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第14楽章
第95話 鈴木洋?の推理
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応接室の柱時計が
コツコツコツと時を刻んでいた。
僕はすぅっと肩が軽くなったような気がした。
僕は改めてソファーに体を沈めた。
自然と笑みがこぼれた。
次の瞬間、
僕の頭にある考えが浮かんだ。
「す、鈴木・・さん?」
車椅子の少女が僅かに首を傾げた。
「ちょ、ちょっと待って・・」
ぼんやりと浮かんだ考えを
整理するために僕は体を起こした。
応接室の柱時計が
コツコツコツと時を刻んでいた。
車椅子の少女が黙ったまま
両手でカップを持っていた。
「・・僕の考えを聞いてくれるかい?」
僕は少女に釣られてカップを手に取った。
そして一口だけ飲んだ。
「・・もしかしたら六条さんは
もっと前に殺されていたんじゃないかな」
「どういうことですか?」
「六条さんを部屋に監禁してから後、
誰も彼女の様子を確認してない・・」
茜がハッと息を呑んだ。
「きっと。
菅野さんは六条さんを
部屋に連れていった時点で殺していたんだ」
「ま、まさか・・そんな」
「そう考えると。
六条さんの死を聞かされた時の
西岡くんの驚いた表情も理解できる。
彼は六条さんを殺していない」
「でも・・。
なぜ菅野さんが六条さんを・・?」
「彼女はゲームの報酬に
並々ならぬ執着を見せていた。
【探偵】の松平さんを
躊躇いもなく殺したことからも
それは明らかだ。
それに。
『【市民】が【市民】を殺すことだってある』
西岡くんがそう言った時、
彼女はすでに
その考えに至っていた節がある」
茜が恐る恐るカップに口をつけた。
「さらに。
彼女は自らの安全を確保するために
牢屋に入った。
実は・・。
あの時、彼女が牢屋に入る前。
菅野さんは僕に無言のメッセージを
送っていたんだよ。
君と西岡くんを殺せという・・」
「ま、まさか・・そんな」
茜がふたたび同じ言葉を繰り返した。
「君が彼女のことを
どう思ってるのかわからないけど、
彼女は君が考えているよりも
ずっと狡猾でしたたかな女なんだ」
僕はどこかで聞いたことのあるセリフを
口にした。
コツコツコツと時を刻んでいた。
僕はすぅっと肩が軽くなったような気がした。
僕は改めてソファーに体を沈めた。
自然と笑みがこぼれた。
次の瞬間、
僕の頭にある考えが浮かんだ。
「す、鈴木・・さん?」
車椅子の少女が僅かに首を傾げた。
「ちょ、ちょっと待って・・」
ぼんやりと浮かんだ考えを
整理するために僕は体を起こした。
応接室の柱時計が
コツコツコツと時を刻んでいた。
車椅子の少女が黙ったまま
両手でカップを持っていた。
「・・僕の考えを聞いてくれるかい?」
僕は少女に釣られてカップを手に取った。
そして一口だけ飲んだ。
「・・もしかしたら六条さんは
もっと前に殺されていたんじゃないかな」
「どういうことですか?」
「六条さんを部屋に監禁してから後、
誰も彼女の様子を確認してない・・」
茜がハッと息を呑んだ。
「きっと。
菅野さんは六条さんを
部屋に連れていった時点で殺していたんだ」
「ま、まさか・・そんな」
「そう考えると。
六条さんの死を聞かされた時の
西岡くんの驚いた表情も理解できる。
彼は六条さんを殺していない」
「でも・・。
なぜ菅野さんが六条さんを・・?」
「彼女はゲームの報酬に
並々ならぬ執着を見せていた。
【探偵】の松平さんを
躊躇いもなく殺したことからも
それは明らかだ。
それに。
『【市民】が【市民】を殺すことだってある』
西岡くんがそう言った時、
彼女はすでに
その考えに至っていた節がある」
茜が恐る恐るカップに口をつけた。
「さらに。
彼女は自らの安全を確保するために
牢屋に入った。
実は・・。
あの時、彼女が牢屋に入る前。
菅野さんは僕に無言のメッセージを
送っていたんだよ。
君と西岡くんを殺せという・・」
「ま、まさか・・そんな」
茜がふたたび同じ言葉を繰り返した。
「君が彼女のことを
どう思ってるのかわからないけど、
彼女は君が考えているよりも
ずっと狡猾でしたたかな女なんだ」
僕はどこかで聞いたことのあるセリフを
口にした。
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