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1章
18 どうしようもないとある本能
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大量にドロップしたアイテムをベリサマの協力を得て【収納空間】へと入れる。
オレは「ふー。大量大量。」と呟いた。
「ますたぁ~。いいものいっぱいあるよ。」
「そうだなぁ。」
ベリサマに渡されたアイテムを【収納空間】に入れつつ答えた。
オレはここ、1階層の最奥部のボス部屋を都度10回ほど壊滅させた。後半の5回は出来るだけたくさん召喚させることを意識して討伐した。
この、部屋の中央で山積みとなったドロップアイテムの為である。
14歳のオレが戦いに身を置いていて精神的に狂いきっていないのはベリサマの存在が大きい。
恐らく一人ならとっくの昔に逃げ出していたはずだ。ベリサマを見ていると妹を思い出す。迎えに行くときに少なくとも死なせない程度には強くならなければならない。
この山の中にはベリサマと同じタイプのものであったり中位のポーションだったりが多分に含まれている。【品質向上3】と【数量増加3】のスキルはともに5まで無理やり上げた。1,200ポイントの消費だった。
何周か巡回している内に宝箱も複数回開けているため、その時に得たポイントだけで80,000ポイントに余裕で届くほどだった。使いつぶしたショートソードの数もお察しである。
外に出たときのために複数のスキルを取得しておいた。【数的有利】【奇襲】【強襲】【背水】【遅滞】【殿】【連戦】【哨戒】【偵察】【行軍】【囮】【修行】【苦行】【狂気】【絶望】【勇猛果敢】【攻城】【籠城】【狩猟】【騎乗】【知略】などを全て3まで取得した。戦法系列はそれに合わせた。
自由自在に動く鋼の義手なんかも手に入り、ほくほく顔だ。
下級の魔道具なのにかっこいいし、つけてみたい。
今度腕が取れるようなことがあったら再生させずにこれをつけようかなどと考えてしまう。オレたちはそのまま部屋の奥にある扉へと向かった。この扉は、殲滅し終えたのと同時に現れた。
不思議ではあるもののゲームなんかではよくある演出だ。
扉は硬い金属でできていて少し押すと消えるように開いた。
【No125,431,112新たな階層に到達 ポイント5獲得】
【No125,431,112【数量増加5】の効果により追加 25ポイント獲得】
オレは迷わず進む。2階層も見た感じでは1階層とそんなに変わらないようだ。黒みがかった天井、壁、床。照らす光は青みがかった紫だった。
しかし、オレは安心することなく逆に焦った。オレのスキルが警戒しろと警鐘を煩いまでに鳴らしていた。魔法を詠唱しておけとまで暗示していた。何の魔法使うかも焦ったが、取り敢えず派手に行くことにした。いざとなれば死に戻るだけだと腹をくくる。
「【火】【停止】【大きく】【圧縮】【虎】【固定】」
オレの魔法で出来た火が大きくなり小さく濃くなって虎となった。ベリサマの力もあり、馬ほどのサイズになる。そのまま俺の前に現れた。しばらく待つとそれは現れた。壁を破り現れる魔物。緑の肌をしているのは変わらない。ゴブリンだが体格と武器が違った。
そのゴブリンたちは一直線にオレに向かってくる。だから、始動のコマンドを唱える。
「【始動】」
オレの魔法である火の虎は焔をまといゴブリンどもを蹂躙し始めた。剣や槍で武装するゴブリンを爪で切り裂き、牙でかみ砕き体当たりで吹き飛ばす。それだけの熱量を出しているといつか燃え尽きる。だから、次のスペルだ。
「【吸収】【変換】魔法名“火虎生牙”」
安直かと自嘲しつつもゴブリンをかみ砕いた傍からそのMPを吸収し行動の源とした。オレは偶に抜けてくるゴブリンを斬り殺す簡単なお仕事である。【虎】というスペルの異常性がよく分かった。100ポイントも納得である。
ゴブリンの強さとしての感覚は1階層から一段階上がったくらいだろうか。大人なら油断しなければ素人でも勝てなくもない程度の身体能力はあった。【鑑定】で見てみると下位ゴブリンと言うらしいことが分かった。
ドロップするものも少しよくなっているような気がした。ん?媚薬なるものやローションなるものがあったが無言で【収納空間】へと仕舞い込んだ。使うことは今のところない。多分。
部屋を見つけた。恐らくモンスターハウスだろう。装備を検め、スキルのうち【HP自動回復1】【MP自動回復】【自然治癒1】【再生1】この4つを5まで上げた。2,640のポイントが飛んだ。
部屋に入ると“火虎生牙”は消えてしまった。そして、案の定壁からゴブリンが生まれてきた。60体くらいか。その全てが下位ゴブリンだ。過激なヤンキーに囲まれたと思ってくれればいい。
部屋の広さ的にもよくある倉庫ほどなのでそれっぽい。ドラマのワンシーンにありそうだ。さながら眼鏡の女教師になった気分である。
しかし、襲い掛かられる前に詠唱は完成させていた。
「【風】【刃】【大きく】【大きく】【圧縮】【強く】【強く】【広く】【固定】【始動】魔法名“強風刃改”」
以前ボス戦で行った魔法。あれは土の魔法で直線だけだったから広範囲とは言えなかった。あれを広範囲にしたヴァージョンだ。オレの魔法は等しく立ち上がったゴブリンのその全てを胴体から切断した。壁まで切れている。呆気ない2階層の初モンスターハウス戦だった。
【No125,431,112モンスターハウスの単独壊滅達成 360ポイント獲得】
【No125,431,112【数量増加5】の効果により追加 1800ポイント獲得】
【No125,431,112偉業の達成 60ポイント獲得】
【No125,431,112【数量増加5】の効果により追加 300ポイント獲得】
「ますたぁ~。ひのまほうもつかってぇ。」
ベリサマがプンプンしながらドロップを集めている。
かわいい。
……かわいいは正義だと思う。
妹然り。ベリサマ然り。某アイドル然り。可愛いは正しいのだ。全てを許せてしまう力があると思う。可愛いからかわいいのだ。全てを理解することは不可能。
故に可愛いいに理由はいらない。
「ますたぁ~?」
「はっ!トリップしてた。」
「ますたぁ~。ちゃんとする?」
オレは「ああ。やべぇ。」と返しつつも、ベリサマに発情しかけている自分に気が付いた。そういえば歴史の授業で人間は生存本能なんかの影響で危険を感じれば感じる程種を残そうとするとか余談で聞いた覚えがある。
それまで、風俗云々を嫌うきらいが自分にあったが、それがあるおかげで性犯罪が抑制されると考えれば不要と言い切れないと理解できた。
14歳で既に精通している自分にもそれは当てはまるわけで、だいぶ溜まっている。
それは集中力に影響を与える。
一度外に出るべきだろうか。
このままでは再会した妹を襲いかねない。同級生には既に卒業しているのもちらほらいるわけでオレも少し焦ってはいた。
しばらく自家発電の方にさえ栄養が足りなく縁がなかったが栄養のある木の実のおかげでそれは解決されていた今までの分まで一気に襲い掛かって来たような気もする。
今では筋肉もかなりついたし、身体能力も上がったと感じる。【超回復】のスキルのおかげだろう。身長も伸びた。
粗方回収したので最後の宝箱を開ける。武器や魔道具、回復アイテムの類が山のように入っていた。豊作である。【収納空間】の容量が心配になって来たので1,000ポイントつぎ込んで3に上げた。
オレは「ふー。大量大量。」と呟いた。
「ますたぁ~。いいものいっぱいあるよ。」
「そうだなぁ。」
ベリサマに渡されたアイテムを【収納空間】に入れつつ答えた。
オレはここ、1階層の最奥部のボス部屋を都度10回ほど壊滅させた。後半の5回は出来るだけたくさん召喚させることを意識して討伐した。
この、部屋の中央で山積みとなったドロップアイテムの為である。
14歳のオレが戦いに身を置いていて精神的に狂いきっていないのはベリサマの存在が大きい。
恐らく一人ならとっくの昔に逃げ出していたはずだ。ベリサマを見ていると妹を思い出す。迎えに行くときに少なくとも死なせない程度には強くならなければならない。
この山の中にはベリサマと同じタイプのものであったり中位のポーションだったりが多分に含まれている。【品質向上3】と【数量増加3】のスキルはともに5まで無理やり上げた。1,200ポイントの消費だった。
何周か巡回している内に宝箱も複数回開けているため、その時に得たポイントだけで80,000ポイントに余裕で届くほどだった。使いつぶしたショートソードの数もお察しである。
外に出たときのために複数のスキルを取得しておいた。【数的有利】【奇襲】【強襲】【背水】【遅滞】【殿】【連戦】【哨戒】【偵察】【行軍】【囮】【修行】【苦行】【狂気】【絶望】【勇猛果敢】【攻城】【籠城】【狩猟】【騎乗】【知略】などを全て3まで取得した。戦法系列はそれに合わせた。
自由自在に動く鋼の義手なんかも手に入り、ほくほく顔だ。
下級の魔道具なのにかっこいいし、つけてみたい。
今度腕が取れるようなことがあったら再生させずにこれをつけようかなどと考えてしまう。オレたちはそのまま部屋の奥にある扉へと向かった。この扉は、殲滅し終えたのと同時に現れた。
不思議ではあるもののゲームなんかではよくある演出だ。
扉は硬い金属でできていて少し押すと消えるように開いた。
【No125,431,112新たな階層に到達 ポイント5獲得】
【No125,431,112【数量増加5】の効果により追加 25ポイント獲得】
オレは迷わず進む。2階層も見た感じでは1階層とそんなに変わらないようだ。黒みがかった天井、壁、床。照らす光は青みがかった紫だった。
しかし、オレは安心することなく逆に焦った。オレのスキルが警戒しろと警鐘を煩いまでに鳴らしていた。魔法を詠唱しておけとまで暗示していた。何の魔法使うかも焦ったが、取り敢えず派手に行くことにした。いざとなれば死に戻るだけだと腹をくくる。
「【火】【停止】【大きく】【圧縮】【虎】【固定】」
オレの魔法で出来た火が大きくなり小さく濃くなって虎となった。ベリサマの力もあり、馬ほどのサイズになる。そのまま俺の前に現れた。しばらく待つとそれは現れた。壁を破り現れる魔物。緑の肌をしているのは変わらない。ゴブリンだが体格と武器が違った。
そのゴブリンたちは一直線にオレに向かってくる。だから、始動のコマンドを唱える。
「【始動】」
オレの魔法である火の虎は焔をまといゴブリンどもを蹂躙し始めた。剣や槍で武装するゴブリンを爪で切り裂き、牙でかみ砕き体当たりで吹き飛ばす。それだけの熱量を出しているといつか燃え尽きる。だから、次のスペルだ。
「【吸収】【変換】魔法名“火虎生牙”」
安直かと自嘲しつつもゴブリンをかみ砕いた傍からそのMPを吸収し行動の源とした。オレは偶に抜けてくるゴブリンを斬り殺す簡単なお仕事である。【虎】というスペルの異常性がよく分かった。100ポイントも納得である。
ゴブリンの強さとしての感覚は1階層から一段階上がったくらいだろうか。大人なら油断しなければ素人でも勝てなくもない程度の身体能力はあった。【鑑定】で見てみると下位ゴブリンと言うらしいことが分かった。
ドロップするものも少しよくなっているような気がした。ん?媚薬なるものやローションなるものがあったが無言で【収納空間】へと仕舞い込んだ。使うことは今のところない。多分。
部屋を見つけた。恐らくモンスターハウスだろう。装備を検め、スキルのうち【HP自動回復1】【MP自動回復】【自然治癒1】【再生1】この4つを5まで上げた。2,640のポイントが飛んだ。
部屋に入ると“火虎生牙”は消えてしまった。そして、案の定壁からゴブリンが生まれてきた。60体くらいか。その全てが下位ゴブリンだ。過激なヤンキーに囲まれたと思ってくれればいい。
部屋の広さ的にもよくある倉庫ほどなのでそれっぽい。ドラマのワンシーンにありそうだ。さながら眼鏡の女教師になった気分である。
しかし、襲い掛かられる前に詠唱は完成させていた。
「【風】【刃】【大きく】【大きく】【圧縮】【強く】【強く】【広く】【固定】【始動】魔法名“強風刃改”」
以前ボス戦で行った魔法。あれは土の魔法で直線だけだったから広範囲とは言えなかった。あれを広範囲にしたヴァージョンだ。オレの魔法は等しく立ち上がったゴブリンのその全てを胴体から切断した。壁まで切れている。呆気ない2階層の初モンスターハウス戦だった。
【No125,431,112モンスターハウスの単独壊滅達成 360ポイント獲得】
【No125,431,112【数量増加5】の効果により追加 1800ポイント獲得】
【No125,431,112偉業の達成 60ポイント獲得】
【No125,431,112【数量増加5】の効果により追加 300ポイント獲得】
「ますたぁ~。ひのまほうもつかってぇ。」
ベリサマがプンプンしながらドロップを集めている。
かわいい。
……かわいいは正義だと思う。
妹然り。ベリサマ然り。某アイドル然り。可愛いは正しいのだ。全てを許せてしまう力があると思う。可愛いからかわいいのだ。全てを理解することは不可能。
故に可愛いいに理由はいらない。
「ますたぁ~?」
「はっ!トリップしてた。」
「ますたぁ~。ちゃんとする?」
オレは「ああ。やべぇ。」と返しつつも、ベリサマに発情しかけている自分に気が付いた。そういえば歴史の授業で人間は生存本能なんかの影響で危険を感じれば感じる程種を残そうとするとか余談で聞いた覚えがある。
それまで、風俗云々を嫌うきらいが自分にあったが、それがあるおかげで性犯罪が抑制されると考えれば不要と言い切れないと理解できた。
14歳で既に精通している自分にもそれは当てはまるわけで、だいぶ溜まっている。
それは集中力に影響を与える。
一度外に出るべきだろうか。
このままでは再会した妹を襲いかねない。同級生には既に卒業しているのもちらほらいるわけでオレも少し焦ってはいた。
しばらく自家発電の方にさえ栄養が足りなく縁がなかったが栄養のある木の実のおかげでそれは解決されていた今までの分まで一気に襲い掛かって来たような気もする。
今では筋肉もかなりついたし、身体能力も上がったと感じる。【超回復】のスキルのおかげだろう。身長も伸びた。
粗方回収したので最後の宝箱を開ける。武器や魔道具、回復アイテムの類が山のように入っていた。豊作である。【収納空間】の容量が心配になって来たので1,000ポイントつぎ込んで3に上げた。
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