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2章
25 この結末は間違っているけれど 6
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イムを肩に乗せたガイ。それと向き合うシャンリー。
二人の間には誰もいない。
人は多けれど、阻む者は無かった。
「今のガイならケイト帝国に勝つだろうとは思っていたけれど。まさかこちらに死者を一人も出さず、外敵まで排除してくれて、その上で帝国の心臓部に到達するなんてね。こちらの完敗、そちらの圧勝だわ」
シャンリーの声には、呆れたような……どこか諦めたような、そんな響きがあった。
「力の差を見せつけたのは、自分の意を通すため、逆らえないようにするため? ガイはそんな人じゃなかったけれど」
その問いはどこか批難めいていて、どこか悲し気だ。
(そう……まるで私達を蹴散らした魔王軍のよう)
どう抵抗しても無駄だという力の差がそう思わせるのだろうか。
(極まった力というものは似たような物になってしまうのかしら)
その思いが、数歩先にいるガイとの距離を、あまりに遠く感じさせた。
遠く感じるという事が、白々しくて胸が痛かったけれど。
それは表に出すまいと、シャンリーは努めた。
「シャンリー様!」
我慢できず割り込もうとした一兵士……その剣が一瞬で叩き落とされる。
「傲慢ですまないが、邪魔はやめてもらう」
静かに告げるユーガン。
その剣が一閃したのだと、無手になってから気付き――その兵士も他の兵士も一歩も動けなくなった。
ガイもシャンリーもそんな騒ぎにまるで反応しない。
今、二人には互い以外に何も存在しないのだ。
そんな人じゃなかった。そう言われたガイの返答は……
「俺は俺だ。だからシャンリー。君を貰いに来た」
これまでのどんな戦いの時よりも真剣に、ガイはそう断言した。
だがそれにシャンリーは納得できない。
「どうしてこんな形で? なぜケイト帝国の貴族ではいけないの? 以前、私が提示した案の何が問題なの?」
あの時、ガイはシャンリーの案を断った。
はっきりと、自分の口で。
それ故にシャンリーは感じたのだ。ガイとの繋がりは切れたのだ、と。
戻って来てくれる可能性は、有ると信じていた。
信じ“たかった”だったのかもしれないが、信じた。
そして戻ってきてくれた……のに。
なぜケイト帝国の貴族ではいけないの?
ここだけは納得いく答えが無いと受け入れられない。
返答が無ければ、有っても納得がいかなければ……今度はシャンリーが繋がりを切らねばならない。
「それだとまずケイト帝国ありきになるからだ」
ガイからの返答。はっきり出された彼の意思。
それは、シャリーを絶望させる物だった。
「帝国の味方がそんなに嫌なの……?」
シャンリー=ダー。ケイト帝国の第一皇女。
生まれついての支配階級であり、それ故に身も行動も帝国のためにあらねばならない人間。
彼女を養うため、民は貧しくても税を納めねばならない。
彼女を守るため、兵は死を顧みず戦わねばならない。
だから彼女は人民が生きる場としての国に、その存在に、貢献する義務があるのだ。
彼女の命は人民の命より重いが故に、彼女の義務は彼女の命より重い。
それがシャンリーの価値観。
だからケイト帝国の味方になる事を拒む者は、受け入れるわけにはいかないのだ。
だが、ガイの意思は……
「帝国の味方で俺は結構。だけど俺の女房には、俺の家族、俺の一家……俺達やその子供達がまずありきであって欲しい。俺達の家の、そこの家族を何よりも大切にして欲しい。俺だってそうする。そこは俺と同じ所に立って欲しい」
それはある意味でシャンリーを根本的に否定する要求だ。だから以前、ガイはシャンリーの提案を断ったのだ。
「ケイト帝国の味方はするよ。俺の女房の故郷なら。でもそれは、そこありきって事じゃないんだ」
この想いを人知れず秘めて、シャンリーの要求通りにケイト帝国の貴族になり結婚する道も、ガイにはあった。
不自由も問題も、それで無かった筈だ。
なのにガイは、どこに一番の重きを置くかの一点を、どうにも誤魔化せなかったのである。
そのせいで要らぬ苦労を背負ってまでも。
そんなガイの不器用な性分を前に、シャンリーは動揺していた。
(これじゃ、まるで……)
「あんな……お遊戯みたいな夫婦ごっこで、そんなに入れ込んで。馬鹿ね」
それでガイが怒れば、あるいはこの指摘に同意されてしまえばそれまでだ……そう危険を認識しながらも。
シャンリーはあえて口にした。
平然を装いながら。
ガイがぶつけてくる不器用な想いをはぐらかすため。自分が話の主導権を握るために。
果たして、ガイは……
「そうだな。でもこれからはごっこじゃない」
少々怒ったように、少々ムキになったように。
「本当に夫婦になって入れ込むよ。俺は」
指摘を認めながらも、想いをぶつけるのをやめなかった。
そんなガイの、感情的で高みや落ち着きとは縁遠い意地を前に、シャンリーは動揺していた。
(これじゃ、まるで……)
「私がガイにちょっかいかけてたのは、その気にさせて守ってもらうためだって、まだ気が付かないの?」
薄っすらと笑みを造りながら、シャンリーはさらに危険な言葉を口にする。
でもここまでやらないと、ガイに圧されたままだろう。
互いに正直になってはいけない。
全部を残らず曝け出す話し方をシャンリーは知らないのだから。
果たして、ガイは……
「そうだったのか。言われて気づいたよ」
ちょっぴり衝撃だったようだが……
「でもそんな事はどうでもいい。何も変わらない」
問題でさえなかった。
そんなガイの計算や打算の無さに、シャンリーは動揺していた。
(これじゃ、まるで……)
シャンリーはもう笑っていられなかった。
己も真剣にならざるを得なかった。芝居やポーズで偽る余裕は無かった。
真っすぐに顔をあげて、ガイの目を見つめた。
「私を生かしてくれた人達。待っていてくれた人達。今期待してくれている人達。頼ってくれている人達。それを全部捨てろと言っているのよ、貴方は。貴方の気持ち一つのために」
責めるような物言いである。
他者の存在を持ち出し、ガイの要求は彼らを否定しているのだと指摘すれば……ガイは想いをあえて曲げてくれるかもしれない。
シャンリーの要求をのんで帝国側についてくれるかもしれない。
帝国ありきのシャンリーで妥協してくれるかもしれない。
(やっぱり私はずるいのね……)
それでもシャンリーは思いつく材料全てを使うつもりだった。
ガイに、己の思い通りに動いてもらうために。
「そこが一番、悩んだよ。俺の望みが間違っている事になるから……なんとか正しい事にできないかって」
ガイは、困って頭を掻いた。明らかに弱っていた。
「でも、何も思いつかなかった。というか……理屈つけてその人達が間違っている事にしたいわけじゃないし……」
そう言ってガイが目を逸らしたので、シャンリーは「勝った」と思った。
これでガイを己の思う方向に誘導できると、そう思った。
嬉しさよりも、寂しさと胸の痛みはあったけど。
帝国のために、自分がガイを得る事はできる。
だがしかし。
それが勘違いであった事を、すぐにシャンリーは思い知らされた。
二人の間には誰もいない。
人は多けれど、阻む者は無かった。
「今のガイならケイト帝国に勝つだろうとは思っていたけれど。まさかこちらに死者を一人も出さず、外敵まで排除してくれて、その上で帝国の心臓部に到達するなんてね。こちらの完敗、そちらの圧勝だわ」
シャンリーの声には、呆れたような……どこか諦めたような、そんな響きがあった。
「力の差を見せつけたのは、自分の意を通すため、逆らえないようにするため? ガイはそんな人じゃなかったけれど」
その問いはどこか批難めいていて、どこか悲し気だ。
(そう……まるで私達を蹴散らした魔王軍のよう)
どう抵抗しても無駄だという力の差がそう思わせるのだろうか。
(極まった力というものは似たような物になってしまうのかしら)
その思いが、数歩先にいるガイとの距離を、あまりに遠く感じさせた。
遠く感じるという事が、白々しくて胸が痛かったけれど。
それは表に出すまいと、シャンリーは努めた。
「シャンリー様!」
我慢できず割り込もうとした一兵士……その剣が一瞬で叩き落とされる。
「傲慢ですまないが、邪魔はやめてもらう」
静かに告げるユーガン。
その剣が一閃したのだと、無手になってから気付き――その兵士も他の兵士も一歩も動けなくなった。
ガイもシャンリーもそんな騒ぎにまるで反応しない。
今、二人には互い以外に何も存在しないのだ。
そんな人じゃなかった。そう言われたガイの返答は……
「俺は俺だ。だからシャンリー。君を貰いに来た」
これまでのどんな戦いの時よりも真剣に、ガイはそう断言した。
だがそれにシャンリーは納得できない。
「どうしてこんな形で? なぜケイト帝国の貴族ではいけないの? 以前、私が提示した案の何が問題なの?」
あの時、ガイはシャンリーの案を断った。
はっきりと、自分の口で。
それ故にシャンリーは感じたのだ。ガイとの繋がりは切れたのだ、と。
戻って来てくれる可能性は、有ると信じていた。
信じ“たかった”だったのかもしれないが、信じた。
そして戻ってきてくれた……のに。
なぜケイト帝国の貴族ではいけないの?
ここだけは納得いく答えが無いと受け入れられない。
返答が無ければ、有っても納得がいかなければ……今度はシャンリーが繋がりを切らねばならない。
「それだとまずケイト帝国ありきになるからだ」
ガイからの返答。はっきり出された彼の意思。
それは、シャリーを絶望させる物だった。
「帝国の味方がそんなに嫌なの……?」
シャンリー=ダー。ケイト帝国の第一皇女。
生まれついての支配階級であり、それ故に身も行動も帝国のためにあらねばならない人間。
彼女を養うため、民は貧しくても税を納めねばならない。
彼女を守るため、兵は死を顧みず戦わねばならない。
だから彼女は人民が生きる場としての国に、その存在に、貢献する義務があるのだ。
彼女の命は人民の命より重いが故に、彼女の義務は彼女の命より重い。
それがシャンリーの価値観。
だからケイト帝国の味方になる事を拒む者は、受け入れるわけにはいかないのだ。
だが、ガイの意思は……
「帝国の味方で俺は結構。だけど俺の女房には、俺の家族、俺の一家……俺達やその子供達がまずありきであって欲しい。俺達の家の、そこの家族を何よりも大切にして欲しい。俺だってそうする。そこは俺と同じ所に立って欲しい」
それはある意味でシャンリーを根本的に否定する要求だ。だから以前、ガイはシャンリーの提案を断ったのだ。
「ケイト帝国の味方はするよ。俺の女房の故郷なら。でもそれは、そこありきって事じゃないんだ」
この想いを人知れず秘めて、シャンリーの要求通りにケイト帝国の貴族になり結婚する道も、ガイにはあった。
不自由も問題も、それで無かった筈だ。
なのにガイは、どこに一番の重きを置くかの一点を、どうにも誤魔化せなかったのである。
そのせいで要らぬ苦労を背負ってまでも。
そんなガイの不器用な性分を前に、シャンリーは動揺していた。
(これじゃ、まるで……)
「あんな……お遊戯みたいな夫婦ごっこで、そんなに入れ込んで。馬鹿ね」
それでガイが怒れば、あるいはこの指摘に同意されてしまえばそれまでだ……そう危険を認識しながらも。
シャンリーはあえて口にした。
平然を装いながら。
ガイがぶつけてくる不器用な想いをはぐらかすため。自分が話の主導権を握るために。
果たして、ガイは……
「そうだな。でもこれからはごっこじゃない」
少々怒ったように、少々ムキになったように。
「本当に夫婦になって入れ込むよ。俺は」
指摘を認めながらも、想いをぶつけるのをやめなかった。
そんなガイの、感情的で高みや落ち着きとは縁遠い意地を前に、シャンリーは動揺していた。
(これじゃ、まるで……)
「私がガイにちょっかいかけてたのは、その気にさせて守ってもらうためだって、まだ気が付かないの?」
薄っすらと笑みを造りながら、シャンリーはさらに危険な言葉を口にする。
でもここまでやらないと、ガイに圧されたままだろう。
互いに正直になってはいけない。
全部を残らず曝け出す話し方をシャンリーは知らないのだから。
果たして、ガイは……
「そうだったのか。言われて気づいたよ」
ちょっぴり衝撃だったようだが……
「でもそんな事はどうでもいい。何も変わらない」
問題でさえなかった。
そんなガイの計算や打算の無さに、シャンリーは動揺していた。
(これじゃ、まるで……)
シャンリーはもう笑っていられなかった。
己も真剣にならざるを得なかった。芝居やポーズで偽る余裕は無かった。
真っすぐに顔をあげて、ガイの目を見つめた。
「私を生かしてくれた人達。待っていてくれた人達。今期待してくれている人達。頼ってくれている人達。それを全部捨てろと言っているのよ、貴方は。貴方の気持ち一つのために」
責めるような物言いである。
他者の存在を持ち出し、ガイの要求は彼らを否定しているのだと指摘すれば……ガイは想いをあえて曲げてくれるかもしれない。
シャンリーの要求をのんで帝国側についてくれるかもしれない。
帝国ありきのシャンリーで妥協してくれるかもしれない。
(やっぱり私はずるいのね……)
それでもシャンリーは思いつく材料全てを使うつもりだった。
ガイに、己の思い通りに動いてもらうために。
「そこが一番、悩んだよ。俺の望みが間違っている事になるから……なんとか正しい事にできないかって」
ガイは、困って頭を掻いた。明らかに弱っていた。
「でも、何も思いつかなかった。というか……理屈つけてその人達が間違っている事にしたいわけじゃないし……」
そう言ってガイが目を逸らしたので、シャンリーは「勝った」と思った。
これでガイを己の思う方向に誘導できると、そう思った。
嬉しさよりも、寂しさと胸の痛みはあったけど。
帝国のために、自分がガイを得る事はできる。
だがしかし。
それが勘違いであった事を、すぐにシャンリーは思い知らされた。
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