44 / 117
第7楽章
第44話 市民
しおりを挟む
遊戯室の柱時計が
コツコツコツと時を刻んでいた。
「・・髑髏マークの小瓶。
だと?
わっはっは。
これで決まりだな。
【犯人】はその女だ!」
グラスを置いた松平が立ち上がった。
「その小瓶の中身は毒だ。
それを使ってあの婆さんを殺した。
そうなんだろ?」
「ち、違います!
わ、わたしはただ・・
余興のゲームで使うから
大切に保管するように言われただけで、
使っていません」
「嘘を吐くな!
貴様が殺したんだろ!」
松平はドンッとカウンターを叩いて
六条の方を指差した。
「お、落ち着きましょう、松平さん。
そもそも六条さんは【市民】を証明する
クラブのカードを持っています。
彼女に平原さんを殺す動機はありません」
僕の指摘に松平は
「うぐぐ・・」と顔を歪めた。
「くっくっく。
わかってないな。
【市民】を殺す動機があるのは
なにも【犯人】に限ったことじゃないぜ。
【市民】が【市民】を殺すことだって
あるんだぜ」
西岡のその言葉が
遊戯室にふたたび静寂をもたらした。
コツコツコツと時を刻んでいた。
「・・髑髏マークの小瓶。
だと?
わっはっは。
これで決まりだな。
【犯人】はその女だ!」
グラスを置いた松平が立ち上がった。
「その小瓶の中身は毒だ。
それを使ってあの婆さんを殺した。
そうなんだろ?」
「ち、違います!
わ、わたしはただ・・
余興のゲームで使うから
大切に保管するように言われただけで、
使っていません」
「嘘を吐くな!
貴様が殺したんだろ!」
松平はドンッとカウンターを叩いて
六条の方を指差した。
「お、落ち着きましょう、松平さん。
そもそも六条さんは【市民】を証明する
クラブのカードを持っています。
彼女に平原さんを殺す動機はありません」
僕の指摘に松平は
「うぐぐ・・」と顔を歪めた。
「くっくっく。
わかってないな。
【市民】を殺す動機があるのは
なにも【犯人】に限ったことじゃないぜ。
【市民】が【市民】を殺すことだって
あるんだぜ」
西岡のその言葉が
遊戯室にふたたび静寂をもたらした。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。



クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる