無能な神の寵児

物語設定集

魔法に関する設定

魔法とはこの世の事象を書き換えることができる法則制御装置。人だけでなく、亜人族、魔人族などにも共通して言えることだが、自分に合った属性があり、転生後の世界では通常は一つの属性を一生をかけて極めていく。数種類の属性の魔法を操ることができるのは器用貧乏か、天才級の魔術師のみとされる。

魔法は初級、中級、上級、最上級、禁術と５種類ある。
↑とは別に悪魔や精霊を召喚する召喚魔法、神官たちが使う神聖魔法などがある。召喚魔法は召喚時に魔法陣に自分の魔力を流し込む。魔法陣が悪魔界や精霊界を繋ぐ扉となる。流し込んだ魔力に応じた相手を召喚することができる。詠唱などは特になく雰囲気。神聖魔法は光系魔法の中でも回復に秀でたものが人類の研鑽により独自の進化を遂げたもの。詠唱はかなり長いことが多い。

魔法とは別に魔導具と呼ばれるものがあり、貴族に家などではかなり普及している。これは付術師が魔法を道具に込めたもの。詳しくいうと、魔力を通しやすい素材で作った道具に魔法陣を刻み、魔力を流すだけで魔法が発動するようにしたもの。一般家庭には貴族が使い古した魔導具などしか来ない。それでもかなり高い。

魔法は地下に流れる力の奔流に魔法陣を媒体として接続し使う。魔法陣は通常は自身で描かなければならない。
初級は１～５、中級は６～１０、上級は１１～１５、最上級は１６～となる句の詠唱が必要。禁術は詠唱の長さとは関係なく使えるものの、膨大な魔力と緻密な魔法制御技術、巨大な魔法陣が必要なため、使用できるもの自体ほぼ存在しない。大国の宮廷魔術師１０人がかりで１００句以上の詠唱を行い、さらに半径２０メートルほどの魔法陣を用意してようやく発動できる。魔法陣の大きさは用意する魔術師の魔法制御技術によって変わる。戦略会議などでは戦略魔法、殲滅魔法などと呼ばれることもある。
また、魔法の根源として“神の奇跡”と呼ばれるものがある。もともと魔法自体が創造神が神の奇跡を人々が使いやすいように改良したものである。神の奇跡は魔法陣を必要とせず、詠唱も必要ないことが多い。そもそも神の奇跡を使うには神格を持っていることが最低条件であり、種族的に神と呼ばれるものは地下に流れる力の奔流よりも強大な流れを体内（正確には魂の中）に持っている（下級神たちはかろうじて神の奇跡を使えるがかなり弱い。最上級魔法と比べても違いがあまり感じられないほど）。ただ、魔法ではあるため、イメージを定着させ、事象を引き起こすために鍵言トリガーをいうことが多い。

無詠唱無魔法陣の原理

無詠唱とは魔法陣を起動させるために必要な詠唱を簡略化又は省略化し、鍵言トリガーのみで魔法を発動させるための術である。
魔法の等級が上がれば上がるほど気の遠くなるような鍛錬と針に糸を通すよりも難解で繊細な魔法制御技術が必要になる。

無魔法陣とは、力の奔流への架け橋である魔法陣を描かずに自身を魔法陣として利用して魔法を発動させる技術である。
無論、魔法陣を描いて発動させるよりも威力や精度は落ちる。
しかし、超高速戦闘において何よりも重要なのは、相手にどれだけダメージを与えられるかではなく、どれだけ早くダメージを与えられるかである。
魔法の発動には必ず魔法陣が必要であり、無魔法陣の場合、発動や詠唱と同時に術者の周りや攻撃対象付近に魔法陣が出現する。
それは、魔法構築の段階で使用した魔法陣を入口だとするのならば、力の奔流が流れ出す出口である。


神の奇跡の例

広範囲回復魔法
我が愛し子らに祝福を

人物指定（敵意あるものは対象外にするなど）が可能。最大半径１００キロに渡る人々、動植物にかけることが可能。死者蘇生すら可能とする、まさしく神の奇跡。ただ、フィリアが死んだときは創造神は下級神たちの叛逆により、輪廻転生の権能を奪われていたため、蘇生できなかった。

広範囲殲滅魔法
仇敵に滅びを

敵対指定したものの近くにブラックホールを生み出し引きずり込む。生み出したブラックホールは制御されている間は周辺に被害を出さないが制御せずに解放させれば超新星爆発を起こし、辺り一帯を吹き飛ばすことができる。

魔法の例

光系初級魔法
光源ライト

詠唱「我が道、光にて、指し表せ」
そのまんま、光。だいたい、体育館程度の大きさの場所を照らせる。火系にも照らす魔法はあるがそれとは違い熱源が発生しないため安全。ある程度魔法に精通していれば鍵言トリガーだけで発動可能。これとは別に「光シャイン」というのもある。４畳半の部屋を照らす程度の光。詠唱は、「光よ、照らせ」

火系中級魔法「火炎竜巻ファイアートルネード」≒炎系初級魔法「紅蓮嵐撃」ファイアーストーム
詠唱「火の根源、炎の奔流、火炎の原初、荒ぶる風と共に、業火を放ち、吹き荒れよ」
詠唱「炎の奔流、紅蓮の焔ほむら、嵐とともに、敵を葬れ」

火系最上級魔法
紅蓮の劫火ローリングフレイムインフェルノ



光系最上級魔法
絶対的審判アブソリュートジャッジメント

神の奇跡「失望させし者達への天罰」の劣化版のようなもの。空中に大量の魔法陣（半径１メートル程度）を発生させそこから聖なる光の雨を降らせる。半径１００メートルほどまで効果が及ぶ。
詠唱
「聖なる力の奔流、創造神の加護、竜脈により護られ、神々に祝福されし、天上なる力、不遇なる存在、疎まれし者達へ、施しを与え、敵人なる存在、忌避すべき者達へ、審判を下す、定命に縛られながら、神の領域に届かんとす、我が慢心を許し、力を与え賜う、神敵を滅し、全てを貫く刃となりて、敵を滅ぼせ」


神聖魔法
慈愛の祝福アフェクションブレス

聖属性神聖魔法、体力と共に状態異常を回復させる。

詠唱
「聖母の微笑み、神々の加護、創造神の祝福、魂の救済、神聖を捧げる、崇高なる天人、我はここに癒しを望む、彼の者を救い賜え」


光系上級魔法 
聖刃神聖波ディヴァイン･ショックウェーブ
光系上級魔法。

「聖なる力、闇を穿つ光、全能の神よ、我に敵を蹴散らす刃を」詠唱省略バージョン


氷系上級魔法　
天牢雪獄プリズン･ブリザード･ヘル
氷系上級魔法。

「氷神の加護、全てを氷原と化す、力を秘めた霙を、我が命に応じ、発現させよ」詠唱省略バージョン


闇系上級魔法　
堕天使の終焉エンド･オブ･ルシファー
闇系上級魔法。

「暗黒の闇、深淵に眠りし邪悪、封印を破りし災厄、この手に宿り、敵を葬り去れ」詠唱省略バージョン


複合魔法
光と炎（魔法魔術審議会では光炎属性シャイニングフレイムと呼ばれる）

聖焔の神罰ホーリーフレイム･ジャッジメント
光と炎の複合魔法。聖なる劫火であらゆるものを浄化し、焼き尽くす。

「聖なる焔の光、神の名を冠する、超常の力、我が求めに応え、敵を焼き尽くせ”」詠唱省略バージョン