17 / 88
異世界放浪篇
第12話 狩る者の覚悟
しおりを挟む
「ガルルルルゥ…」
狼のような魔物が涎を滴らせながら剣を構えた少年に襲い掛かる。その鋭く尖った牙は少年の細い首筋を捉えたかと思われたが、既の所で少年は躱し持っていた剣で反撃を試みる。
だが、魔物はそれを軽々と宙返りして躱してしまう。それは当然ともいえた。
なぜなら少年の脚は震えており、剣を持つ手も力が入っていないように見えるからだ。
「シノア、怖いのは仕方ない、だけど相手は自分のことを殺そうとしてるの。自然界とは喰うか喰われるか、弱肉強食が基本なんだよ。だからしっかりと踏ん張って相手の動きを観察してから反撃して」
シノアに厳しい言葉をかけたのは近くで傍観しているフィリアだ。
シノアを、命を奪うという行為に慣れさせるため村を襲った魔物を追う道中に出くわした魔物で訓練をしていたのだ。そんな中、突然魔物の動きが素早くなりまるで3匹に増えたかのように見え始めた。
「は、はい!…クッ!こいつ素早くて動きが―」
「目で捉えることに重点を置きすぎないで。かすかな風の音、地面を踏んだ時の衝撃、空間の揺らぎ、小さな違和感を探して身体全体で捉えて」
傍から聞けば“それかっこつけて言ってるけどいわゆる勘じゃ…”と突っ込みたくなる指導だ。だが、フィリアの鬼の修行に3か月耐えたシノアはすっかりフィリア色に染められており、感覚でそれを掴んだ。
「風の音…衝撃…空間…違和感を探す…身体全体で…」
集中し魔物の気配を捉えようとするシノア。そして戸惑いながらも剣を三回振るう。
「お疲れ様、やっぱり三匹だったね」
そう、シノアの周りを高速移動し分身しているように見えた魔物は、実は本当に複数いただけだったのだ。そのためフィリアは気配に気を配るようにシノアにアドバイスをしたのだった。
「シノア、とどめはまだ怖い?」
シノアが切りつけた魔物たちは傷は負っているが、どの個体も動けないだけでその目は今にも飛び掛からんとした殺意が込められたものだった。
「すみません…まだ、その、怖くて…」
「大丈夫、いつかできるようになるよ。それじゃ魔核取り出すついでに解体もするから周囲の警戒、お願いできる?」
そういうとフィリアは大型のハンティングナイフを鞄から取り出し、身動きの取れない魔物に近寄っていく。食料として魔物の肉を切り分けるのと魔核と呼ばれる魔物の第二の心臓のようなものを入手するためだ。魔核は魔法の媒体になったり宝石として重宝されたりとかなり貴重な品だ。生活費に充てるためにも持っていて損はない。
一方、シノアは後始末をフィリアに任せてしまったという情けなさと生物を傷付けたという恐怖を感じながら少し離れた位置で周囲を見回し近付いてくる魔物や人がいないか警戒する。
シノアはいまだに動物を殺すことができずにいた。以前、フィリアが狩ってきたウサギ型の魔物の解体を任されたのだが絞めることもできなかった。あろうことかフィリアが目の前で手本を見せたことで吐いてしまった。転生前は虐待の有無はあるが、それ以外はごく普通の少年だったのだ。猫や犬、ウサギなどの動物が死ぬところすら見たことがなかったのにいきなり絞めろといわれ、挙句の果てに目の前でやってのけられたら吐きもするだろう。
最初に魔物を斬った日は手に付いた血がいつまでも取れないような気がして何度も手を洗ったのものだ。夜は夢で魔物に魘され、恐怖で枕を濡らした。ヘタレのように思えるが現代っ子がいきなり異世界で動物を殺せと言われたのだから当然の反応だろう。慣れようと努力しているだけシノアは頑張っているといえる。
それ以来シノアは必死に生物を殺すことに慣れようとしてきた。だが、何度やっても結果は同じ。傷付けることすら忌避していた最初のころよりは幾分かマシにはなったが、相変わらず命を奪うことには抵抗があった。
シノアが周囲を警戒しているとフィリアのところから肉を切り裂く音と骨を折る音が聞こえてきた。思わずその光景を幻視し、吐き気を催すシノア。しばらくすると音は止み、手を血で染めたフィリアがやってきた。魔核は布に包んで鞄になおし、切り分けた肉は専用の金属の箱に入れ鞄になおしたため片手に大型のナイフを持ち両手は血に染まっているというなかなかホラーチックな絵面になってしまっている。
「毎回だけど、連続殺人鬼みたいだよね私…」
自虐気味のネタに感じていた吐き気なども忘れて思わず吹き出してしまうシノア。
その笑顔を見て安心したフィリアは手を水系の魔法で洗い流し、シノアを急かす。
「さぁ行こう。ヤツを見失ったらあの子との約束、果たせないよ」
「は、はい!でも、こんな大きな跡があるから追うのは簡単ですね」
シノアの視線の先には折れた大木や巨大な足跡があり、どちらの方角へ向かったのかは一目瞭然だ。
「そうなんだけどね…いやな予感がするの。今追ってる魔物の検討はついてるんだけどまだ冬眠中のはずだから…」
そういうと腕を組み考え込むようなしぐさをするフィリア。
「え?フィリアさん、今追ってる魔物の正体知ってるんですか?」
驚いたようにフィリアを見るシノア。
「うん、たぶんね。これだけの大木を移動するだけでなぎ倒してしまうほどの巨体、生息域は森の中、獲物を生きたまま棲み処に連れていく習性、間違いなくジャバウォックだと思う」
ジャバウォック、それは熟練のハンター集団でさえ犠牲なしに狩るのは不可能とされる災害級のモンスターだ。その全長は5メートルを超え、小型のドラゴンとさえ言われている。しかし、その危険性と比例するように素材の希少価値も高く、貴族たちがお抱えの冒険者やハンターを向かわせ、無駄死にさせることも珍しくはない。目撃されれば大規模な討伐隊が組まれ、周辺地域には避難勧告が出されるほど危険な魔物だ。
「ジャバウォック…たしか、中型の魔物を好んで食す肉食の魔物でしたっけ…あれ、でもジャバウォックの活動時期は四月、じゃなかった畏の月だけだったのでは…」
シノアの言う通り、ジャバウォックの活動時期は畏の月と呼ばれる、日本でいう4月に当たる時期のみだ。今は創の月で日本では1月に当たる時期だ。大型の魔物であればあるほど活動時期は限られており、その時期がずれることは、ほとんどないといってもいい。
「そうなんだよね。だから別の魔物って線も考えてるんだけど、今のところはジャバウォックの変異種ってのが濃厚かな」
魔物には変異種と呼ばれるものが存在し、生息域が違ったり、活動時期が異なったり、色や姿が別だったりと通常種との違いは様々だ。
「なるほど…ここ10年はジャバウォックの討伐記録すらありませんし生態系の変化から新しい環境に適応したとも考えられますね」
シノアの冷静な考察に目を丸くするフィリア。
「な、なんですかその目は」
「いや、相変わらず勉強熱心だなーって思ってさ。よく歴史書とか魔物生態史とか読んでるから詳しいのは当然かもしれないけど、討伐記録まで網羅してるとはね」
「そ、そうでしょうか」
フィリアの称賛を照れたように誤魔化すシノア。ぽりぽりと頬を書くと自虐染みた笑顔を浮かべる。
「前は静かに勉強なんてできなくて、ゆっくり読書する時間もなかったんです。だから新しい環境で自分の生活に役立つ知識を得られることがうれしくて…」
転生前は事あるごとにいじめの対象になっていたため、授業中はおろか休み時間も勉強などできなかった。家では虐待を受けていたため当然のごとく自分の時間などなく、数少ない友人の家に上がり込んでは教科書とノートを見せてもらっていた。そんなシノアの姿を見たフィリアは“まったく…”といった様子で動き出す。
「そんな顔しちゃだめだよ。この世界にはシノアをいじめる人なんていないんだから自分のやりたいことを好きにやっちゃっていいんだよ?」
シノアの頬を両手で包み、自分の方へ向けさせるフィリア。その顔には聖母と見紛うほど優し気な笑みが浮かんでいた。そして、それを少し悪戯っ子のようなものに変えると―
「それに、今のシノアならそんな人たちなんて一捻りでしょ?」
クスクスと笑いながら言い放った。
確かにシノアは強くなった。召喚されてすぐはスキルも何も持たず魔法適性もまったくなかったシノアだが、努力の末、いくつかのスキルを獲得し魔法も習得し始めている。相変わらずレベルは1のままだったが。それでもシノアをいじめていた連中など片手であしらうことができるだろう。ともに召喚された榊原たちには逆に片手であしらわれることになるだろうが…
「そ、そんなことないですよ。それに僕はできれば争い事は…」
「あいっ変わらず優しいなー。まぁ、そこもシノアのいいところだけどね。でも、優しさと甘さを履き違えちゃだめだよ。さ、行こ」
フィリアの忠告をしっかりと受けとめ先に進むシノア。
この先に何が待っているのかもしらずに…
狼のような魔物が涎を滴らせながら剣を構えた少年に襲い掛かる。その鋭く尖った牙は少年の細い首筋を捉えたかと思われたが、既の所で少年は躱し持っていた剣で反撃を試みる。
だが、魔物はそれを軽々と宙返りして躱してしまう。それは当然ともいえた。
なぜなら少年の脚は震えており、剣を持つ手も力が入っていないように見えるからだ。
「シノア、怖いのは仕方ない、だけど相手は自分のことを殺そうとしてるの。自然界とは喰うか喰われるか、弱肉強食が基本なんだよ。だからしっかりと踏ん張って相手の動きを観察してから反撃して」
シノアに厳しい言葉をかけたのは近くで傍観しているフィリアだ。
シノアを、命を奪うという行為に慣れさせるため村を襲った魔物を追う道中に出くわした魔物で訓練をしていたのだ。そんな中、突然魔物の動きが素早くなりまるで3匹に増えたかのように見え始めた。
「は、はい!…クッ!こいつ素早くて動きが―」
「目で捉えることに重点を置きすぎないで。かすかな風の音、地面を踏んだ時の衝撃、空間の揺らぎ、小さな違和感を探して身体全体で捉えて」
傍から聞けば“それかっこつけて言ってるけどいわゆる勘じゃ…”と突っ込みたくなる指導だ。だが、フィリアの鬼の修行に3か月耐えたシノアはすっかりフィリア色に染められており、感覚でそれを掴んだ。
「風の音…衝撃…空間…違和感を探す…身体全体で…」
集中し魔物の気配を捉えようとするシノア。そして戸惑いながらも剣を三回振るう。
「お疲れ様、やっぱり三匹だったね」
そう、シノアの周りを高速移動し分身しているように見えた魔物は、実は本当に複数いただけだったのだ。そのためフィリアは気配に気を配るようにシノアにアドバイスをしたのだった。
「シノア、とどめはまだ怖い?」
シノアが切りつけた魔物たちは傷は負っているが、どの個体も動けないだけでその目は今にも飛び掛からんとした殺意が込められたものだった。
「すみません…まだ、その、怖くて…」
「大丈夫、いつかできるようになるよ。それじゃ魔核取り出すついでに解体もするから周囲の警戒、お願いできる?」
そういうとフィリアは大型のハンティングナイフを鞄から取り出し、身動きの取れない魔物に近寄っていく。食料として魔物の肉を切り分けるのと魔核と呼ばれる魔物の第二の心臓のようなものを入手するためだ。魔核は魔法の媒体になったり宝石として重宝されたりとかなり貴重な品だ。生活費に充てるためにも持っていて損はない。
一方、シノアは後始末をフィリアに任せてしまったという情けなさと生物を傷付けたという恐怖を感じながら少し離れた位置で周囲を見回し近付いてくる魔物や人がいないか警戒する。
シノアはいまだに動物を殺すことができずにいた。以前、フィリアが狩ってきたウサギ型の魔物の解体を任されたのだが絞めることもできなかった。あろうことかフィリアが目の前で手本を見せたことで吐いてしまった。転生前は虐待の有無はあるが、それ以外はごく普通の少年だったのだ。猫や犬、ウサギなどの動物が死ぬところすら見たことがなかったのにいきなり絞めろといわれ、挙句の果てに目の前でやってのけられたら吐きもするだろう。
最初に魔物を斬った日は手に付いた血がいつまでも取れないような気がして何度も手を洗ったのものだ。夜は夢で魔物に魘され、恐怖で枕を濡らした。ヘタレのように思えるが現代っ子がいきなり異世界で動物を殺せと言われたのだから当然の反応だろう。慣れようと努力しているだけシノアは頑張っているといえる。
それ以来シノアは必死に生物を殺すことに慣れようとしてきた。だが、何度やっても結果は同じ。傷付けることすら忌避していた最初のころよりは幾分かマシにはなったが、相変わらず命を奪うことには抵抗があった。
シノアが周囲を警戒しているとフィリアのところから肉を切り裂く音と骨を折る音が聞こえてきた。思わずその光景を幻視し、吐き気を催すシノア。しばらくすると音は止み、手を血で染めたフィリアがやってきた。魔核は布に包んで鞄になおし、切り分けた肉は専用の金属の箱に入れ鞄になおしたため片手に大型のナイフを持ち両手は血に染まっているというなかなかホラーチックな絵面になってしまっている。
「毎回だけど、連続殺人鬼みたいだよね私…」
自虐気味のネタに感じていた吐き気なども忘れて思わず吹き出してしまうシノア。
その笑顔を見て安心したフィリアは手を水系の魔法で洗い流し、シノアを急かす。
「さぁ行こう。ヤツを見失ったらあの子との約束、果たせないよ」
「は、はい!でも、こんな大きな跡があるから追うのは簡単ですね」
シノアの視線の先には折れた大木や巨大な足跡があり、どちらの方角へ向かったのかは一目瞭然だ。
「そうなんだけどね…いやな予感がするの。今追ってる魔物の検討はついてるんだけどまだ冬眠中のはずだから…」
そういうと腕を組み考え込むようなしぐさをするフィリア。
「え?フィリアさん、今追ってる魔物の正体知ってるんですか?」
驚いたようにフィリアを見るシノア。
「うん、たぶんね。これだけの大木を移動するだけでなぎ倒してしまうほどの巨体、生息域は森の中、獲物を生きたまま棲み処に連れていく習性、間違いなくジャバウォックだと思う」
ジャバウォック、それは熟練のハンター集団でさえ犠牲なしに狩るのは不可能とされる災害級のモンスターだ。その全長は5メートルを超え、小型のドラゴンとさえ言われている。しかし、その危険性と比例するように素材の希少価値も高く、貴族たちがお抱えの冒険者やハンターを向かわせ、無駄死にさせることも珍しくはない。目撃されれば大規模な討伐隊が組まれ、周辺地域には避難勧告が出されるほど危険な魔物だ。
「ジャバウォック…たしか、中型の魔物を好んで食す肉食の魔物でしたっけ…あれ、でもジャバウォックの活動時期は四月、じゃなかった畏の月だけだったのでは…」
シノアの言う通り、ジャバウォックの活動時期は畏の月と呼ばれる、日本でいう4月に当たる時期のみだ。今は創の月で日本では1月に当たる時期だ。大型の魔物であればあるほど活動時期は限られており、その時期がずれることは、ほとんどないといってもいい。
「そうなんだよね。だから別の魔物って線も考えてるんだけど、今のところはジャバウォックの変異種ってのが濃厚かな」
魔物には変異種と呼ばれるものが存在し、生息域が違ったり、活動時期が異なったり、色や姿が別だったりと通常種との違いは様々だ。
「なるほど…ここ10年はジャバウォックの討伐記録すらありませんし生態系の変化から新しい環境に適応したとも考えられますね」
シノアの冷静な考察に目を丸くするフィリア。
「な、なんですかその目は」
「いや、相変わらず勉強熱心だなーって思ってさ。よく歴史書とか魔物生態史とか読んでるから詳しいのは当然かもしれないけど、討伐記録まで網羅してるとはね」
「そ、そうでしょうか」
フィリアの称賛を照れたように誤魔化すシノア。ぽりぽりと頬を書くと自虐染みた笑顔を浮かべる。
「前は静かに勉強なんてできなくて、ゆっくり読書する時間もなかったんです。だから新しい環境で自分の生活に役立つ知識を得られることがうれしくて…」
転生前は事あるごとにいじめの対象になっていたため、授業中はおろか休み時間も勉強などできなかった。家では虐待を受けていたため当然のごとく自分の時間などなく、数少ない友人の家に上がり込んでは教科書とノートを見せてもらっていた。そんなシノアの姿を見たフィリアは“まったく…”といった様子で動き出す。
「そんな顔しちゃだめだよ。この世界にはシノアをいじめる人なんていないんだから自分のやりたいことを好きにやっちゃっていいんだよ?」
シノアの頬を両手で包み、自分の方へ向けさせるフィリア。その顔には聖母と見紛うほど優し気な笑みが浮かんでいた。そして、それを少し悪戯っ子のようなものに変えると―
「それに、今のシノアならそんな人たちなんて一捻りでしょ?」
クスクスと笑いながら言い放った。
確かにシノアは強くなった。召喚されてすぐはスキルも何も持たず魔法適性もまったくなかったシノアだが、努力の末、いくつかのスキルを獲得し魔法も習得し始めている。相変わらずレベルは1のままだったが。それでもシノアをいじめていた連中など片手であしらうことができるだろう。ともに召喚された榊原たちには逆に片手であしらわれることになるだろうが…
「そ、そんなことないですよ。それに僕はできれば争い事は…」
「あいっ変わらず優しいなー。まぁ、そこもシノアのいいところだけどね。でも、優しさと甘さを履き違えちゃだめだよ。さ、行こ」
フィリアの忠告をしっかりと受けとめ先に進むシノア。
この先に何が待っているのかもしらずに…
0
お気に入りに追加
794
あなたにおすすめの小説
「専門職に劣るからいらない」とパーティから追放された万能勇者、教育係として新人と組んだらヤベェ奴らだった。俺を追放した連中は自滅してるもよう
138ネコ@書籍化&コミカライズしました
ファンタジー
「近接は戦士に劣って、魔法は魔法使いに劣って、回復は回復術師に劣る勇者とか、居ても邪魔なだけだ」
パーティを組んでBランク冒険者になったアンリ。
彼は世界でも稀有なる才能である、全てのスキルを使う事が出来るユニークスキル「オールラウンダー」の持ち主である。
彼は「オールラウンダー」を持つ者だけがなれる、全てのスキルに適性を持つ「勇者」職についていた。
あらゆるスキルを使いこなしていた彼だが、専門職に劣っているという理由でパーティを追放されてしまう。
元パーティメンバーから装備を奪われ、「アイツはパーティの金を盗んだ」と悪評を流された事により、誰も彼を受け入れてくれなかった。
孤児であるアンリは帰る場所などなく、途方にくれているとギルド職員から新人の教官になる提案をされる。
「誰も組んでくれないなら、新人を育て上げてパーティを組んだ方が良いかもな」
アンリには夢があった。かつて災害で家族を失い、自らも死ぬ寸前の所を助けてくれた冒険者に礼を言うという夢。
しかし助けてくれた冒険者が居る場所は、Sランク冒険者しか踏み入ることが許されない危険な土地。夢を叶えるためにはSランクになる必要があった。
誰もパーティを組んでくれないのなら、多少遠回りになるが、育て上げた新人とパーティを組みSランクを目指そう。
そう思い提案を受け、新人とパーティを組み心機一転を図るアンリ。だが彼の元に来た新人は。
モンスターに追いかけ回されて泣き出すタンク。
拳に攻撃魔法を乗せて戦う殴りマジシャン。
ケガに対して、気合いで治せと無茶振りをする体育会系ヒーラー。
どいつもこいつも一癖も二癖もある問題児に頭を抱えるアンリだが、彼は持ち前の万能っぷりで次々と問題を解決し、仲間たちとSランクを目指してランクを上げていった。
彼が新人教育に頭を抱える一方で、彼を追放したパーティは段々とパーティ崩壊の道を辿ることになる。彼らは気付いていなかった、アンリが近接、遠距離、補助、“それ以外”の全てを1人でこなしてくれていた事に。
※ 人間、エルフ、獣人等の複数ヒロインのハーレム物です。
※ 小説家になろうさんでも投稿しております。面白いと感じたらそちらもブクマや評価をしていただけると励みになります。
※ イラストはどろねみ先生に描いて頂きました。
引きこもり転生エルフ、仕方なく旅に出る
Greis
ファンタジー
旧題:引きこもり転生エルフ、強制的に旅に出される
・2021/10/29 第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞 こちらの賞をアルファポリス様から頂く事が出来ました。
実家暮らし、25歳のぽっちゃり会社員の俺は、日ごろの不摂生がたたり、読書中に死亡。転生先は、剣と魔法の世界の一種族、エルフだ。一分一秒も無駄にできない前世に比べると、だいぶのんびりしている今世の生活の方が、自分に合っていた。次第に、兄や姉、友人などが、見分のために外に出ていくのを見送る俺を、心配しだす両親や師匠たち。そしてついに、(強制的に)旅に出ることになりました。
※のんびり進むので、戦闘に関しては、話数が進んでからになりますので、ご注意ください。
秘密多め令嬢の自由でデンジャラスな生活〜魔力0、超虚弱体質、たまに白い獣で大冒険して、溺愛されてる話
嵐華子
ファンタジー
【旧題】秘密の多い魔力0令嬢の自由ライフ。
【あらすじ】
イケメン魔術師一家の超虚弱体質養女は史上3人目の魔力0人間。
しかし本人はもちろん、通称、魔王と悪魔兄弟(義理家族達)は気にしない。
ついでに魔王と悪魔兄弟は王子達への雷撃も、国王と宰相の頭を燃やしても、凍らせても気にしない。
そんな一家はむしろ互いに愛情過多。
あてられた周りだけ食傷気味。
「でも魔力0だから魔法が使えないって誰が決めたの?」
なんて養女は言う。
今の所、魔法を使った事ないんですけどね。
ただし時々白い獣になって何かしらやらかしている模様。
僕呼びも含めて養女には色々秘密があるけど、令嬢の成長と共に少しずつ明らかになっていく。
一家の望みは表舞台に出る事なく家族でスローライフ……無理じゃないだろうか。
生活にも困らず、むしろ養女はやりたい事をやりたいように、自由に生きているだけで懐が潤いまくり、慰謝料も魔王達がガッポリ回収しては手渡すからか、懐は潤っている。
でもスローなライフは無理っぽい。
__そんなお話。
※お気に入り登録、コメント、その他色々ありがとうございます。
※他サイトでも掲載中。
※1話1600〜2000文字くらいの、下スクロールでサクサク読めるように句読点改行しています。
※主人公は溺愛されまくりですが、一部を除いて恋愛要素は今のところ無い模様。
※サブも含めてタイトルのセンスは壊滅的にありません(自分的にしっくりくるまでちょくちょく変更すると思います)。
俺は善人にはなれない
気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。
4層世界の最下層、魔物の森で生き残る~生存率0.1%未満の試練~
TOYA
ファンタジー
~完結済み~
「この世界のルールはとても残酷だ。10歳の洗礼の試練は避ける事が出来ないんだ」
この世界で大人になるには、10歳で必ず発生する洗礼の試練で生き残らなければならない。
その試練はこの世界の最下層、魔物の巣窟にたった一人で放り出される残酷な内容だった。
生存率は1%未満。大勢の子供たちは成す術も無く魔物に食い殺されて行く中、
生き延び、帰還する為の魔法を覚えなければならない。
だが……魔法には帰還する為の魔法の更に先が存在した。
それに気がついた主人公、ロフルはその先の魔法を習得すべく
帰還せず魔物の巣窟に残り、奮闘する。
いずれ同じこの地獄へと落ちてくる、妹弟を救うために。
※あらすじは第一章の内容です。
―――
本作品は小説家になろう様 カクヨム様でも連載しております。
【完結】婚活に疲れた救急医まだ見ぬ未来の嫁ちゃんを求めて異世界へ行く
川原源明
ファンタジー
伊東誠明(いとうまさあき)35歳
都内の大学病院で救命救急センターで医師として働いていた。仕事は順風満帆だが、プライベートを満たすために始めた婚活も運命の女性を見つけることが出来ないまま5年の月日が流れた。
そんな時、久しぶりに命の恩人であり、医師としての師匠でもある秋津先生を見かけ「良い人を紹介してください」と伝えたが、良い答えは貰えなかった。
自分が居る救命救急センターの看護主任をしている萩原さんに相談してみてはと言われ、職場に戻った誠明はすぐに萩原さんに相談すると、仕事後によく当たるという占いに行くことになった。
終業後、萩原さんと共に占いの館を目指していると、萩原さんから不思議な事を聞いた。「何か深い悩みを抱えてない限りたどり着けないとい」という、不安な気持ちになりつつも、占いの館にたどり着いた。
占い師の老婆から、運命の相手は日本に居ないと告げられ、国際結婚!?とワクワクするような答えが返ってきた。色々旅支度をしたうえで、3日後再度占いの館に来るように指示された。
誠明は、どんな辺境の地に行っても困らないように、キャンプ道具などの道具から、食材、手術道具、薬等買える物をすべてそろえてた。
3日後占いの館を訪れると。占い師の老婆から思わぬことを言われた。国際結婚ではなく、異世界結婚だと判明し、行かなければ生涯独身が約束されると聞いて、迷わず行くという選択肢を取った。
異世界転移から始まる運命の嫁ちゃん探し、誠明は無事理想の嫁ちゃんを迎えることが出来るのか!?
異世界で、医師として活動しながら婚活する物語!
全90話+幕間予定 90話まで作成済み。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
拝啓、お父様お母様 勇者パーティをクビになりました。
ちくわ feat. 亜鳳
ファンタジー
弱い、使えないと勇者パーティをクビになった
16歳の少年【カン】
しかし彼は転生者であり、勇者パーティに配属される前は【無冠の帝王】とまで謳われた最強の武・剣道者だ
これで魔導まで極めているのだが
王国より勇者の尊厳とレベルが上がるまではその実力を隠せと言われ
渋々それに付き合っていた…
だが、勘違いした勇者にパーティを追い出されてしまう
この物語はそんな最強の少年【カン】が「もう知るか!王命何かくそ食らえ!!」と実力解放して好き勝手に過ごすだけのストーリーである
※タイトルは思い付かなかったので適当です
※5話【ギルド長との対談】を持って前書きを廃止致しました
以降はあとがきに変更になります
※現在執筆に集中させて頂くべく
必要最低限の感想しか返信できません、ご理解のほどよろしくお願いいたします
※現在書き溜め中、もうしばらくお待ちください
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる