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第13楽章
第90話 子羊の群れ
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「・・騙されるなよ、お嬢ちゃん」
静かな遊戯室に西岡の声が響いた。
「あのおばさんを殺したのは俺じゃない。
・・それに。
今の話を聞いた限り、
すべての元凶は郷田を殺した奴だ。
そうだろ?」
西岡は包丁を僕に向けたままそう言った。
「元凶・・ですか?」
茜の表情が曇った。
「そう。
俺の推理にしても。
お嬢ちゃんの推理にしても。
郷田の死体がなければ
その後の悲劇は起こらなかった。
違うか?」
「何が・・仰りたいのですか?」
「そのままの意味だ。
誰が郷田を殺したのか?
名探偵のお嬢ちゃんには
当然、その見当が付いているんだろうな?」
「そ、それは・・」
茜が僅かに眉をひそめた。
「くっくっく。
良いことを教えてやろう。
郷田はゲームが始まる前に
すでに殺されていたんだ。
まだゲームの存在すら
公表されていない段階で
郷田を殺した人間がいるということだ」
そう言いながら
西岡は包丁をカウンターに置いた。
そして僕の方を見てにやりと口元を歪めた。
「ま、まさか・・そ、そんな!」
茜の表情に驚きが広がった。
「そいつは単なる殺人狂。
サイコパスだ」
そして西岡は2本目のジンジャーエールを
飲み干した。
僕はショットグラスにテキーラを注いで
一気に流し込んだ。
喉に焼けるような熱さを感じて軽く咳き込んだ。
すぐにミネラルウォーターのボトルを開けて
がぶがぶと飲んだ。
「子羊の群れに一匹だけ、
牙を生やした狼が紛れ込んでいたのさ」
西岡が「くっくっく」と笑った。
静かな遊戯室に西岡の声が響いた。
「あのおばさんを殺したのは俺じゃない。
・・それに。
今の話を聞いた限り、
すべての元凶は郷田を殺した奴だ。
そうだろ?」
西岡は包丁を僕に向けたままそう言った。
「元凶・・ですか?」
茜の表情が曇った。
「そう。
俺の推理にしても。
お嬢ちゃんの推理にしても。
郷田の死体がなければ
その後の悲劇は起こらなかった。
違うか?」
「何が・・仰りたいのですか?」
「そのままの意味だ。
誰が郷田を殺したのか?
名探偵のお嬢ちゃんには
当然、その見当が付いているんだろうな?」
「そ、それは・・」
茜が僅かに眉をひそめた。
「くっくっく。
良いことを教えてやろう。
郷田はゲームが始まる前に
すでに殺されていたんだ。
まだゲームの存在すら
公表されていない段階で
郷田を殺した人間がいるということだ」
そう言いながら
西岡は包丁をカウンターに置いた。
そして僕の方を見てにやりと口元を歪めた。
「ま、まさか・・そ、そんな!」
茜の表情に驚きが広がった。
「そいつは単なる殺人狂。
サイコパスだ」
そして西岡は2本目のジンジャーエールを
飲み干した。
僕はショットグラスにテキーラを注いで
一気に流し込んだ。
喉に焼けるような熱さを感じて軽く咳き込んだ。
すぐにミネラルウォーターのボトルを開けて
がぶがぶと飲んだ。
「子羊の群れに一匹だけ、
牙を生やした狼が紛れ込んでいたのさ」
西岡が「くっくっく」と笑った。
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