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第三章 ゲームの世界の再現?いえ、リアルです。
違う!!(クリスティーナ視点)
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私が顔を赤くしているのは、ダンスを踊った相手の攻略候補、コネリーのこと。
だってコネリーってば、いろんなイベント無視してこう言ってきたんだもの!
「俺はあなたが他の人を見ていても構わないですが、ここにあなたを想う人間がいることを許していただきたいです」
それは、あの文化体育祭のトップたちのダンスが終わって、待ってましたとばかりにダンスを踊りだす令息令嬢たちから逃げたお兄たちの後を追うようにしてどちらともなく抜け出した私たちの、その後の話。
「少しよろしいですか?」
「えぇ、どうせ1回踊ったらそのまま戻る予定でしたので、時間はあります」
「では、こちらへ来てください」
彼の案内で歩いていくと、そこは噴水のある憩いスペース。
噴水を囲むように整備されている円型の道の、時計で言うと1,4,7,10時のあたりで同じ道が伸びて、またその道が数倍大きな円の道につながっている。
要するに、噴水の周りに花壇が4つ、等間隔であると思ってくれていいわ。
それを分けているのが道っていうだけ。
そこの噴水の前、年中きれいに咲き誇る花々が夜のライトで照らされているのを見ながら、連れてきた本人はこう切り出したの。
「ディオスハイド男爵令嬢、俺はあなたにダンスを申し込んでよかったと思います」
「それはよかったわ。私がいいと言ってくださったんだもの、恥をかかせるわけにはいかないでしょう?」
微笑んで言うと、攻略対象はこっちを向いて微笑み返した。
「ありがとうございます。俺はあなたと踊れて幸せ者ですね。そして、はっきりしました。俺は、あなたに惹かれています」
まっすぐに私を見る表情は真剣そのもので、不覚にもドキっとしてしまったわ。
そして、さっきの言葉を言われたの。
「俺は、いつでもあなたの返事を待っています。もし、許されるのであれば、あなたの剣となり盾となり、このさきずっと隣で守っていきたいと思います」
せっかくの衣装が汚れるのも構わず、片膝をついて私にアプローチする。
どうして私なの?私が、ヒロインだから?
そう思っても、告白にときめいてしまうのは、女の性、かしら。
だってコネリーってば、いろんなイベント無視してこう言ってきたんだもの!
「俺はあなたが他の人を見ていても構わないですが、ここにあなたを想う人間がいることを許していただきたいです」
それは、あの文化体育祭のトップたちのダンスが終わって、待ってましたとばかりにダンスを踊りだす令息令嬢たちから逃げたお兄たちの後を追うようにしてどちらともなく抜け出した私たちの、その後の話。
「少しよろしいですか?」
「えぇ、どうせ1回踊ったらそのまま戻る予定でしたので、時間はあります」
「では、こちらへ来てください」
彼の案内で歩いていくと、そこは噴水のある憩いスペース。
噴水を囲むように整備されている円型の道の、時計で言うと1,4,7,10時のあたりで同じ道が伸びて、またその道が数倍大きな円の道につながっている。
要するに、噴水の周りに花壇が4つ、等間隔であると思ってくれていいわ。
それを分けているのが道っていうだけ。
そこの噴水の前、年中きれいに咲き誇る花々が夜のライトで照らされているのを見ながら、連れてきた本人はこう切り出したの。
「ディオスハイド男爵令嬢、俺はあなたにダンスを申し込んでよかったと思います」
「それはよかったわ。私がいいと言ってくださったんだもの、恥をかかせるわけにはいかないでしょう?」
微笑んで言うと、攻略対象はこっちを向いて微笑み返した。
「ありがとうございます。俺はあなたと踊れて幸せ者ですね。そして、はっきりしました。俺は、あなたに惹かれています」
まっすぐに私を見る表情は真剣そのもので、不覚にもドキっとしてしまったわ。
そして、さっきの言葉を言われたの。
「俺は、いつでもあなたの返事を待っています。もし、許されるのであれば、あなたの剣となり盾となり、このさきずっと隣で守っていきたいと思います」
せっかくの衣装が汚れるのも構わず、片膝をついて私にアプローチする。
どうして私なの?私が、ヒロインだから?
そう思っても、告白にときめいてしまうのは、女の性、かしら。
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