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1.お姉様と国王暗殺未遂事件
11.ヒイロのコンプレックス
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翌朝、俺がムータを抱きながら応接間に行くと、アオイとヒイロが食事をとっていた。
「おはようございます、お姉さま」
にこやかな笑顔で立ち上がるアオイに対し、ヒイロは黙々とパンを食べている。
「ああ、おはよう」
俺は近くの椅子に腰かける。
昨日のドレスとはうって変わり、二人ともシンプルな黒いワンピースを着ている。化粧はほとんどしていないが、それでも目鼻立ちが整っているのが分かる。美形姉妹だ。
「なあ、そのお姉さまってのだけどさ」
「はい、なんでしょう?」
俺が切り出すと、アオイはニコニコと返事をする。どうやら昨日の出来事はそんなに引きずってないらしい。
「アオイには本当のお姉ちゃんがいるじゃないか。それに、アオイって今いくつだ?」
「十八ですけど?」
にこやかに答えるアオイ。俺より二歳も年上じゃねーか!
「俺よりも年上なのに、お姉さまでいいのか?」
「いいんです。お姉さまとは概念的なものなのです♪」
なぜか嬉しそうなアオイ。
よく分からないが、アオイがいいのならそれでいいのか?
ヒイロは黙ってそっぽを向く。
「お姉さまおはよう~」
モアも寝ぼけ眼をこすりながらやってくる。
「モア♡」
あーっ、モアは今日も可愛い。なんか前髪に変な寝癖がついてるけど、そんなちょっとヌケてるところも最高だ!!
モアは笑顔でトテトテと歩いてくると、俺が抱いているムータに目を止め首を傾げた。
「あれ? ムータくん、どうしたの? きれいなお姉さん、好きでしょ?」
見るとムータは毛を逆立ててフー!と姉妹を威嚇している。
どうしたんだ? 昨日はあんなに胸にスリスリして機嫌が良かったじゃないか。
俺は姉妹の方をじっと見た。ま、まさか!
「まさか、胸が小さいから気に入らないのか!?」
「お、お姉さま!」
思わず口に出てしまったその言葉に、モアが慌てる。あ、少し失礼だったか?
姉妹の方を見ると、ヒイロが肉を串刺しにしたフォークを手にブルブル震えている。
「ね、姉さん?」
アオイがヒイロの顔を恐る恐るのぞき込む。ガシャン、と大きな音を立て、フォークがテーブルに置かれる。ヒイロは鬼でも両手を上げて逃げ出しそうな形相でこちらを見据えた。
「だれが貧乳だって?」
「ヒッ!」
あまりの形相に、モアが俺の腕にすがりつく。ムータも部屋の外へと逃げてしまった。
「ね、姉さん落ち着い……」
「私は落ち着いている!」
オロオロするアオイを睨みつけるヒイロ。ど、どこが落ち着いてるんだよー!!
「そもそも、胸なんてのはただの脂肪だし? そんなもので人の魅力は計れないっていうか?」
「そ、そうですよねー」
「う、うん。そうそう」
アオイとモアまでフォローに回る。俺も慌ててこう言った。
「そうだよな、乳なんて邪魔なだけだ! 俺は何も無くても構わないよな!」
「お、お姉さま!」
モアが俺の腕を引っ張る。
「あ、そっか、何も無いは言い過ぎだな! 有るか無いか分からないほど微かだけど有るんだしな!」
しどろもどろになりながら、フォローになってないフォローをしていると、ヒイロが、おもむろに立ち上がった。
「……殺す!」
ひぃ、怖いよぉ!
だがノックの音と共に入ってきた爺やの一言により、場は静まり返る。
「姫さま、大変です。昨日捉えた賊が、奥歯に仕込んでいたと思われる毒を飲んで自殺しました!」
「何だって?」
「おはようございます、お姉さま」
にこやかな笑顔で立ち上がるアオイに対し、ヒイロは黙々とパンを食べている。
「ああ、おはよう」
俺は近くの椅子に腰かける。
昨日のドレスとはうって変わり、二人ともシンプルな黒いワンピースを着ている。化粧はほとんどしていないが、それでも目鼻立ちが整っているのが分かる。美形姉妹だ。
「なあ、そのお姉さまってのだけどさ」
「はい、なんでしょう?」
俺が切り出すと、アオイはニコニコと返事をする。どうやら昨日の出来事はそんなに引きずってないらしい。
「アオイには本当のお姉ちゃんがいるじゃないか。それに、アオイって今いくつだ?」
「十八ですけど?」
にこやかに答えるアオイ。俺より二歳も年上じゃねーか!
「俺よりも年上なのに、お姉さまでいいのか?」
「いいんです。お姉さまとは概念的なものなのです♪」
なぜか嬉しそうなアオイ。
よく分からないが、アオイがいいのならそれでいいのか?
ヒイロは黙ってそっぽを向く。
「お姉さまおはよう~」
モアも寝ぼけ眼をこすりながらやってくる。
「モア♡」
あーっ、モアは今日も可愛い。なんか前髪に変な寝癖がついてるけど、そんなちょっとヌケてるところも最高だ!!
モアは笑顔でトテトテと歩いてくると、俺が抱いているムータに目を止め首を傾げた。
「あれ? ムータくん、どうしたの? きれいなお姉さん、好きでしょ?」
見るとムータは毛を逆立ててフー!と姉妹を威嚇している。
どうしたんだ? 昨日はあんなに胸にスリスリして機嫌が良かったじゃないか。
俺は姉妹の方をじっと見た。ま、まさか!
「まさか、胸が小さいから気に入らないのか!?」
「お、お姉さま!」
思わず口に出てしまったその言葉に、モアが慌てる。あ、少し失礼だったか?
姉妹の方を見ると、ヒイロが肉を串刺しにしたフォークを手にブルブル震えている。
「ね、姉さん?」
アオイがヒイロの顔を恐る恐るのぞき込む。ガシャン、と大きな音を立て、フォークがテーブルに置かれる。ヒイロは鬼でも両手を上げて逃げ出しそうな形相でこちらを見据えた。
「だれが貧乳だって?」
「ヒッ!」
あまりの形相に、モアが俺の腕にすがりつく。ムータも部屋の外へと逃げてしまった。
「ね、姉さん落ち着い……」
「私は落ち着いている!」
オロオロするアオイを睨みつけるヒイロ。ど、どこが落ち着いてるんだよー!!
「そもそも、胸なんてのはただの脂肪だし? そんなもので人の魅力は計れないっていうか?」
「そ、そうですよねー」
「う、うん。そうそう」
アオイとモアまでフォローに回る。俺も慌ててこう言った。
「そうだよな、乳なんて邪魔なだけだ! 俺は何も無くても構わないよな!」
「お、お姉さま!」
モアが俺の腕を引っ張る。
「あ、そっか、何も無いは言い過ぎだな! 有るか無いか分からないほど微かだけど有るんだしな!」
しどろもどろになりながら、フォローになってないフォローをしていると、ヒイロが、おもむろに立ち上がった。
「……殺す!」
ひぃ、怖いよぉ!
だがノックの音と共に入ってきた爺やの一言により、場は静まり返る。
「姫さま、大変です。昨日捉えた賊が、奥歯に仕込んでいたと思われる毒を飲んで自殺しました!」
「何だって?」
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