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第8楽章
第52話 駆け引き②
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遊戯室の柱時計が
コツコツコツと時を刻んでいた。
「・・どういうことだ?」
松平が西岡の方に向き直った。
「ゲームは24時間経過で終了する。
そしてその時に生き残っていた者が
その役職に従って報酬を受け取る。
ただし、
報酬を受け取ることができるのは
一つの役職だけ。
そうだったよな?」
「だから。
それがどうしたんだ?」
松平は煙を吐き出した。
「その優先順位は、
まず【犯人】、
次に【探偵】、
そして最後が【市民】」
西岡はそこで一度口を閉じた。
皆の反応を見て楽しんでいるようだった。
「・・そういうことね。
【犯人】は
無理に全員を殺す必要はない。
ある程度の金が手に入れば
身を隠した方が安全」
菅野はそう言ってグラスをクイッと呷った。
「その通り。
【市民】を殺せば
たしかに【犯人】の報酬は増える。
しかしその分特定されるリスクが高まる。
つまり。
ただ闇雲に殺しまくればいい
というわけではない。
大事なのはバランスだ」
そして西岡は「くっくっく」と笑った。
もし【犯人】が【市民】を殺し続けて
最後に2人だけが残った場合。
この場合は当然、
相手に自分が【犯人】と特定される。
おそらくこれは
生存者が3人の場合でも同じだろう。
計画性のない殺人では
必ずどこかにボロが出る。
つまり。
生存者の人数が多ければ多いほど、
【犯人】はその中に身を隠すことができる。
『木を隠すなら森の中』
とはよく言ったものだ。
「現状、死者は2人。
【犯人】はこのままゲーム終了まで
隠れることができれば
最低でも6000万円の報酬を
受け取ることができる。
ここで注目すべき点は、
ルールには
”死者1人につき”
と書かれていたことだ。
つまり。
2番目の毒殺に関しては、
そこのおばさんの犯行だったとしても、
その報酬は【犯人】が受け取ることができる
と解釈できる。
さらにもし死者のどちらかが
【探偵】だった場合。
その報酬は8000万円だ」
そこまで話すと西岡は
ふたたび「くっくっく」と笑った。
「俺が【犯人】なら
これ以上は殺さない」
コツコツコツと時を刻んでいた。
「・・どういうことだ?」
松平が西岡の方に向き直った。
「ゲームは24時間経過で終了する。
そしてその時に生き残っていた者が
その役職に従って報酬を受け取る。
ただし、
報酬を受け取ることができるのは
一つの役職だけ。
そうだったよな?」
「だから。
それがどうしたんだ?」
松平は煙を吐き出した。
「その優先順位は、
まず【犯人】、
次に【探偵】、
そして最後が【市民】」
西岡はそこで一度口を閉じた。
皆の反応を見て楽しんでいるようだった。
「・・そういうことね。
【犯人】は
無理に全員を殺す必要はない。
ある程度の金が手に入れば
身を隠した方が安全」
菅野はそう言ってグラスをクイッと呷った。
「その通り。
【市民】を殺せば
たしかに【犯人】の報酬は増える。
しかしその分特定されるリスクが高まる。
つまり。
ただ闇雲に殺しまくればいい
というわけではない。
大事なのはバランスだ」
そして西岡は「くっくっく」と笑った。
もし【犯人】が【市民】を殺し続けて
最後に2人だけが残った場合。
この場合は当然、
相手に自分が【犯人】と特定される。
おそらくこれは
生存者が3人の場合でも同じだろう。
計画性のない殺人では
必ずどこかにボロが出る。
つまり。
生存者の人数が多ければ多いほど、
【犯人】はその中に身を隠すことができる。
『木を隠すなら森の中』
とはよく言ったものだ。
「現状、死者は2人。
【犯人】はこのままゲーム終了まで
隠れることができれば
最低でも6000万円の報酬を
受け取ることができる。
ここで注目すべき点は、
ルールには
”死者1人につき”
と書かれていたことだ。
つまり。
2番目の毒殺に関しては、
そこのおばさんの犯行だったとしても、
その報酬は【犯人】が受け取ることができる
と解釈できる。
さらにもし死者のどちらかが
【探偵】だった場合。
その報酬は8000万円だ」
そこまで話すと西岡は
ふたたび「くっくっく」と笑った。
「俺が【犯人】なら
これ以上は殺さない」
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