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第1章 皇女は旅立つ
一期一会って大切だよねぇ。 よん!
しおりを挟む「…………………」
はーいどうも!従者君に私が死んでから今までの出来事を余すことなく全て報告をしたらぁ、従者君の猫耳がしなびちゃて無言になったのですけど!?
どうしよう!何を言われるか怖くて足がガクブルなルーナエちゃんです☆
いやー誤魔化すことも考えたのだけどね?これから先、一緒に旅へ出たらずっと騙し続ける芸当は私には無理!演技が下手くそだからって理由で真実を喋ったけど、おとなしい従者君には刺激が強すぎたかな?
「…………皇女殿下は、これからどうなさるのですか」
「さっきも言ったよ?私は冒険者になって世界中を冒険する。だから従者君は………アモルは私と行くか、このまま獣人国で保護して貰うか自分自身で考えて」
従者であるアモルは血統奴隷だ。我が帝国では、借金奴隷と犯罪者奴隷、血統奴隷の3つが存在する。
借金奴隷は、なにかしらの理由で借金を抱えて自分でお金を返済出来なくなった人。
犯罪者奴隷は、他者を傷付けたり無意味な殺人を犯したり騙すなどの理由から捕縛された人。
この奴隷達は期限が決まっており、犯した罪により奴隷時間が決まる。
まぁ、犯罪者奴隷は一番酷いと死ぬまで奴隷だけどね。
借金奴隷は解放された後、個人の自由意志でそのまま仕えた主人の元で働き続けることも出来る。
最後の血統奴隷は二つの奴隷制度とは全く異なる。
そもそも、血統奴隷は有名な血筋を持つ奴隷から生まれた者を血統奴隷と呼ぶ。
王家から認められた奴隷商人5名が所有する商品が血統付きになるのだ。
血統奴隷は様々な能力、技能が個体によって確実に発現する。
発現した才能を、個別で伸ばす。
だから、優れた知能を持つ者や強靭的肉体を持った一芸に秀でた存在が生まれるのだよ。
そんな逸材を王家や貴族が黙る訳ないよね!だから争奪戦を避けるためなのか、血統奴隷ってメチャクチャ高い。血統を持つ事がお偉いさん方のステータスだからね。
そんなん自分のステータスに反映される訳ねぇだろゴミめ。ぺっ!
「貴方は貴方なのですね。….……皇女殿下が5歳の頃、わたくしの目を見て貴方は仰りました」
「従者のお前が、血統奴隷でどれほど優れた能力を持っていてもお前自身が優れていなければ宝の持ち腐れだとキッパリ言われました」
う、うわー。確かに上から目線で暴言吐きましたね。
能力持ってるお前にだけ価値があるだけで、お前の存在なぞ誰も見てねぇよ!!とか思ってた時期だな!悪役ヒロイン、マジぱねぇわ。
あっっ。その悪役まんま私じゃん!?
「ごっごめんね。あのときは周りの物全てが敵に見えてたから………」
私はどこの猛獣だ。目に映る存在を片っ端から敵認定するなどバカかっ!
「わたくしに謝罪する必要はありません。貴方の言葉で、わたくしは救われたのですから」
え?え?なんぞ??暴言吐いただけだよ。君を傷付けただけで救ってなどないぞ!?
しこたま混乱する私にアモルは音もなく近く。
「敬愛なる我が君。わたくしの外側の価値ではなく、私自身を指摘したのは我が君が初めてだったのですよ?」
彼のしなやかな腕が真っ直ぐに私へと伸びる。
伸ばされた指先は細く、だけどよく見ると手の平には剣だこが無数にあって驚く。
今起きている状況にも混乱する私をよそに、アモルは想像より男らしい手で髪を撫でた。
撫でられた。
なっなでられた!?
はっ!?撫でられた!!!!!!
なにこの生き物!?怖いんですけど!
なぜにイケメンにナデナデされてるの!!
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