、麦、漬物、調味料などを購入して、“転移”のスクロールで家に戻った。
鍋などは既にあるのでそれを使って調理する。麦を水に入れ、塩を少しまぶして煮て麦粥を作った。オレも丁度栄養のある木の実ばかりで胃腸が弱っていたから丁度いい。後は食べるときに温めれば完成だ。少しだけ梅干を刻んで入れてもおいしいだろう。
そうこうしている内に櫻が起きたようだ。気配がした。改めて火を入れ、梅干を刻んだ。器とスプーンを用意する。器に盛りつけて櫻のところに持って行った。
「お兄ちゃん。ここはおうち?」
「そうだよ。もう困ることなんてないさ。ここで一緒に暮らそうね。」
「ゆえちゃんは?」
九条さんの娘で櫻と同い年の女の子だ。あの子もあのスキルを持っていた。
「ゆえちゃんは遠くに行くことになったんだ。」
「えぇーなんでぇ?」
どうこたえようか。
「やっちゃいけに事をしちゃったんだ。とってもとってもいけないこと。生物として特にやっちゃいけに事をやったから遠くに行かなくちゃいけなくなったんだ。」
「さくらも行く!」
「櫻。櫻も本来はそこに行かなくちゃいけなかったんだ。でも、そこはとってもとっても辛いんだ。だから、お兄ちゃんがとんでもない代償を払って櫻だけでも助けたんだよ。」
「代償?」
オレはどうこたえようか悩んで「今は知らなくていい。」とだけ答えた。
櫻はそれ以上追及してこなかった。
黙々と麦粥を食べて外に出た。ホムンクルスはしまった。久しぶりの栄養のある木の実以外の食べ物は酷く胃に溜まった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
6
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる