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三章 Renewal
五月 <事故> 15
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大吾達とマンションの屋上で過ごした後、
俺は一度帰宅してから塾の荷物を持って家を出た。
そして家の近くの公衆電話から
塾へ休むという連絡を入れてから、
あてもなく自転車を漕いだ。
今は体を動かしたい気分だった。
今日は午後から緊張の連続だった。
その緊張は解けたが、
俺の脳はまだアドレナリンを放出し続けていた。
そしてふと奥川の顔が浮かんだ。
その時、
丁度タイミングよく電話ボックスを見つけた。
俺は自転車を止めて
公衆電話の受話器を手に取った。
暗記している番号を押すと、
しばらくして奥川が出た。
運命の悪戯か、
今夜も一人で家にいると奥川は言った。
俺が「今から行く」と言うと、
少し驚いたようだが
「うん」
という短い言葉が返ってきた。
俺は自転車に飛び乗ると
力いっぱいペダルを踏み込んだ。
呼び鈴を鳴らすとすぐに玄関が開いた。
奥川は白いTシャツに
この間の夜と同じショートパンツを履いていた。
その姿を見て俺の頭のネジが外れた。
部屋に入ってすぐに
俺は彼女をベッドに押し倒した。
奥川の口をキスで塞いで、
俺はTシャツの上から胸を揉んだ。
「んっ」
奥川の喉から声が漏れた。
俺は彼女の口内に舌を入れて奥川の舌を弄った。
「ん、んっ」
そして十分味わってから唇を離した。
奥川は目を閉じて小さく震えていた。
俺は奥川に馬乗りになると
Tシャツを力任せに引き裂いた。
「いやあぁぁ、何するのっ」
得も言われぬ興奮が俺の脳内を駆け巡った。
奥川の目が見開かれて
その表情が驚きに変わっていた。
その表情を見て、俺はさらに興奮した。
俺はすぐさま水色のブラジャーをはぎ取った。
「やだっ、やめて、あっくん」
奥川の叫びを無視して
俺は露になった乳房を鷲掴みすると
乱暴に揉みしだいた。
「やめてっ!」
抵抗する奥川の腕を押さえつけて
俺は左の乳首に噛みついた。
「痛いっ!」
同時に右の乳房を指で弄んだ。
乳首を甘く噛みながら舌で先端を嘗め回した。
徐々に奥川の体から力が抜けるのがわかった。
「やだ・・」
その小さい声からは
もはや抵抗の意志は感じられなかった。
「お願い、あっくん、暗くして・・」
奥川は恥ずかしそうに手で顔を隠していた。
「だめだ。
明るい灯の下で
お前の体をじっくり観察しながらヤるんだ」
俺は奥川の手を取って頭の上で押さえつけた。
「いやっ・・」
目を閉じて頬を紅く染めた奥川の顔が見えた。
その瞬間、俺は我に返った。
さっきまで熱く固く猛っていた俺自身が、
空気の抜けた風船のように萎んでいた。
「ご、ごめん!奥川」
俺は急いで奥川を起こした。
「・・どうしたの?」
奥川は恥ずかしそうに手で胸を隠した。
「ごめん・・。どうかしてたんだ」
俺は床に落ちている無残に引き裂かれた
白いTシャツを拾い上げた。
それはすでに服としての機能を失っていた。
俺はベッドの上のタオルケットを取って
彼女の肩からそっとかけた。
「本当にごめん、奥川。大丈夫か?」
俺は奥川の目を直視できなかった。
「あっくんこそ大丈夫?何か変だよ?」
「う、うん。俺は大丈夫。何でもないよ」
「アイスコーヒー飲む?あっくん好きでしょ?」
奥川は俺の返事を待たずに部屋を出ていった。
お盆を手に部屋に戻ってきた奥川は
淡い黄色のTシャツを着ていた。
俺達はベッドに背を預けて並んで床に座った。
アイスコーヒーを一口飲むと、
ようやく心が落ち着いてきた。
そして俺は改めて先ほどの愚行を奥川に謝罪した。
「本当にどうしたの?何かあった?」
俺は放課後の出来事を奥川に話した。
少しでも先ほどの愚行から
話題をそらしたかったのだ。
「へえ。熊谷君達、煙草を吸ってるんだ」
奥川はそれほど驚いた様子でもなかった。
そういえば奥川自身も中学生になると
煙草に手を出す。
俺は彼女が体育館の裏で
煙草を吸っているところを
何度か目撃したことがあった。
「あっくんはこれ以上吸っちゃ駄目だからね」
そう言って奥川はキッと俺を睨んだ。
先ほどのベッドの上の
しおらしい表情とは打って変って、
そこには普段の気の強い奥川がいた。
俺はホッと胸を撫で下ろした。
安心すると急に笑いが込み上げてきた。
「あー。笑ってる」
そう言って奥川は口を尖らせた。
「ごめん、ごめん。
まあ一本吸って俺も共犯だから、
今後は吸わなくても大丈夫さ」
「もし無理に吸わされたら
私が熊谷君に言ってあげる」
奥川なら本当に言いかねないと思った。
そして大吾は奥川の言葉に従うだろう。
その結果、
大吾との和平条約は一方的に破棄されて
俺はふたたび無意味な戦争に巻き込まれるのだ。
「い、いや、それは困る。
今話したことは秘密にしてくれないと」
「そっか」
微笑む奥川に俺はぎこちない笑顔を返した。
俺は一度帰宅してから塾の荷物を持って家を出た。
そして家の近くの公衆電話から
塾へ休むという連絡を入れてから、
あてもなく自転車を漕いだ。
今は体を動かしたい気分だった。
今日は午後から緊張の連続だった。
その緊張は解けたが、
俺の脳はまだアドレナリンを放出し続けていた。
そしてふと奥川の顔が浮かんだ。
その時、
丁度タイミングよく電話ボックスを見つけた。
俺は自転車を止めて
公衆電話の受話器を手に取った。
暗記している番号を押すと、
しばらくして奥川が出た。
運命の悪戯か、
今夜も一人で家にいると奥川は言った。
俺が「今から行く」と言うと、
少し驚いたようだが
「うん」
という短い言葉が返ってきた。
俺は自転車に飛び乗ると
力いっぱいペダルを踏み込んだ。
呼び鈴を鳴らすとすぐに玄関が開いた。
奥川は白いTシャツに
この間の夜と同じショートパンツを履いていた。
その姿を見て俺の頭のネジが外れた。
部屋に入ってすぐに
俺は彼女をベッドに押し倒した。
奥川の口をキスで塞いで、
俺はTシャツの上から胸を揉んだ。
「んっ」
奥川の喉から声が漏れた。
俺は彼女の口内に舌を入れて奥川の舌を弄った。
「ん、んっ」
そして十分味わってから唇を離した。
奥川は目を閉じて小さく震えていた。
俺は奥川に馬乗りになると
Tシャツを力任せに引き裂いた。
「いやあぁぁ、何するのっ」
得も言われぬ興奮が俺の脳内を駆け巡った。
奥川の目が見開かれて
その表情が驚きに変わっていた。
その表情を見て、俺はさらに興奮した。
俺はすぐさま水色のブラジャーをはぎ取った。
「やだっ、やめて、あっくん」
奥川の叫びを無視して
俺は露になった乳房を鷲掴みすると
乱暴に揉みしだいた。
「やめてっ!」
抵抗する奥川の腕を押さえつけて
俺は左の乳首に噛みついた。
「痛いっ!」
同時に右の乳房を指で弄んだ。
乳首を甘く噛みながら舌で先端を嘗め回した。
徐々に奥川の体から力が抜けるのがわかった。
「やだ・・」
その小さい声からは
もはや抵抗の意志は感じられなかった。
「お願い、あっくん、暗くして・・」
奥川は恥ずかしそうに手で顔を隠していた。
「だめだ。
明るい灯の下で
お前の体をじっくり観察しながらヤるんだ」
俺は奥川の手を取って頭の上で押さえつけた。
「いやっ・・」
目を閉じて頬を紅く染めた奥川の顔が見えた。
その瞬間、俺は我に返った。
さっきまで熱く固く猛っていた俺自身が、
空気の抜けた風船のように萎んでいた。
「ご、ごめん!奥川」
俺は急いで奥川を起こした。
「・・どうしたの?」
奥川は恥ずかしそうに手で胸を隠した。
「ごめん・・。どうかしてたんだ」
俺は床に落ちている無残に引き裂かれた
白いTシャツを拾い上げた。
それはすでに服としての機能を失っていた。
俺はベッドの上のタオルケットを取って
彼女の肩からそっとかけた。
「本当にごめん、奥川。大丈夫か?」
俺は奥川の目を直視できなかった。
「あっくんこそ大丈夫?何か変だよ?」
「う、うん。俺は大丈夫。何でもないよ」
「アイスコーヒー飲む?あっくん好きでしょ?」
奥川は俺の返事を待たずに部屋を出ていった。
お盆を手に部屋に戻ってきた奥川は
淡い黄色のTシャツを着ていた。
俺達はベッドに背を預けて並んで床に座った。
アイスコーヒーを一口飲むと、
ようやく心が落ち着いてきた。
そして俺は改めて先ほどの愚行を奥川に謝罪した。
「本当にどうしたの?何かあった?」
俺は放課後の出来事を奥川に話した。
少しでも先ほどの愚行から
話題をそらしたかったのだ。
「へえ。熊谷君達、煙草を吸ってるんだ」
奥川はそれほど驚いた様子でもなかった。
そういえば奥川自身も中学生になると
煙草に手を出す。
俺は彼女が体育館の裏で
煙草を吸っているところを
何度か目撃したことがあった。
「あっくんはこれ以上吸っちゃ駄目だからね」
そう言って奥川はキッと俺を睨んだ。
先ほどのベッドの上の
しおらしい表情とは打って変って、
そこには普段の気の強い奥川がいた。
俺はホッと胸を撫で下ろした。
安心すると急に笑いが込み上げてきた。
「あー。笑ってる」
そう言って奥川は口を尖らせた。
「ごめん、ごめん。
まあ一本吸って俺も共犯だから、
今後は吸わなくても大丈夫さ」
「もし無理に吸わされたら
私が熊谷君に言ってあげる」
奥川なら本当に言いかねないと思った。
そして大吾は奥川の言葉に従うだろう。
その結果、
大吾との和平条約は一方的に破棄されて
俺はふたたび無意味な戦争に巻き込まれるのだ。
「い、いや、それは困る。
今話したことは秘密にしてくれないと」
「そっか」
微笑む奥川に俺はぎこちない笑顔を返した。
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