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1章

閑話 妖伝3 しずく

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 私はいつものように裏道で客引きをして、本日の客たちのところで寝ていた。

 こんな体になってからもう一か月ほどになる。

 天井の木目を数え、連日連夜の肉欲におぼれた日々に快感と心地よさを覚えてきている自分に嫌気がさす。

 もうすぐ六月だ。

 家族は元気にしているだろうか。

 今の私には会わせる顔がない。

 私は見知らぬ男たちに抱かれ、毎夜を過ごしている。彼らにとっても金銭を要求しない私たちは便利なものであろうし、私たちからしても彼らの存在。

 その命が遠回しに物種ものだねだ。

 数日に一回、集団レイプ並みのスポーツ集団との乱交が必ずあり、どこのアダルトDVDなんだとでも言いたくなるようなプレイばっかりをしてきた。

 あれこそファンタジーくうそうであって、あれに快楽を覚える女性は少ない。【娼婦】のスキルのおかげで多少は快楽を覚えるが、最後には年上として「そのプレイは女の子に嫌われるよ。」と戒めている。

 そうはいっても一晩で10何ポイントも手に入ることなんて本来なら稀なので私としては有難かったりする。それに彼らはまだ大人になりかけだからあれが比較的小さくて、少しは楽だ。

 慣れてくればかわいらしくも思える。

 そういう少年たちとやる場所はたいてい一軒家だ。そこはその少年たちに関係する誰かの家で、まともに手入れされていないのは確かだ。

 私が呼ばれるときは大抵運ばれてくる娘がいる。

 あの室外機に上に置かれた娘だ。聞いた話によると少年たちの同級生だったらしい。やった後は栄養のある木の実を食べさせているらしい。自分の身も精一杯の中でよくやっていると思う。

 少年たちは少年たちで、このままでは自分の尻を掘られかねんと危惧してこのような乱交を定期的に行っているらしい。身を寄せ合っているのはいいが、そちらの危機があるとは思いもよらなかった。

 私は同性とやるのに抵抗はないが……。そういう人もいるだろう。

 ここ最近は水道も止まっており、私は【水】のスペルを必要に迫られて取った。彼らのおかげで余裕ができたのだ。2日おきにやっているのでかなり溜まった。傷が塞がってしまい【再生】のスキルを多少上げた程度では意味もないので少しだけ持て余していた。

「しずくおねえちゃん。起きてる?びゅっ、びゅっ、楽しかったね!」

 彼女はそう言って再び寝た。彼女の名前は“あずま ももえ“と聞いた。

 天井のシミを数えて数時間。朝陽が顔を出していた。

 彼女から話しかけてくるのはいつものことだった。少年たちは皆かわいい顔して寝ていた。誰かと一緒になると大抵の女は女同士で口を利かない。それが【娼婦】間における暗黙の了解だった。だが、彼女は違った。

 そもそも壊れているのだからそれは関係ないか。

 私のように深く考える事はせず、スキルによって増幅された快感を楽しみ、四肢がなくなったとて生きていた。昨日どれだけ激しいプレイだったとしてもだ。

 彼女は笑顔で腰を振り、下で2本。口で1本の相手をしていた。なにも持たない者は最強だった。まさに、王に勝るは奴隷ということなのだろうか。

 私はそこまで落ちることはできていないようだ。いっそ、そこまで落ちてしまえば楽なのだろう。そのことに落胆すればいいのか、歓喜すればいいのか今の自分にはわからない。

 今気が付いたが私はつながったまま寝ていたらしい。秘口にはかわいらしいものが刺さったままだった。小さくなっていたので身じろぎするだけで抜けた。

 全身精液でべたべただ。この匂いにも慣れた。もうかぴかぴにすらなっている。朝にはもう一戦くらいありそうだ。ここで少年たちと少し離れればポイントをさらに得られることになる。

 私は這うようにして部屋を離れた。【収納空間】から水の入ったペットボトルを取り出して一口飲んだ。片腕になると開けるのも一苦労で、左足の膝裏に挟んで右手で開けた。

 胡坐をかくようにしていたのであそこから精液が垂れてくるのがわかる。私はこの家の風呂場に行って湯船に魔法で水をためた。余ったポイントは何回かMPにも振っていた。

「【水】【大きく】【大きく】【合成】【火】魔法名“湯船の温水”【干渉】【水】【操作】」

 私はそもそも一糸纏わぬ状態だったのでそのまま湯船に入った。水をコントロールして入ったまま頭ごと洗う。ギリギリまで深くつかる。そうしないとコントロールの範囲に届かない。

 あれの中に指を入れて少し強めに洗った。少し自慰になってしまったのは仕方のないことだ。

 【娼婦】のスキルを取ってから生理の周期がかわったみたいで既にきていなければおかしい日数なのに来ていない。

 避妊はしているから、娼婦として毎日体を売れるようにと言う配慮だろうか。仕組みがわからない。

 多分、避妊で1ポイント消費するときに子宮や膣の中身そのものを空にしているのだと思う。

 水に濡れた精液はドロッとした粘りを持つようになる。少し厄介だが丁寧に流した。もう慣れてしまった。

 この人数でやると全身精液まみれになるのだ。何日か前には中学換算で2クラス分を一度に相手して死にかけた。

 中途半端に取得した【再生】のおかげで生き残った。なぜかそのスキルのせいで毎回処女膜が再生することとなり、行為毎に破瓜の痛みを被ることになるとは思いもよらなかった。それもやがて快感へと変わった。

 それが悪いことでもなく、そのスキルのおかげで性器が変形することもないし、乳首や陰核が肥大化することもなかった。娼婦の中にはそういうプレイをしたために漫画みたいな状態になってしまった人もいて複雑な心境だった。

 小・中学生が下着越しに見えるほどの大きさの陰核を……。

 軽くトラウマになりかけた。そういえば彼女はまだまともな大きさだった。彼女の場合ほぼ付け根から四肢がないから何度かいろいろ手伝ったことがある。あ、舐めたことすらあったな。

 多分私が最初に舐めた女の子は彼女だと思う。あの時は大量に潮吹かれて溺れるかと思った。私も彼女の顔にしちゃったけど。このスキルの副作用ってことで考えるのはやめた。

 それをすると彼女の分までポイントが入るから何とも言えない。一万円だ。

 私は湯船から上がると窓を開けて「【干渉】【水】【拡散】【操作】」と唱えた。今更誰かに裸を見られることを恥ずかしいと思うことはない。水は精液ごと細かくして、そのまま外に出した。その内蒸発するだろう。片腕だから体を拭く手間がないだけでだいぶ変わる。

 この魔法は案外目隠しにも使えた。

 魔法はスペルに沿った形で発動するが、どう発動するか、どのような解釈をするのかで働きが違うのを知った。

 私は4つのスペルしか使っていなかったが消費MPは本来なら4だ。しかし、【水】はその場にあったので実質MPは消費していない。結果、MPの消費は3に抑えられていた。この場合の水は、その場にある水に干渉するという指示でしかない。

 窓を閉め、六畳の部屋に戻ると【空間収納】から栄養のある木の実を出して齧った。きな粉のような味だった。精液の味よりもはだいぶましである。美味しくはない。これ一つで満腹になった。これは大人が食べても子供が食べてもそうなるものだ。

「しずくさん。朝からお願いしていいですか?」

 逸物をいきり立たせた少年が起きていた。昨日あれだけ出しただろうに。

「いいよ。」

 私はそれだけ言うと股を開いた。M字開脚だ。正常位と言うのだったか。手を後ろにつく。フローリングの床だ。硬い。所々何かの液体がそのまま乾燥したのかシミになっている。少年は腰を折って私のそこを舐め始めた。片手で胸をもんだ。この少年はいつも最初に起きて私とやる。

 乱交の翌日はいつもこうだ。

 少年はゆっくり私を愛撫する。指が乳首をこね、舌が秘部を弄んだ。それは私が達するまで続く。足先からぞわぞわ来るこの感覚はお腹の下まで来てびくびくなる。頭は真っ白だ。下腹部から広がるそれがじんわりと広がる。その時だけは純粋に楽しめた。人によって感覚は違うらしいが。

 義務教育を終えていない少年と言う字面に少しながら罪悪感が浮かばないわけでは無い。

 しかし、義務教育も今や行われていないようなものだ。無期限の休校状態だからだ。子供を食い物にしてるって?教師だって子供をある意味では食い物にしているじゃないか。

 教師は知識を対価に金をもらうが、私は快楽を対価に報酬をもらっているだけだ。それの何がいけないのか。そもそも女性の卵子は性質上、質のいいものから使われていくらしい。それを考えると十代後半で出産した方がいいということになる。

 準備が整って少年はそれを私の中に入れてきた。最初はゆっくり。私の膜が破れたのがわかる。それに心地よさを感じる自分がいた。気持ちがよくて頭が働かない。フワフワする。私は早い方ではない。少年もそうだった。

 少年は抱き着いて腰を振るのを加速した。

「あっ、あぅ………………ぁ…………ぁぁ………ぁぁ…………ぁ…………っ!」

 胸元で少年の息遣いが零れる。愛らしく思って……。無意識に左足で抱えた。少年も当然裸だ。私の尻を少年が打ち付ける音がこだました。少年は私にだきついて一度私の中で果てた。

 攻守交代だ。入れたまま少年が下になった。少年は少し赤い顔をしていた。私は少年と向き合いまたがった。腰の動きだけで私の気持ちよいところをこする。少年が気持ちよくなるようにするのも忘れない。千回くらい経験すればどんなに下手でも誰でもできる。

「んっ……ん………ぁ………っ」

 少年も戯れに突きあげる。私は少年に倒れかかりキスをした。舌を絡ませた熱いキスだった。舌が口に入り歯の羅列をなぞった。そのあたりで肛門に入ってくる異物感。起きてきた誰かが肛門にも挿入したようだ。濡れていないから痛い。痛いがそれも快感に変わった。

 それは激しく突いてくる。下の少年は名残惜しそうに唇を離すと胸をもみ始めた。声を上げる暇もなく別の少年が口を塞いできた。長くなりそうだ。

 3時間後湯船に入りなおして服を着た。新たに11ポイント獲得したのは大きかった。とっくに10時を過ぎている。少年たちはこれからダンジョンらしい。物々しい装備に着替えていた。少年たちが相手をしているのはゾンビらしい。

 墓地周辺にゾンビがあふれている場所があるらしく、少年たちと複数の団体が交代で処理しているらしい。放置していると普通にダンジョンの外に出てきてしまうそうだ。【回復アイテムドロップ】【食料ドロップ】【魔道具ドロップ】【品質向上】【数量増加】【物理攻撃】【殴る】の7つにポイントを絞り活動しているそうだ。

 寝床がないときはこの家を利用してくれて構わないと言っていた。

 この家は同級生の家でその同級生はダンジョンに潜ったまま戻っていないらしい。寂しそうな顔で語っていた。

 1ポイントを使い避妊をした。私は木の棒を杖代わりに店のある方へ行く。

 一方の少年たちはももえを送ってからダンジョンに行くらしかった。一応言うがももえは裸だ。毛の少し生えたあそこを晒しながら運ばれていった。少年たちだって明日生きているかわからない。

 だからそうするしかないのだ。

 さようならとも何とも云わない。

 その言葉は別れを意味する。だから私たちは、掛け合う言葉を持ち合わせていない。

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