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第4楽章
第25話 鍵
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六条がオロオロと視線を左右に動かしていた。
「落ち着いてください、六条さん。
鍵が掛からないとはどういうことですか?」
車椅子の少女が優しく声を掛けると
六条は2回大きく深呼吸をした。
「と、とにかく!
ノブには鍵穴もなければ、
サムターンもないんです!」
それから六条はそう叫んだ。
部屋にいる者達が一斉に怪訝な表情を浮かべた。
そんな中、1人西岡だけが笑っていた。
「な、何がおかしいんですかっ!」
六条が西岡に向かって
ヒステリックに声を荒げた。
「・・もしかして君は知ってたのか?」
僕は西岡の方を見た。
「最初に建物を調べた時に気付いてたぜ。
その時に思ったんだ。
ペンションにしては随分変な建物だなと。
窓の類は一切なく、
廊下や部屋には
昼間でも明々と電気が点いている。
テレビも無く
どういうわけか建物内では
ネットにも繋がらない。
それもゲームのことを聞いて
ようやく腑に落ちた。
・・とにかくこれで。
明日の朝まで
部屋に閉じ籠る作戦は使えないな」
しゃべり終えると西岡は
「くっくっく」と笑った。
重苦しい沈黙が部屋を支配していた。
皆それぞれが何かを考えているようだった。
「・・焦っても仕方がありません。
荷物を部屋に置いてから
食事の準備をしましょう」
塚本が自らを奮い立たせるように
菅野と平原に提案すると、
2人は大人としての矜持からか
力強く頷いてソファーから立ち上がった。
その時、
「わ、私もお手伝いをします!」
六条が手を挙げた。
「な、何かしていないと気が紛れないので・・」
そして慌てて付け加えた。
「落ち着いてください、六条さん。
鍵が掛からないとはどういうことですか?」
車椅子の少女が優しく声を掛けると
六条は2回大きく深呼吸をした。
「と、とにかく!
ノブには鍵穴もなければ、
サムターンもないんです!」
それから六条はそう叫んだ。
部屋にいる者達が一斉に怪訝な表情を浮かべた。
そんな中、1人西岡だけが笑っていた。
「な、何がおかしいんですかっ!」
六条が西岡に向かって
ヒステリックに声を荒げた。
「・・もしかして君は知ってたのか?」
僕は西岡の方を見た。
「最初に建物を調べた時に気付いてたぜ。
その時に思ったんだ。
ペンションにしては随分変な建物だなと。
窓の類は一切なく、
廊下や部屋には
昼間でも明々と電気が点いている。
テレビも無く
どういうわけか建物内では
ネットにも繋がらない。
それもゲームのことを聞いて
ようやく腑に落ちた。
・・とにかくこれで。
明日の朝まで
部屋に閉じ籠る作戦は使えないな」
しゃべり終えると西岡は
「くっくっく」と笑った。
重苦しい沈黙が部屋を支配していた。
皆それぞれが何かを考えているようだった。
「・・焦っても仕方がありません。
荷物を部屋に置いてから
食事の準備をしましょう」
塚本が自らを奮い立たせるように
菅野と平原に提案すると、
2人は大人としての矜持からか
力強く頷いてソファーから立ち上がった。
その時、
「わ、私もお手伝いをします!」
六条が手を挙げた。
「な、何かしていないと気が紛れないので・・」
そして慌てて付け加えた。
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