2 / 147
1章
1 リスタート 2
しおりを挟む
その日の朝。ガイは下町の安宿で目を覚ました。
窓から射す光が快晴を告げている。
(今日から俺一人か)
天気に反してどんより曇った胸の内で考えながら、ガイは寝床から起き上がった。
(まさかタリンが俺の職業と役割を全く理解してないとはなあ‥‥いや、薄々そうかもと思う時もあったけど)
装備を身に付けながら、貴族お抱えの聖勇士に媚びへつらっていた両手剣の戦士――元パーティリーダーのタリンを思い出す。
ぐいぐいと皆を勢いで引っ張ろうとする性格だからリーダーの座にいたが、あまり考えの深いタチではなかった。
それにしても、工兵の職業特性は何度も説明したのだが‥‥。
それとも、あれは英雄候補にして既に手柄も立てている聖勇士を前に舞い上がっていたという事だろうか。
聖勇士の存在‥‥そして彼らを強者たらしめるパワーについて、自分の掌を見つめて考えた。
(異界流‥‥か。俺にももう二、三レベルあれば、出て行けとは言われなかったかな? ケイオス・ウォリアーの操縦はできるんだけど)
異界流とはこの世界に存在する事で住人達が持つ、内的なエネルギーである。他の世界で氣・オーラ・プラーナ等と呼ばれる物に近い。
無論、そのパワーはインタセクシルの住人も持っているが――この世界の召喚魔法はそれを高く持つ者を厳選して召喚するので、聖勇士と呼ばれる転移者達は、この世界の住人の何倍もの能力を発揮する者達が大半なのだ。
それを計測し、数値化する技術がこの世界にはある。
ガイもその計測を受けた事があるが、結果は0~9の10段階評価で「1」だった。
とはいえこの世界の住人の大半は0か1なのである。2以上あるのは、聖勇士かその血をひく混血だけだ。
(ま、仕方ない。どう身を振るにしろ、珠紋石の在庫は増やしておくか)
ガイは気持ちを切り替え、背負い袋の中の備蓄を確認した。そこには色とりどりの小さな結晶が入っている。すぐに使う物は、ベルトに吊るしてある別の小袋にも。
これら【珠紋石】はガイにとっての武器なのだ。
魔法を封じ、呪文と同じ効果を発揮する道具は古来より多い。
その一種が【珠紋石】で、投げつける事で封じられた呪文を解放する消耗品である。魔法のポーションや巻物と同じような道具だが、消費期限も無いし字を読む必要も無く、小さくて量を持ち運べる。
この世界ではポピュラーな道具で、町の道具屋や魔法店に行けば何種類かは売っている物だ。
そして【珠紋石】の素材を探すスキルも、採取するスキルも、制作するスキルも、ガイは全て習得していた。
工兵の職業特性には消耗品の製作もあり、ガイは【珠紋石】関連を中心にそれらを学んでいた。
背負い袋の中身も、大半は自分で作った物なのだ。
――郊外の山中――
ガイは一人、木に登り、崖を超え、水の中をさらって素材を集める。
野外での行動はガイの得意分野だ。
しかし今は独りである。戦闘は避ける事にしていた。貴重な素材には手強いモンスターを倒して得る物も多いが、今回は考えない事にする。
そうするとどこでも売っている低レベル呪文の珠紋石の素材が中心になってしまうが‥‥それも今はやむなし。この世界の魔法は難易度や威力でレベル1~7の7段階に分けられているが、1~2レベル呪文の効果でも、数あればそれなりに役に立つ。
と思いきや。
意外にも中級の品を作るための素材もそこそこ見つかるではないか。
崖の上に咲いていた黄電草を刈りとり、布で包んで背負い袋に仕舞う。町で他の材料を買い足せば、電撃属性のレベル3~4呪文を発動する珠紋石を店売りの二、三割の値段で作る事ができる。
(今日は豊作だな。最近、採集に来る奴は減っているんだっけ)
ガイは崖の上から町を眺めた。
聖勇士のシロウが召喚されたのは、何年も前に現れて人類へ攻撃を開始した魔王とその軍に対抗するためだ。
彼が召喚されてから、カゲウス子爵はその補佐として冒険者パーティを勧誘しだした。
そこで手柄を立てれば領主の軍で相応の地位につける。運に恵まれればそのまま貴族社会への道も開ける可能性が‥‥。
町の冒険者達は、名声になる仕事を一つでもこなそうと一生懸命になっていた。
ガイ達のパーティーは中古の量産品とはいえ、ケイオス・ウォリアーを一台持っていた。それで大型の魔物を退治した事も少ないながらある。
そのおかげで掴めたチャンスだ。他のメンバーの目の色が変わっても仕方が無い。もし出て行けと言われたのがガイ以外だった場合、果たして味方をしてやれたか?
それを考え‥‥ガイは溜息一つで「仕方ないか」と呟いた。
気を取り直し、ガイは素材の探索を開始する。
(ま‥‥俺みたいに丸一日を費やす奴は、元々あの町にはいないけど)
アイテム収集・作成に加え、【道具効果増幅】のスキルまで持つ職業。そんな物に就いている冒険者はごく少数派だ。田舎にはいない事も珍しくない。
ハアマの町にはガイ一人だった。
――数刻後、山中の森の中――
(おかしい。なぜレアな素材がこんなに多いんだ?)
何種類かの貴重な素材を順調に拾い続けたガイは、かえって不気味な物を感じていた。どれもこの山では初めて見る物ばかりである。
何か異変でもあったのだろうか?
しかし次の身の振り方に悩む今、中級のアイテム素材は魅力だ。
装甲劣化呪文の素材になる砕金岩の欠片を手に、ガイは肚をくくった。
(ええい、ままよ!)
そのまま山の奥へと進む。
――山中の森の奥――
ガイは異様な場所を見つけた。
森の中に広場があるのだ。中心にはクレーターがあり、その周辺では木が折れて倒されている。
クレーターの中心には‥‥
「なんだ、ありゃあ!?」
思わず声を出すガイ。
中心には、焼け焦げた材木と、虹色の光彩を帯びた植物の実が落ちていた。
警戒しながらガイは実に近づく。
クレーターの端から窺い、慎重ににじり寄り、棒でつつき、手袋をしてから手に取って、匂いを嗅いで、指先を露出させて触れ、その指を舐めてみた。
(毒は無い。絶対に値打ち物だ。けど‥‥)
メロンほどの大きさの、リンゴか梨のような虹色の実。ケイオス・ウォリアーに使う魔法の機器には似たような輝きを帯びる物もある。
それを手に、足元の焦げた木片を、クレーター外の薙ぎ倒された木々を見渡した。
(天から落ちてきた、とでもいうのか?)
そこで実の中から何かの感触を感じる。
これは‥‥
(中に何か、いる!?)
逡巡した後。
ガイはクレーターから出てナイフを手にした。
そして実の皮にそっと切れ目を入れてゆく。
中に生き物がいるなら、今出した方がいい。
もちろん危険の可能性は考えた上で、だ。
帰還中に背負い袋の中から不意打ちされては危ない。そして危ない生き物を町中で解放しては迷惑がかかる。
(だったらここで‥‥)
それなら最悪、犠牲者は一人だ。
そして実の皮が切れて、中身が見えた。
中身もゆっくり目を開け、ガイを見て‥‥縮めていた体を伸ばし、実の外へ身を乗り出す。
それを前にガイは思わず声に出した。
「妖精!?」
虹色の光彩を持つ翅をゆっくりと広げ、全裸の小さな女の子がガイを見上げていた。
長い緑の髪と蒼い瞳をもつ妖精の少女が。
窓から射す光が快晴を告げている。
(今日から俺一人か)
天気に反してどんより曇った胸の内で考えながら、ガイは寝床から起き上がった。
(まさかタリンが俺の職業と役割を全く理解してないとはなあ‥‥いや、薄々そうかもと思う時もあったけど)
装備を身に付けながら、貴族お抱えの聖勇士に媚びへつらっていた両手剣の戦士――元パーティリーダーのタリンを思い出す。
ぐいぐいと皆を勢いで引っ張ろうとする性格だからリーダーの座にいたが、あまり考えの深いタチではなかった。
それにしても、工兵の職業特性は何度も説明したのだが‥‥。
それとも、あれは英雄候補にして既に手柄も立てている聖勇士を前に舞い上がっていたという事だろうか。
聖勇士の存在‥‥そして彼らを強者たらしめるパワーについて、自分の掌を見つめて考えた。
(異界流‥‥か。俺にももう二、三レベルあれば、出て行けとは言われなかったかな? ケイオス・ウォリアーの操縦はできるんだけど)
異界流とはこの世界に存在する事で住人達が持つ、内的なエネルギーである。他の世界で氣・オーラ・プラーナ等と呼ばれる物に近い。
無論、そのパワーはインタセクシルの住人も持っているが――この世界の召喚魔法はそれを高く持つ者を厳選して召喚するので、聖勇士と呼ばれる転移者達は、この世界の住人の何倍もの能力を発揮する者達が大半なのだ。
それを計測し、数値化する技術がこの世界にはある。
ガイもその計測を受けた事があるが、結果は0~9の10段階評価で「1」だった。
とはいえこの世界の住人の大半は0か1なのである。2以上あるのは、聖勇士かその血をひく混血だけだ。
(ま、仕方ない。どう身を振るにしろ、珠紋石の在庫は増やしておくか)
ガイは気持ちを切り替え、背負い袋の中の備蓄を確認した。そこには色とりどりの小さな結晶が入っている。すぐに使う物は、ベルトに吊るしてある別の小袋にも。
これら【珠紋石】はガイにとっての武器なのだ。
魔法を封じ、呪文と同じ効果を発揮する道具は古来より多い。
その一種が【珠紋石】で、投げつける事で封じられた呪文を解放する消耗品である。魔法のポーションや巻物と同じような道具だが、消費期限も無いし字を読む必要も無く、小さくて量を持ち運べる。
この世界ではポピュラーな道具で、町の道具屋や魔法店に行けば何種類かは売っている物だ。
そして【珠紋石】の素材を探すスキルも、採取するスキルも、制作するスキルも、ガイは全て習得していた。
工兵の職業特性には消耗品の製作もあり、ガイは【珠紋石】関連を中心にそれらを学んでいた。
背負い袋の中身も、大半は自分で作った物なのだ。
――郊外の山中――
ガイは一人、木に登り、崖を超え、水の中をさらって素材を集める。
野外での行動はガイの得意分野だ。
しかし今は独りである。戦闘は避ける事にしていた。貴重な素材には手強いモンスターを倒して得る物も多いが、今回は考えない事にする。
そうするとどこでも売っている低レベル呪文の珠紋石の素材が中心になってしまうが‥‥それも今はやむなし。この世界の魔法は難易度や威力でレベル1~7の7段階に分けられているが、1~2レベル呪文の効果でも、数あればそれなりに役に立つ。
と思いきや。
意外にも中級の品を作るための素材もそこそこ見つかるではないか。
崖の上に咲いていた黄電草を刈りとり、布で包んで背負い袋に仕舞う。町で他の材料を買い足せば、電撃属性のレベル3~4呪文を発動する珠紋石を店売りの二、三割の値段で作る事ができる。
(今日は豊作だな。最近、採集に来る奴は減っているんだっけ)
ガイは崖の上から町を眺めた。
聖勇士のシロウが召喚されたのは、何年も前に現れて人類へ攻撃を開始した魔王とその軍に対抗するためだ。
彼が召喚されてから、カゲウス子爵はその補佐として冒険者パーティを勧誘しだした。
そこで手柄を立てれば領主の軍で相応の地位につける。運に恵まれればそのまま貴族社会への道も開ける可能性が‥‥。
町の冒険者達は、名声になる仕事を一つでもこなそうと一生懸命になっていた。
ガイ達のパーティーは中古の量産品とはいえ、ケイオス・ウォリアーを一台持っていた。それで大型の魔物を退治した事も少ないながらある。
そのおかげで掴めたチャンスだ。他のメンバーの目の色が変わっても仕方が無い。もし出て行けと言われたのがガイ以外だった場合、果たして味方をしてやれたか?
それを考え‥‥ガイは溜息一つで「仕方ないか」と呟いた。
気を取り直し、ガイは素材の探索を開始する。
(ま‥‥俺みたいに丸一日を費やす奴は、元々あの町にはいないけど)
アイテム収集・作成に加え、【道具効果増幅】のスキルまで持つ職業。そんな物に就いている冒険者はごく少数派だ。田舎にはいない事も珍しくない。
ハアマの町にはガイ一人だった。
――数刻後、山中の森の中――
(おかしい。なぜレアな素材がこんなに多いんだ?)
何種類かの貴重な素材を順調に拾い続けたガイは、かえって不気味な物を感じていた。どれもこの山では初めて見る物ばかりである。
何か異変でもあったのだろうか?
しかし次の身の振り方に悩む今、中級のアイテム素材は魅力だ。
装甲劣化呪文の素材になる砕金岩の欠片を手に、ガイは肚をくくった。
(ええい、ままよ!)
そのまま山の奥へと進む。
――山中の森の奥――
ガイは異様な場所を見つけた。
森の中に広場があるのだ。中心にはクレーターがあり、その周辺では木が折れて倒されている。
クレーターの中心には‥‥
「なんだ、ありゃあ!?」
思わず声を出すガイ。
中心には、焼け焦げた材木と、虹色の光彩を帯びた植物の実が落ちていた。
警戒しながらガイは実に近づく。
クレーターの端から窺い、慎重ににじり寄り、棒でつつき、手袋をしてから手に取って、匂いを嗅いで、指先を露出させて触れ、その指を舐めてみた。
(毒は無い。絶対に値打ち物だ。けど‥‥)
メロンほどの大きさの、リンゴか梨のような虹色の実。ケイオス・ウォリアーに使う魔法の機器には似たような輝きを帯びる物もある。
それを手に、足元の焦げた木片を、クレーター外の薙ぎ倒された木々を見渡した。
(天から落ちてきた、とでもいうのか?)
そこで実の中から何かの感触を感じる。
これは‥‥
(中に何か、いる!?)
逡巡した後。
ガイはクレーターから出てナイフを手にした。
そして実の皮にそっと切れ目を入れてゆく。
中に生き物がいるなら、今出した方がいい。
もちろん危険の可能性は考えた上で、だ。
帰還中に背負い袋の中から不意打ちされては危ない。そして危ない生き物を町中で解放しては迷惑がかかる。
(だったらここで‥‥)
それなら最悪、犠牲者は一人だ。
そして実の皮が切れて、中身が見えた。
中身もゆっくり目を開け、ガイを見て‥‥縮めていた体を伸ばし、実の外へ身を乗り出す。
それを前にガイは思わず声に出した。
「妖精!?」
虹色の光彩を持つ翅をゆっくりと広げ、全裸の小さな女の子がガイを見上げていた。
長い緑の髪と蒼い瞳をもつ妖精の少女が。
10
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説

魔法使いクラウディア
緑谷めい
ファンタジー
「お前みたいなブスが、この俺の婚約者だと? 俺はこの国の王太子だぞ!」
綺麗な顔をした金髪碧眼の、いかにも生意気そうな少年は、クラウディアの顔を見るなり、そうほざいた。
初対面の婚約者――それも公爵家令嬢であるクラウディアに対して、よくもそんな失礼な事が言えたものだ。
言っておくが、クラウディアは自分の美しさに絶対の自信を持っている。
※ 全8話完結予定
※ ボーイズラブのタグは保険です。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

生活魔法は万能です
浜柔
ファンタジー
生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。
それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。
――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。

ヴァイオリン辺境伯の優雅で怠惰なスローライフ〜悪役令息として追放された魔境でヴァイオリン練習し
西園寺わかば🌱
ファンタジー
「お前を追放する——!」
乙女のゲーム世界に転生したオーウェン。成績優秀で伯爵貴族だった彼は、ヒロインの行動を咎めまったせいで、悪者にされ、辺境へ追放されてしまう。
隣は魔物の森と恐れられ、冒険者が多い土地——リオンシュタットに飛ばされてしまった彼だが、戦いを労うために、冒険者や、騎士などを森に集め、ヴァイオリンのコンサートをする事にした。
「もうその発想がぶっ飛んでるんですが——!というか、いつの間に、コンサート会場なんて作ったのですか!?」
規格外な彼に戸惑ったのは彼らだけではなく、森に住む住民達も同じようで……。
「なんだ、この音色!透き通ってて美味え!」「ほんとほんと!」
◯カクヨム様にて、週間総合ランキングにランクインしました。
◯この話はフィクションです。
◯未成年飲酒する場面がありますが、未成年飲酒を容認・推奨するものでは、ありません。

最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様
コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」
ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。
幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。
早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると――
「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」
やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。
一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、
「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」
悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。
なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?
でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。
というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる